時を越えた天馬と##NAME1##!
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「本当にここにあるのか?」
「ちょっと待って! えっと……あった!」
「「「おおっ!」」」
瑞貴が取り出したのは『サッカー部』と書いてあった部室の看板だ。それをそっと撫でて優しく微笑む瑞貴に天馬は首を傾げる。
「瑞貴さん?」
「いや、この看板を見つけたらスゴく嬉しくなってね。昔の守もこんな気持ちだったのかな……」
自分がトリップしたときは中学二年生だったので、サッカー部の誕生のことは円堂に話を聞いただけだ。そのとき自分がその場にいなかったことを少し残念に思ったこともあったので、それを含めて懐かしくも思う。これから自分たちはその時代に行くのだ。
――それからキャラバンに戻り、部室の看板を運転席の近くにある装置の上に置く。フェイと天馬が隣同士に、瑞貴はその反対側に座ってシートベルトを閉めた。
「アーティファクト、セット完了!」
「うまくいくかな……?」
「なんとかなるさ、でしょ?」
「そ、そうだね」
「こればかしは予想もつかなくて、私もドキドキするんだけど……」
「じゃあ行くぞ!」
ワンダバがシフトレバーを動かすと、同時にキャラバンが動き出して再び空に浮かんで一部が変形する。
「ワームホール周期確認! タイムルート検出開始! 座標軸照合! タイムジャンプ5秒前! 4…3…2…1! タイムジャ――ンプッ!!」
キャラバンはワームホールの中に入り、時空の波にしばらく乗って行った。
☆☆☆☆☆
十一年前の雷門中の近くに着陸した。扉が開くとさっきまでなかった満開の桜が咲いてる。
「ここは……?」
「円堂守が初めて雷門に登校して来た日のはずだ」
「綺麗な桜だ……」
「あの校舎、懐かしい!」
天馬たちの雷門中学校となる前に、とある事件がキッカケでさらに一度改装していたのだ。今の雷門中はまさに瑞貴がトリップしたときと同じ校舎である。
そして四人は校門の反対側の道路にある桜の木の陰に移動し、走って登校して来る円堂守を発見した。
「あれは円堂監督!」
「いや、監督どころかキャプテンにもなってない。それどころかまだサッカー部にも入ってないよ」
「サッカー部じゃない、守かぁ……」
「ついに来たぜー!」
校舎を見て感激し、叫びながら入って行った円堂。その姿に天馬は自分もそうだったと思い出し笑いをするので、それを知らない瑞貴は不思議に思って声をかける。
「どうしたの、天馬?」
「俺も入学式のとき、あんな風だったなぁって思い出したんです。これから円堂監督が、雷門にサッカー部を作るんだね」
「うん。何も邪魔が入らなければね……」
「「…………」」
確かにフェイの言う通りで、エルドラドが何か仕掛けたから現代に雷門中サッカー部がなくなっているのだ。警戒するに越したことはない。
――入学式のあと円堂が職員室に移動したので、なんとか忍び込んだ天馬と瑞貴とフェイは職員室の窓から中を覗き込む。すると瑞貴は円堂と対面している人物を見て眉をしかめた。
「ゲッ、冬海先生がいる……」
「えっ? あれが冬海校長ですか」
「そうだよ。昔は雷門中サッカー部の顧問だったんだよね……」
さらに当時を思い出した瑞貴はまた微妙な顔をすると、円堂が冬海卓に入部届けを提出した。
「サッカー部、入部希望です!」
「悪いけど、この学校にサッカー部はないんだ」
「ええぇぇえええ!?」
「ええぇぇえええ!?」
円堂と一緒に天馬まで驚いたので、瑞貴は慌てて彼の口を塞ぎ、フェイも人差し指を立てて静かにするように示す。
「静かに!」
「だからいちいち驚かない!」
「プハッ。いや、ついつられて……」
瑞貴から口に当ててあった手を離してもらうと、天馬は苦笑して二人にそう言った。
「ちょっと待って! えっと……あった!」
「「「おおっ!」」」
瑞貴が取り出したのは『サッカー部』と書いてあった部室の看板だ。それをそっと撫でて優しく微笑む瑞貴に天馬は首を傾げる。
「瑞貴さん?」
「いや、この看板を見つけたらスゴく嬉しくなってね。昔の守もこんな気持ちだったのかな……」
自分がトリップしたときは中学二年生だったので、サッカー部の誕生のことは円堂に話を聞いただけだ。そのとき自分がその場にいなかったことを少し残念に思ったこともあったので、それを含めて懐かしくも思う。これから自分たちはその時代に行くのだ。
――それからキャラバンに戻り、部室の看板を運転席の近くにある装置の上に置く。フェイと天馬が隣同士に、瑞貴はその反対側に座ってシートベルトを閉めた。
「アーティファクト、セット完了!」
「うまくいくかな……?」
「なんとかなるさ、でしょ?」
「そ、そうだね」
「こればかしは予想もつかなくて、私もドキドキするんだけど……」
「じゃあ行くぞ!」
ワンダバがシフトレバーを動かすと、同時にキャラバンが動き出して再び空に浮かんで一部が変形する。
「ワームホール周期確認! タイムルート検出開始! 座標軸照合! タイムジャンプ5秒前! 4…3…2…1! タイムジャ――ンプッ!!」
キャラバンはワームホールの中に入り、時空の波にしばらく乗って行った。
☆☆☆☆☆
十一年前の雷門中の近くに着陸した。扉が開くとさっきまでなかった満開の桜が咲いてる。
「ここは……?」
「円堂守が初めて雷門に登校して来た日のはずだ」
「綺麗な桜だ……」
「あの校舎、懐かしい!」
天馬たちの雷門中学校となる前に、とある事件がキッカケでさらに一度改装していたのだ。今の雷門中はまさに瑞貴がトリップしたときと同じ校舎である。
そして四人は校門の反対側の道路にある桜の木の陰に移動し、走って登校して来る円堂守を発見した。
「あれは円堂監督!」
「いや、監督どころかキャプテンにもなってない。それどころかまだサッカー部にも入ってないよ」
「サッカー部じゃない、守かぁ……」
「ついに来たぜー!」
校舎を見て感激し、叫びながら入って行った円堂。その姿に天馬は自分もそうだったと思い出し笑いをするので、それを知らない瑞貴は不思議に思って声をかける。
「どうしたの、天馬?」
「俺も入学式のとき、あんな風だったなぁって思い出したんです。これから円堂監督が、雷門にサッカー部を作るんだね」
「うん。何も邪魔が入らなければね……」
「「…………」」
確かにフェイの言う通りで、エルドラドが何か仕掛けたから現代に雷門中サッカー部がなくなっているのだ。警戒するに越したことはない。
――入学式のあと円堂が職員室に移動したので、なんとか忍び込んだ天馬と瑞貴とフェイは職員室の窓から中を覗き込む。すると瑞貴は円堂と対面している人物を見て眉をしかめた。
「ゲッ、冬海先生がいる……」
「えっ? あれが冬海校長ですか」
「そうだよ。昔は雷門中サッカー部の顧問だったんだよね……」
さらに当時を思い出した瑞貴はまた微妙な顔をすると、円堂が冬海卓に入部届けを提出した。
「サッカー部、入部希望です!」
「悪いけど、この学校にサッカー部はないんだ」
「ええぇぇえええ!?」
「ええぇぇえええ!?」
円堂と一緒に天馬まで驚いたので、瑞貴は慌てて彼の口を塞ぎ、フェイも人差し指を立てて静かにするように示す。
「静かに!」
「だからいちいち驚かない!」
「プハッ。いや、ついつられて……」
瑞貴から口に当ててあった手を離してもらうと、天馬は苦笑して二人にそう言った。