時を越えた天馬と##NAME1##!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
☆☆☆☆☆
二百年後の未来の会議室では、通信によって映し出されたホログラムのアルファが申し訳なさそうにトウドウたちに謝罪する。
〈申し訳ありません、議長〉
「失敗は許されん。サッカーを消さねば世界は滅ぶかもしれん。わかっておるな?」
「今、世界では戦争が起こっているのだ」
「敵は恐るべき少年たち――セカンドステージ・チルドレン」
「我々を下等な存在とみなし、支配しようとしている」
「彼らの組織――『フェーダ』は今や人類の脅威だ」
議長のトウドウを始め、議員たちが変わる変わる意見を言い放つ。
「我々は、彼らを速やかに排除せねばならん。彼らの遺伝子は優秀なサッカープレーヤーから発生した。サッカーが彼らを生んだのだ。だからこそサッカーの発展を阻止し、人類の誤った進化を止めねばならん。わかるな?」
〈全て、理解しています〉
「ならば、我々を失望させないでくれ。アルファ」
〈イエス、マスター〉
改めて誓ったアルファのホログラムは消えた。再び薄暗くなった会議室で、一人の議員がトウドウに話しかける。
「議長、フェーダが崇める『マリア』はよろしいのですか? 一度は邪魔が入ったものの、もう一度やってみれば――」
「先ほどの接触の分析の結果、フェーダはマリアに力を与えた。もう封印することは不可能だ」
「「「「「!」」」」」
トウドウの言葉に議員たちは目を大きく見開いたが、しかしトウドウはニヤリと笑う。
「だが、マリアはすでにただの小娘だ。あとはサッカーに対して絶望を与えれば問題ない」
☆☆☆☆☆
一方エルドラドが言う『マリア』を除き、未来の状況やセカンドステージ・チルドレンについて、フェイは天馬と瑞貴に話した。
「未来ではそんなことが……!」
「だからアルファたちは『サッカーを消す』なんて言ってたのね……」
「エルドラドは、セカンドステージ・チルドレンを恐れている。だから、サッカーを消すことで彼らが世界に生まれないようにするつもりなんだ」
「サッカーを消すなんて……!」
「どんな理由があろうと、そんな権利は誰にもないよ!」
「その通り」
サッカーを愛する天馬と瑞貴はエルドラドのやり方に怒りを覚えたし、それについてフェイは二人に同意した。しかし――。
「でも、エルドラドにそんな理屈は通用しない」
「でも、あいつらはサッカーをやってたじゃないか。それなのに……」
「それが一番効果的なんだよ。サッカープレーヤーは自分のステージであるサッカーで打ちのめされることが、一番心の傷になる。サッカーへの想いを変えさせやすいんだ」
「それで私たちにボールをぶつけてきたんだ……」
瑞貴は試合前といい、試合中といい、プロトコル・オメガが自分たちに痛めつけるようボールをぶつけてきた理由がわかった。だけどサッカーを危険物扱いすることに天馬は信じられない気持ちでいる。
「そんな……サッカーは楽しいモノなのに……」
「そう。サッカーは楽しいモノだし、人にとって必要なモノだ。だから……僕らはやって来た。君たちを救うために!」
フェイが石を握り締めると同時に空間も消え、元の砂浜に戻った。
「フェイ、君は何故?」
「未来にだって、天馬や瑞貴さんのようにサッカーを愛している者がいるってことさ。僕にとっても、サッカーは必要だから」
「フェイ……」
「フェイくん……」
「だから、僕は天馬と瑞貴さんと一緒にサッカーを守るよ」
「ありがとう、フェイ!」
「生きる時代は違うけど、サッカーが好きって言う気持ちはどの時代でも同じってことだね。とても心強いよ!」
天馬と瑞貴は順番にフェイと握手を交わす。サッカーを愛する者同士として新たな仲間ができた。そしてその間にワンダバはその場を離れて準備を始める。
「行こう。天馬、瑞貴さん」
「えっ、行こうって……」
「どこへ?」
「まずは雷門中サッカー部を取り戻す。そのためには君たち雷門が生まれた場所に行くんだ」
「「えっ?」」
「十一年前の雷門中――円堂守が雷門にサッカー部を作った日だ」
「守がサッカー部を作った日!?」
「それってタイムスリップってこと!?」
「うん。雷門中サッカー部が消えたのは、雷門にサッカー部が作られる歴史の『インタラプト』が修正されたせいだ」
「「インタラプト?」」