サッカーが消えた!?
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「お前は……!」
ピピピッ。
紫髪の少年が付けているインカムから通信が入ったので、目の前にいる白髪の少年に注意しつつ通話をする。
〈作戦を変更する。今すぐ撤退せよ〉
「……イエス、マスター」
【タイムワープモード】
紫髪の少年はボールから出た謎の光と共に姿を消した。
「さーて……――なっ!?」
白髪の少年が瑞貴へ振り向くと驚いたように目を見開いた。なんと瑞貴の体がだんだんと小さくなり、服装は変わらずとも中学生の姿に変わったのだ。
「参ったなぁ。僕らの元へ連れて行こうと思ったのに……――でも、これはこれでちょうどいいか」
どうするか少し考えた少年はしゃがみ、瑞貴の頭にかざした手から光を放って数秒で消した。
そのあと瑞貴がペンダントにしている指輪に触れた。すると淡い光が放ったと思ったら少年が手を離すと同時に治まり、それを確認すると少年は立ち上がってその場から離れるべく歩き出す。
「――いいのか? 彼女をこのままにして」
途中で白いローブにフードを被り、隙間から白い髭が出ている老人のような人物が告げると、白髪の少年はフッと笑った。
「大丈夫だよ。また僕に会うまでは僕の記憶は消したし、おじさんたちがもうあの人を連れて行くことはできない。それに――『僕ら』より『彼ら』のそばにいたほうがいい。そのほうが事は進みやすい」
そう言って少年も白いローブの人物も、その場から姿を消した。
――しばらくして瑞貴は目を覚ます。体に異変はないし悪い夢でもまた見たのかと思い、ふと手を見ると……。
「あれ? 私の手、こんなに小さかった?」
朝に見たときより断然小さい。ふと自分が今いるのが曲がり角ならばと周りを見回し、目的のものであり設置してあるカーブミラーを見ると……。
「な、なんで!? なんで私、中学生に戻ってるの!?」
瑞貴はカーブミラーで見た自分の姿に驚くしかなかった。服装と髪型は変わりないが、その姿はまさしくちょうど十年前――十四歳の自分の姿だ。
「どうしてこんなことに……。まさかさっきの、夢じゃない!?」
妙な少年が自分を『封印する』ということを頭によぎった。
「と、とにかく雷門中に行こう!」
頼れる夫と仲間が集まっている場所へ瑞貴はすぐに駆け出した。
――雷門中に辿り着いたときはもう放課後になっており、生徒たちは部活したり帰宅したりとしているが……。
「なっ、なっ……!」
瑞貴は空いた口が塞がらない状態だった。昨日の練習に使っていた第二グラウンドは一夜にして野球部のグラウンドになっており、雷門中の生徒たちに紛れて見えるサッカー部のメンバーが、相撲部やラグビー部やバトミントン部や軽音部や卓球部など、他の部活の道具を持っていた。
「ちょっと待って。これ、学校企画のドッキリ? 帰ってくる天馬を驚かせるにしても大掛かり過ぎじゃ――」
「そこの君!」
「!」
頭を悩ます瑞貴を呼んだ声に振り向くと、顔をしかめて腰に手を当てている音無春奈だった。
「部外者が勝手に入っちゃダメじゃない! ちゃんと許可は取ったの?」
「春奈ちゃん!」
「えっ? なんで私の名前を知ってるの?」
「あっ、そうか……」
瑞貴は自分の姿がまるきり変わったことを思い出す。これでは確かに他校の生徒と思われてもおかしくないので、なんとか春奈に説明をする。
「春奈ちゃん。私、円堂瑞貴!」
「円堂……?」
「あっ、旧姓の井上って言ったほうがわかるかな? 今はこんな姿になっているけど、雷門中サッカー部のコーチの――」
「何言っているのかわからないけど……――この学校にはサッカー部なんてないわよ」
…………。
「……えっ?」
瑞貴は春奈の言葉を理解できるのに時間がかかった。サッカー部がないなど寝耳に水どころではない。
「ちょっ、冗談はやめてよ。だって、春奈ちゃんはサッカー部の顧問でしょ?」
「さっきから『春奈ちゃん』なんて年上に対して気安く呼ばないの。なんで私の名前を知っているのかわからないけど、私は新聞部の顧問・音無春奈よ」
「!」
ピッシャ――ンッ!!
まるで頭上に雷が走ったかのような衝撃を受けた。サッカー部がない上に、『教師になってサッカー部の顧問になりたい』と中学生時代に語っていた春奈が『新聞部の顧問』という肩書きになっていることもだ。
ピピピッ。
紫髪の少年が付けているインカムから通信が入ったので、目の前にいる白髪の少年に注意しつつ通話をする。
〈作戦を変更する。今すぐ撤退せよ〉
「……イエス、マスター」
【タイムワープモード】
紫髪の少年はボールから出た謎の光と共に姿を消した。
「さーて……――なっ!?」
白髪の少年が瑞貴へ振り向くと驚いたように目を見開いた。なんと瑞貴の体がだんだんと小さくなり、服装は変わらずとも中学生の姿に変わったのだ。
「参ったなぁ。僕らの元へ連れて行こうと思ったのに……――でも、これはこれでちょうどいいか」
どうするか少し考えた少年はしゃがみ、瑞貴の頭にかざした手から光を放って数秒で消した。
そのあと瑞貴がペンダントにしている指輪に触れた。すると淡い光が放ったと思ったら少年が手を離すと同時に治まり、それを確認すると少年は立ち上がってその場から離れるべく歩き出す。
「――いいのか? 彼女をこのままにして」
途中で白いローブにフードを被り、隙間から白い髭が出ている老人のような人物が告げると、白髪の少年はフッと笑った。
「大丈夫だよ。また僕に会うまでは僕の記憶は消したし、おじさんたちがもうあの人を連れて行くことはできない。それに――『僕ら』より『彼ら』のそばにいたほうがいい。そのほうが事は進みやすい」
そう言って少年も白いローブの人物も、その場から姿を消した。
――しばらくして瑞貴は目を覚ます。体に異変はないし悪い夢でもまた見たのかと思い、ふと手を見ると……。
「あれ? 私の手、こんなに小さかった?」
朝に見たときより断然小さい。ふと自分が今いるのが曲がり角ならばと周りを見回し、目的のものであり設置してあるカーブミラーを見ると……。
「な、なんで!? なんで私、中学生に戻ってるの!?」
瑞貴はカーブミラーで見た自分の姿に驚くしかなかった。服装と髪型は変わりないが、その姿はまさしくちょうど十年前――十四歳の自分の姿だ。
「どうしてこんなことに……。まさかさっきの、夢じゃない!?」
妙な少年が自分を『封印する』ということを頭によぎった。
「と、とにかく雷門中に行こう!」
頼れる夫と仲間が集まっている場所へ瑞貴はすぐに駆け出した。
――雷門中に辿り着いたときはもう放課後になっており、生徒たちは部活したり帰宅したりとしているが……。
「なっ、なっ……!」
瑞貴は空いた口が塞がらない状態だった。昨日の練習に使っていた第二グラウンドは一夜にして野球部のグラウンドになっており、雷門中の生徒たちに紛れて見えるサッカー部のメンバーが、相撲部やラグビー部やバトミントン部や軽音部や卓球部など、他の部活の道具を持っていた。
「ちょっと待って。これ、学校企画のドッキリ? 帰ってくる天馬を驚かせるにしても大掛かり過ぎじゃ――」
「そこの君!」
「!」
頭を悩ます瑞貴を呼んだ声に振り向くと、顔をしかめて腰に手を当てている音無春奈だった。
「部外者が勝手に入っちゃダメじゃない! ちゃんと許可は取ったの?」
「春奈ちゃん!」
「えっ? なんで私の名前を知ってるの?」
「あっ、そうか……」
瑞貴は自分の姿がまるきり変わったことを思い出す。これでは確かに他校の生徒と思われてもおかしくないので、なんとか春奈に説明をする。
「春奈ちゃん。私、円堂瑞貴!」
「円堂……?」
「あっ、旧姓の井上って言ったほうがわかるかな? 今はこんな姿になっているけど、雷門中サッカー部のコーチの――」
「何言っているのかわからないけど……――この学校にはサッカー部なんてないわよ」
…………。
「……えっ?」
瑞貴は春奈の言葉を理解できるのに時間がかかった。サッカー部がないなど寝耳に水どころではない。
「ちょっ、冗談はやめてよ。だって、春奈ちゃんはサッカー部の顧問でしょ?」
「さっきから『春奈ちゃん』なんて年上に対して気安く呼ばないの。なんで私の名前を知っているのかわからないけど、私は新聞部の顧問・音無春奈よ」
「!」
ピッシャ――ンッ!!
まるで頭上に雷が走ったかのような衝撃を受けた。サッカー部がない上に、『教師になってサッカー部の顧問になりたい』と中学生時代に語っていた春奈が『新聞部の顧問』という肩書きになっていることもだ。