サッカーが消えた!?
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遥か遠い彼方とも言える時代で、とある会議が行われた。彼らが注目しているのは雷門中サッカー部であり、そしてとても厳しい表情をしている。
「インタラプトの確認は終了した。――修正を開始せよ」
このひと言から、新たな戦いの幕が上がるのだった。
☆☆☆☆☆
雷門中サッカー部が優勝したあとから三ヶ月……少年サッカー法の改善や取材など大忙しだ。神童拓人が怪我から復帰して士気も上がり、キャプテンは引き続き松風天馬が行うことになった。その彼も今は豪炎寺修也が設立したサッカー教育プログラムのため、全国の子供たちにサッカーを教えに行って不在である。
円堂瑞貴もまた、夫の円堂守と共に雷門中サッカー部を指導して彼らを支え続けている。だが――。
『守! 待って!』
黒い空間の中、前方で背を向けている円堂を追いかける瑞貴。しかし走っているのに一向に追いつく気配がなく、それどころかどんどん円堂は瑞貴から離れて行った。
走り続けた疲れなのか、足がもつれた瑞貴は思いっきり倒れてしまった。顔を上げると円堂は自分に振り向きもしないどころか、ついに見えなくなってしまう。
『守……なんで……?』
瑞貴はなんとか体を起こすも、円堂がいなくなったショックで座ったままで顔をうつむけて涙を流す。
テン、テン、テン……。
『!』
ふと隣を見ればサッカーボールが、二、三回バウンドして転がってきた。何気なくそれに手を伸ばすと――なんと触れる直前に消えてしまった。
「っ!」
ガバッ!
勢いよく目を開けて体を起こした瑞貴。カーテンの隙間からは朝日が差し込んでおり、さっきまでの黒い空間はどこにもない。手を握ったり開いたりしたあと、自分の頬を思いっきりつねってみる。
「イタタタッ!」
痛みがあるということは現実であり、先ほどのことが全て夢であるとようやく受け止めることができた。
「嫌な夢……。今日は天馬も帰って来るから、守と現地で会おうって約束したのに……」
昨日円堂はレジスタンスに泊まり込んでいたので、今日は部活の時間に雷門中で集合ということにした。我に返った瑞貴はベッドから降りて支度を始めるのだった。
――いつものランニングが終わり、シャワーを浴びて朝食作りを開始する。円堂がいないため一人分なのだが……。
「あれ? 食器の数が足りない?」
それも一つや二つじゃない。この家には瑞貴がトリップしたときから使っている食器もあれば、円堂と結婚してから購入した食器もある。来客用の物も合わせて数えてみるが確かに少ない。
「昨日はちゃんとあったのに……――まさか、ドロボウでも入った!?」
瑞貴はリビング全体を見渡すが最初から荒らされたあともないし、窓も玄関も確かに鍵がかかっていた。
朝食のあと、瑞貴は他になくなった物がないか調べてみる。通帳とかアクセサリーとか確認するが……。
「守との思い出の品が――ううん、守の私物すら全部ない……!?」
まるで円堂が最初からこの家にいないという状態だ。あるのはたった一つ、昨日の夜に外すのを忘れていた自分の指に嵌めてある結婚指輪だけだった。
☆☆☆☆☆
あれから家中を探してみるが、確かに円堂に関するモノがなくなっていた。それどころか自分が雷門中サッカー部の現役時代の道具や写真も全てない。
しかし部活の時間が迫って来たので瑞貴は家を出る。結婚指輪をチェーンに通して首に掛け、今度はしっかり全ての部屋の窓の鍵も閉まったのか何度も確認して来た。
「ハァ……守にどう説明しよう……。――ん?」
妙な状況を円堂にどうやって伝えるべきかと考えていると、角を曲がると紫髪の不思議な服を着た少年がいた。瑞貴はそれに構わず通り過ぎようとすると――。
「……井上瑞貴、もとい円堂瑞貴。インタラプトの修正のため、封印する」
「えっ?」
瑞貴が振り向くと少年はいつの間にか向かい合っており、ボールを構えていた。
【封印モード】
「な、何これ!? ぐううっ」
ボールから現れた光は瑞貴を包み、まるでボールに吸い込まれるように引っ張られていく。なんとか踏ん張ろうとするも、徐々に引き寄せられてだんだん気が遠くなってしまう。
(っ、これ以上は……)
「無駄な抵抗はやめろ」
「――残念だけど、そうはさせないよ」
「っ!?」
突如二人の間に白髪の少年が現れる。瑞貴の前に出た白髪の少年は紫髪の少年に向けて手を前へかざすと、ボールの光は消えて反動のために瑞貴は気を失って倒れてしまった。
「インタラプトの確認は終了した。――修正を開始せよ」
このひと言から、新たな戦いの幕が上がるのだった。
☆☆☆☆☆
雷門中サッカー部が優勝したあとから三ヶ月……少年サッカー法の改善や取材など大忙しだ。神童拓人が怪我から復帰して士気も上がり、キャプテンは引き続き松風天馬が行うことになった。その彼も今は豪炎寺修也が設立したサッカー教育プログラムのため、全国の子供たちにサッカーを教えに行って不在である。
円堂瑞貴もまた、夫の円堂守と共に雷門中サッカー部を指導して彼らを支え続けている。だが――。
『守! 待って!』
黒い空間の中、前方で背を向けている円堂を追いかける瑞貴。しかし走っているのに一向に追いつく気配がなく、それどころかどんどん円堂は瑞貴から離れて行った。
走り続けた疲れなのか、足がもつれた瑞貴は思いっきり倒れてしまった。顔を上げると円堂は自分に振り向きもしないどころか、ついに見えなくなってしまう。
『守……なんで……?』
瑞貴はなんとか体を起こすも、円堂がいなくなったショックで座ったままで顔をうつむけて涙を流す。
テン、テン、テン……。
『!』
ふと隣を見ればサッカーボールが、二、三回バウンドして転がってきた。何気なくそれに手を伸ばすと――なんと触れる直前に消えてしまった。
「っ!」
ガバッ!
勢いよく目を開けて体を起こした瑞貴。カーテンの隙間からは朝日が差し込んでおり、さっきまでの黒い空間はどこにもない。手を握ったり開いたりしたあと、自分の頬を思いっきりつねってみる。
「イタタタッ!」
痛みがあるということは現実であり、先ほどのことが全て夢であるとようやく受け止めることができた。
「嫌な夢……。今日は天馬も帰って来るから、守と現地で会おうって約束したのに……」
昨日円堂はレジスタンスに泊まり込んでいたので、今日は部活の時間に雷門中で集合ということにした。我に返った瑞貴はベッドから降りて支度を始めるのだった。
――いつものランニングが終わり、シャワーを浴びて朝食作りを開始する。円堂がいないため一人分なのだが……。
「あれ? 食器の数が足りない?」
それも一つや二つじゃない。この家には瑞貴がトリップしたときから使っている食器もあれば、円堂と結婚してから購入した食器もある。来客用の物も合わせて数えてみるが確かに少ない。
「昨日はちゃんとあったのに……――まさか、ドロボウでも入った!?」
瑞貴はリビング全体を見渡すが最初から荒らされたあともないし、窓も玄関も確かに鍵がかかっていた。
朝食のあと、瑞貴は他になくなった物がないか調べてみる。通帳とかアクセサリーとか確認するが……。
「守との思い出の品が――ううん、守の私物すら全部ない……!?」
まるで円堂が最初からこの家にいないという状態だ。あるのはたった一つ、昨日の夜に外すのを忘れていた自分の指に嵌めてある結婚指輪だけだった。
☆☆☆☆☆
あれから家中を探してみるが、確かに円堂に関するモノがなくなっていた。それどころか自分が雷門中サッカー部の現役時代の道具や写真も全てない。
しかし部活の時間が迫って来たので瑞貴は家を出る。結婚指輪をチェーンに通して首に掛け、今度はしっかり全ての部屋の窓の鍵も閉まったのか何度も確認して来た。
「ハァ……守にどう説明しよう……。――ん?」
妙な状況を円堂にどうやって伝えるべきかと考えていると、角を曲がると紫髪の不思議な服を着た少年がいた。瑞貴はそれに構わず通り過ぎようとすると――。
「……井上瑞貴、もとい円堂瑞貴。インタラプトの修正のため、封印する」
「えっ?」
瑞貴が振り向くと少年はいつの間にか向かい合っており、ボールを構えていた。
【封印モード】
「な、何これ!? ぐううっ」
ボールから現れた光は瑞貴を包み、まるでボールに吸い込まれるように引っ張られていく。なんとか踏ん張ろうとするも、徐々に引き寄せられてだんだん気が遠くなってしまう。
(っ、これ以上は……)
「無駄な抵抗はやめろ」
「――残念だけど、そうはさせないよ」
「っ!?」
突如二人の間に白髪の少年が現れる。瑞貴の前に出た白髪の少年は紫髪の少年に向けて手を前へかざすと、ボールの光は消えて反動のために瑞貴は気を失って倒れてしまった。