ホーリーロード全国大会の決勝戦――前半は２対２の同点で終わった。後半戦に向けて意気込む雷門の前に、選手も監督も総入れ替えした聖堂山の――フィフスセクター最高位のチーム・ドラゴンリンクが現れる。

キックオフから不可解な行動をするドラゴンリンクに、警戒しながらも攻めようとする雷門。するといきなりドラゴンリンクのＦＷは四体の化身・精鋭兵ポーンを出現させた。


「はああぁぁあああ！」


錦龍馬からボールを奪った聖城将護は、化身の力を使ってシュートを撃った。そしてそのまま一気に三国太一のいるゴールへと迫る。


「させるか！　フェンス・オブ・ガイア！」


必殺技を発動させた三国は、懸命に対抗して見事に化身シュートを跳ね返した。


《止めた――っ!!　三国、化身のシュートを必死にブロック！》

「やったー！」

「三国先輩！」


三国の見事なブロックに影山輝も西園信助も嬉しそうに叫ぶが……。


「ホォ、やるじゃないか」

「だけど、本当の地獄はここからだよ！　ふっ！」


なんと聖城に続き、続いて伍代慎吾の化身シュートが襲いかかる。


「フェンス・オブ・ガイア！」


もう一度と三国は必殺技で対抗する。しかし、ゴールに入れられることは阻止したものの反動で倒れてしまった。彼の身を案じて天城大地たちが心配する。


「三国！」

《三国必死のセーブ！　だが、吹き飛ばされてしまった――っ!!》

「はあっ！」


しかし相手は待ってくれず、今度は後藤結界の化身シュートが来た。しかし体を倒してしまった三国は、すぐに体勢を立て直すことができない。


「間に合わない！」

「っ！」

「天城！」

「アトランティスウォール！　だド！」


天城が三国の前に飛び込んだものの、止めることができず突破されてしまった。しかし……。


「パワーは弱まった！　今だ！」


天城のおかげで普通のシュートと変わらぬ威力になったので、三国はパンチングで跳ね返した。それでもダメージは大きく天城も三国も肩で息をしている。


「美しいコンビプレーというわけか。そんなもの、我がドラゴンリンクの前では……無力だ！」

「止める！　ぐうぅ……うわあっ！」


跳ね返ったボールを御戸翔が化身シュートを打ち込んだ。もう必殺技を出せるほど体力はなく、三国は正面から受け止めると、押し込まれる際に片足を地に削ったおかげでコースを変えてゴールポストに背中をぶつけた。


「三国先輩！」


三国はボールごとラインの外に出たので得点にはならなかったものの、そのダメージは大きい。松風天馬たちは急いで三国の元へ駆け寄って彼の身を案じるも、三国は気絶してみんなの呼び掛けに反応しない。

満身創痍の三国は担架で運ばれ、医務室に向かうべくフィールドを去って行った。化身シュートを放ったというのに息一つ乱れないドラゴンリンクのＦＷを見て、円堂瑞貴は目を見開く。


「これが、ドラゴンリンク……！」

「信助、交代だ。ゴールを守れ」

「はい！」


円堂守の指示で信助はピッチに入り、ゴール前にいる天馬たちの元へ駆け寄る。