新キャプテン! 松風天馬!!
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練習が終わったあと病院に向かった天馬は、入院中の神童に面会できるよう担当看護師の冬花に頼み込んでいた。
「えっ、神童さんに? でももうそろそろ面会時間が……」
「お願いします!」
「あっ……」
深々と頭を下げる天馬。そのただごとじゃない必死な様子を見て、冬花は仕方ないというように苦笑した。
「わかったわ。でも、ちょっとだけよ?」
冬花から許可をもらった天馬は、さっそく神童の病室に行ってノックをした。
コンコンコン。
「どうぞ」
「失礼します」
中にいる神童から許可をもらい、天馬が病室の扉を開けると神童は読んでいた本から顔を上げた。
「天馬か。練習は終わったのか?」
「……はい」
「どうした? そんなとこに突っ立ってないで、こっちへ来たらどうだ」
「はい……――っ!」
扉を開けるだけで動かない天馬を神童は中に入るよう招いた。それで天馬もようやく病室に入るが、包帯が巻かれている神童の右足を見て目を見開くと、ベッドのそばに向かった。
「いよいよ決勝戦だな。準備は進んでいるか?」
「はい……」
「すまないな、こんなことになってしまって……。できれば、最後まで一緒に戦いたかったけど、ちょっとそれはムリそうだ」
「すいません!」
自身の右足を見て神童が眉を下げると、天馬が急に謝りながら頭を下げてきた。
「俺、やっぱりキャプテンなんてできません! 俺なんかがキャプテンやってたら、チームがムチャクチャになって……! 俺にはキャプテンの代わりなんてムリなんです!」
「…………」
キャプテンという立場のプレッシャーは神童にも身に覚えがある。今、天馬はそのプレッシャーを感じているのだと気づいた神童は目を閉じ、脳裏に今までの事を思い浮かべる。
『最後まで……戦いたいんです! 最後まで…最後までやり抜けば……きっと道は見えてくる!』
『お願いです……! キャプテン…サッカー…あきらめないでください!』
『キャプテン!』
黒の騎士団との試合で、天馬は絶望的な状況でもあきらめなかった。そして栄都学園戦でも、自分を信じて何度もパスを出してくれた。
「天馬」
「…………」
目を開けた神童が声をかけると、天馬は下げた頭をゆっくり上げた。
「お前ならできる。俺にはわかる!」
「キャプテン……!」
神童が自分を推薦してくれたと円堂から聞いたときより、本人の口から聞けたことに嬉しかったのか、天馬は涙が出るのをこらえて笑顔でもう一度頭を下げた。
――病院を出たときはもう夜になっており、天馬は神童の言葉を思い返しながら夜空を見上げつつ歩いていた足を止める。
(『お前ならできる』……か。俺、やってみます! みんなをまとめて、絶対勝って、サッカーを必ず取り戻してみせます!)
ふと見ると木枯らし荘から少し離れていたことに気づいた。考えごとをしていたせいで歩が進み過ぎたのだろう。
「ん? あれ? 行き過ぎちゃった」
「――松風!」
名前を呼ばれた天馬が振り向くと、剣城がユニフォーム姿でボロボロになっていたので慌てて駆け寄る。
「剣城! どうしたの、その格好!?」
「松風。お前にはある技を特訓してもらう」
「ある技?」
「ファイアトルネードDD(ダブルドライブ)――ファイアトルネードを元に、より威力を高めた合体技だ」
「ファイアトルネード!? それって、豪炎寺さんの必殺技……!」
伝説のストライカー・豪炎寺修也の原点にして最強の技……何故それを剣城が持ちかけたのか、そしてそれを自分が習得することになったのか、天馬は驚かずにいられなかった。
☆コーチの 今日の格言☆
本気で打ち込めるモノが一緒でできた繋がり……それが同士であり仲間なんだよ
以上!!