新キャプテン! 松風天馬!!
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「作って来たから、一緒に食べよう」
「おっ!」
グウ~~……。
「「…………」」
「自覚したら腹減ってきた……」
「フフッ」
円堂が今まで作業していたのとは別の机でお弁当を広げ、二人は夕食を食べていく。
「やっぱり瑞貴の料理は最高だな!」
「それ、昨日も言ってたじゃない」
「俺は今思ったことを口に出しただけだぞ? それに調査に行っている間も、お前の料理もお前自身も恋しくてたまらなかったからな」
「っ、ちゃんと仕事に集中しなきゃダメでしょ!」
こういう風にストレートに言われると、さすがに瑞貴も恥ずかしくなって頬を少し朱に染める。相変わらず可愛らしい妻に円堂も顔が綻ぶと――。
♪ピリリリリ、ピリリリリ♪
「ん?」
携帯が鳴ったので円堂は着信を見ると、冬花の名前が表示されていた。一度瑞貴を見ると彼女も頷いたので電話に出る。
「もしもし」
〈マモルくん、ちょっといいかな?〉
「ああ」
電話の内容は病院から出る剣城を見かけたということ。兄が入院しているので見舞いの帰りだと思ったらおかしくないが、剣城はある人物に付いて行ったという。
「剣城が夕香ちゃんと?」
〈一応連絡しておいたほうがいいかと思って……〉
「ありがと、フユッペ」
冬花に礼を言って円堂は通話を切ると真剣な表情になった。急な表情の変化に瑞貴は首を傾げる。
「何があったの?」
「剣城が夕香ちゃんと一緒に病院を出た。たまたま居合わせたとか、そんな雰囲気じゃなく剣城自身が彼女に付いて行ったようだ」
「夕香ちゃんと……」
瑞貴は幻影学園のあとの出来事を思い出した。革命の動きが逆風になってしまったとき、天馬は豪炎寺夕香に呼び出されて聖帝・イシドシュウジと対面したのだ。
瑞貴はたまたま居合わせただけだが、あのときのおかげで彼のサッカーに対する気持ちをハッキリ知ることができた。
「剣城くんが心配?」
「いや、夕香ちゃんと一緒なら大丈夫だろう。俺は俺で、やれることをやらなくちゃいけない」
「…………」
眉間に深く皺を寄せる円堂。それを見た瑞貴は身を乗り出して手を伸ばし、円堂の口元についている米粒を取った。いきなりやられたので円堂はキョトンとすると、瑞貴は優しく微笑んで椅子に座り直す。
「『俺で』じゃなくて『俺たちで』でしょ? 私も有人も春奈ちゃんもレジスタンスも……そして雷門中サッカー部もいる。守は一人で戦っているんじゃないんだから」
「瑞貴……」
「『独り』になるのは簡単だけど、『仲間』ができるのは簡単じゃない。本気で打ち込めるモノが一緒でできた繋がり……それが同志であり仲間なんだよ」
そう言って笑った瑞貴は先ほど円堂から取った米粒を食べる。その温かい言葉に、円堂はさっきまでの表情とは打って変わってフッと微笑むのだった。
☆☆☆☆☆
翌日。今日も試合形式の練習のためファーストチームもセカンドチームもしっかりストレッチをする。
(もっと全体を見るんだ! 相手の動きに注意して……!)
「…………」
昨日の落ち込みがなくなったものの、天馬の様子を円堂が気にしていると春奈が声をかけてきた。
「円堂監督。剣城くんが来てないんですけど……」
「剣城が?」
言われてみればと周りを見渡すと、確かに剣城の姿がどこにもなかった。昨日の一件もあるので円堂は安心させるように笑う。
「心配ない。剣城のことは聞いている」
「えっ?」
「輝。剣城の代わりにFWに入れ」
「はい!」
円堂の指示で剣城のポジションに輝が入ることになった。その一連を見ていた鬼道は隣にいる瑞貴に小声で話しかける。
「……剣城はどうしたんだ?」
「ハッキリしたことはわからないけど……雷門にとってマイナスになることはないと思う」
鬼道は円堂が剣城の不在を聞いていたということが嘘だとわかっていた。なので瑞貴なら理由を知っていると思ったが、瑞貴自身も詳しいことは知らないため曖昧に返す他なかった。……剣城がイシドと共にある施設で練習していたことは誰も知らない。
「おっ!」
グウ~~……。
「「…………」」
「自覚したら腹減ってきた……」
「フフッ」
円堂が今まで作業していたのとは別の机でお弁当を広げ、二人は夕食を食べていく。
「やっぱり瑞貴の料理は最高だな!」
「それ、昨日も言ってたじゃない」
「俺は今思ったことを口に出しただけだぞ? それに調査に行っている間も、お前の料理もお前自身も恋しくてたまらなかったからな」
「っ、ちゃんと仕事に集中しなきゃダメでしょ!」
こういう風にストレートに言われると、さすがに瑞貴も恥ずかしくなって頬を少し朱に染める。相変わらず可愛らしい妻に円堂も顔が綻ぶと――。
♪ピリリリリ、ピリリリリ♪
「ん?」
携帯が鳴ったので円堂は着信を見ると、冬花の名前が表示されていた。一度瑞貴を見ると彼女も頷いたので電話に出る。
「もしもし」
〈マモルくん、ちょっといいかな?〉
「ああ」
電話の内容は病院から出る剣城を見かけたということ。兄が入院しているので見舞いの帰りだと思ったらおかしくないが、剣城はある人物に付いて行ったという。
「剣城が夕香ちゃんと?」
〈一応連絡しておいたほうがいいかと思って……〉
「ありがと、フユッペ」
冬花に礼を言って円堂は通話を切ると真剣な表情になった。急な表情の変化に瑞貴は首を傾げる。
「何があったの?」
「剣城が夕香ちゃんと一緒に病院を出た。たまたま居合わせたとか、そんな雰囲気じゃなく剣城自身が彼女に付いて行ったようだ」
「夕香ちゃんと……」
瑞貴は幻影学園のあとの出来事を思い出した。革命の動きが逆風になってしまったとき、天馬は豪炎寺夕香に呼び出されて聖帝・イシドシュウジと対面したのだ。
瑞貴はたまたま居合わせただけだが、あのときのおかげで彼のサッカーに対する気持ちをハッキリ知ることができた。
「剣城くんが心配?」
「いや、夕香ちゃんと一緒なら大丈夫だろう。俺は俺で、やれることをやらなくちゃいけない」
「…………」
眉間に深く皺を寄せる円堂。それを見た瑞貴は身を乗り出して手を伸ばし、円堂の口元についている米粒を取った。いきなりやられたので円堂はキョトンとすると、瑞貴は優しく微笑んで椅子に座り直す。
「『俺で』じゃなくて『俺たちで』でしょ? 私も有人も春奈ちゃんもレジスタンスも……そして雷門中サッカー部もいる。守は一人で戦っているんじゃないんだから」
「瑞貴……」
「『独り』になるのは簡単だけど、『仲間』ができるのは簡単じゃない。本気で打ち込めるモノが一緒でできた繋がり……それが同志であり仲間なんだよ」
そう言って笑った瑞貴は先ほど円堂から取った米粒を食べる。その温かい言葉に、円堂はさっきまでの表情とは打って変わってフッと微笑むのだった。
☆☆☆☆☆
翌日。今日も試合形式の練習のためファーストチームもセカンドチームもしっかりストレッチをする。
(もっと全体を見るんだ! 相手の動きに注意して……!)
「…………」
昨日の落ち込みがなくなったものの、天馬の様子を円堂が気にしていると春奈が声をかけてきた。
「円堂監督。剣城くんが来てないんですけど……」
「剣城が?」
言われてみればと周りを見渡すと、確かに剣城の姿がどこにもなかった。昨日の一件もあるので円堂は安心させるように笑う。
「心配ない。剣城のことは聞いている」
「えっ?」
「輝。剣城の代わりにFWに入れ」
「はい!」
円堂の指示で剣城のポジションに輝が入ることになった。その一連を見ていた鬼道は隣にいる瑞貴に小声で話しかける。
「……剣城はどうしたんだ?」
「ハッキリしたことはわからないけど……雷門にとってマイナスになることはないと思う」
鬼道は円堂が剣城の不在を聞いていたということが嘘だとわかっていた。なので瑞貴なら理由を知っていると思ったが、瑞貴自身も詳しいことは知らないため曖昧に返す他なかった。……剣城がイシドと共にある施設で練習していたことは誰も知らない。