新キャプテン! 松風天馬!!
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「石狩!」
「渡すか!」
茂日が前線に向かう石狩にボールを回そうとすると、前に出た狩屋が見事な動きでパスカットした。チャンスを見事モノにした狩屋に信助も嬉しそうに声を上げる。
「ナイス狩屋!」
「利巣野!」
「狩屋! 錦先輩にパスだ!」
一乃が利巣野に指示を出し、天馬も狩屋に指示を出した。利巣野をかわした狩屋がボールを上げると、錦に届く寸前に桃山我聞に取られてしまう。
「天馬、今のは左だ! 浜野がガラ空きだったぞ。もっと周りをよく見るんだ!」
「あっ……――はい!」
右にいる錦ではなく左にいた浜野に回すよう霧野がアドバイスをする。プレッシャーのあまり回りがよく見えず、天馬はショックを受けながらも返事をした。
それからもファーストチームの連携がうまく取れず、完全にセカンドチームのペースになっていた。その原因の大半が天馬の指示ミスであることを本人も自覚している。
(ダメだ……! 俺のせいで、チームの連携がおかしくなってる……)
「松風!」
「!」
顔をうつむけた天馬は剣城の声で我に返ると、いつの間にかドリブルで前に来ていた一乃に突破を許してしまった。
「石狩!」
「っ、ディフェンス!」
一乃からのパスで石狩は、天城と速水の間にうまくボレーシュートを撃ち込む。しかし正面だったので三国がガッチリとキャッチしてくれた。
止められてホッとしたものの、天馬はまた顔をうつむけてしまった。――その表情を、剣城はジッと見ていたと知らずに。
☆☆☆☆☆
結局ファーストチームの連携がうまくいかず、今日の練習は終わりとなってしまった。そのまま夕方になり、円堂と瑞貴と鬼道は監督部屋にいる。
「これと、これ……あとこれもね」
ドン…ドン……ドンッ!
「…………」
円堂は監督に再び就任するための引き継ぎ作業、これまでのサッカー部のデータ、今日の練習のまとめ、明日の練習に向けてのメニュー……作業が山積みだった。次々と書類を差し出してくる妻は容赦ない。
「私は一度家に帰るから、戻るまでには少しでも量を減らしてね」
「わかった……」
そう言い残して瑞貴は本当に部屋から出て行ってしまった。目の前の机の上には積み重なった書類がいくつもあり、改めて見た円堂は思わず机に突っ伏してしまった。
「ウ~……書類は苦手なんだけどな……」
「帰ってきた早々、あいつも容赦ないな」
「なあ鬼道、手伝ってくれよ~……」
「お前の引き継ぎに俺がやってどうする。それに俺や瑞貴が書くべき項目は全て終わってあるから、あとはお前が目を通したりサインなどが必要なものばかりだ」
円堂は体を起こして一枚の書類を手に取ると、確かにあとは自分がやる分だけになっていた。
「それに俺は神崎さんに呼ばれて、これからレジスタンス本部に行くんだ。まあ、あとはがんばれ」
「ハ~イ……」
ついに鬼道までも部屋からいなくなり、円堂はとりあえず書類を減らすためにペンを手に取った。
――それから夜になる頃は、今日の分の練習成果と明日のメニューの組み立てまで減らすことができた。
コンコン。
「はい」
ノックが聞こえたので円堂は返事をすると、開いた扉から現れたのは何故か両手をうしろに隠している瑞貴だった。
「おっ、だいぶ減ったね」
「ここまでやったのは調査報告以来だから、さすがに疲れたぞ……」
「そんな守にご褒美。ジャン!」
瑞貴はうしろに隠していた両手を出す。その手にはトートバッグがあった。
「渡すか!」
茂日が前線に向かう石狩にボールを回そうとすると、前に出た狩屋が見事な動きでパスカットした。チャンスを見事モノにした狩屋に信助も嬉しそうに声を上げる。
「ナイス狩屋!」
「利巣野!」
「狩屋! 錦先輩にパスだ!」
一乃が利巣野に指示を出し、天馬も狩屋に指示を出した。利巣野をかわした狩屋がボールを上げると、錦に届く寸前に桃山我聞に取られてしまう。
「天馬、今のは左だ! 浜野がガラ空きだったぞ。もっと周りをよく見るんだ!」
「あっ……――はい!」
右にいる錦ではなく左にいた浜野に回すよう霧野がアドバイスをする。プレッシャーのあまり回りがよく見えず、天馬はショックを受けながらも返事をした。
それからもファーストチームの連携がうまく取れず、完全にセカンドチームのペースになっていた。その原因の大半が天馬の指示ミスであることを本人も自覚している。
(ダメだ……! 俺のせいで、チームの連携がおかしくなってる……)
「松風!」
「!」
顔をうつむけた天馬は剣城の声で我に返ると、いつの間にかドリブルで前に来ていた一乃に突破を許してしまった。
「石狩!」
「っ、ディフェンス!」
一乃からのパスで石狩は、天城と速水の間にうまくボレーシュートを撃ち込む。しかし正面だったので三国がガッチリとキャッチしてくれた。
止められてホッとしたものの、天馬はまた顔をうつむけてしまった。――その表情を、剣城はジッと見ていたと知らずに。
☆☆☆☆☆
結局ファーストチームの連携がうまくいかず、今日の練習は終わりとなってしまった。そのまま夕方になり、円堂と瑞貴と鬼道は監督部屋にいる。
「これと、これ……あとこれもね」
ドン…ドン……ドンッ!
「…………」
円堂は監督に再び就任するための引き継ぎ作業、これまでのサッカー部のデータ、今日の練習のまとめ、明日の練習に向けてのメニュー……作業が山積みだった。次々と書類を差し出してくる妻は容赦ない。
「私は一度家に帰るから、戻るまでには少しでも量を減らしてね」
「わかった……」
そう言い残して瑞貴は本当に部屋から出て行ってしまった。目の前の机の上には積み重なった書類がいくつもあり、改めて見た円堂は思わず机に突っ伏してしまった。
「ウ~……書類は苦手なんだけどな……」
「帰ってきた早々、あいつも容赦ないな」
「なあ鬼道、手伝ってくれよ~……」
「お前の引き継ぎに俺がやってどうする。それに俺や瑞貴が書くべき項目は全て終わってあるから、あとはお前が目を通したりサインなどが必要なものばかりだ」
円堂は体を起こして一枚の書類を手に取ると、確かにあとは自分がやる分だけになっていた。
「それに俺は神崎さんに呼ばれて、これからレジスタンス本部に行くんだ。まあ、あとはがんばれ」
「ハ~イ……」
ついに鬼道までも部屋からいなくなり、円堂はとりあえず書類を減らすためにペンを手に取った。
――それから夜になる頃は、今日の分の練習成果と明日のメニューの組み立てまで減らすことができた。
コンコン。
「はい」
ノックが聞こえたので円堂は返事をすると、開いた扉から現れたのは何故か両手をうしろに隠している瑞貴だった。
「おっ、だいぶ減ったね」
「ここまでやったのは調査報告以来だから、さすがに疲れたぞ……」
「そんな守にご褒美。ジャン!」
瑞貴はうしろに隠していた両手を出す。その手にはトートバッグがあった。