新キャプテン! 松風天馬!!
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ホーリーロード全国大会準決勝・新雲学園との試合は雷門中が勝利した。しかし、キャプテンの神童拓人が試合後に倒れて病院に搬送される。
円堂瑞貴を含め雷門中サッカー部が待合室で緊張する中、治療などの詳しい話をしていた鬼道有人が帰ってきたことに気づく。そして彼の口から伝えられたのは――神童が緊急手術を行うことになったということだ。
それを知った雷門中サッカー部は手術室の前に移動し、神童家へ連絡していた音無春奈も戻って来て鬼道と瑞貴に声をかける。
「神童くんのご両親も、もうすぐ着くそうです」
「そうか……」
「ありがとう、春奈ちゃん」
「いえ……」
次いで三人は手術室の扉を見つめる部員たちに顔を向けると、速水鶴正が不安げに声を上げた。
「まだ終わらないんですかね……? いくらなんでも長過ぎますよ……」
「っ……」
それを聞いた松風天馬は顔をうつむけ、神童と出会ってから今までのことを思い返す。
『お前に何がわかるんだ! 俺たちがどんな気持ちでサッカーをやってるのか!』
『栄都戦のときのお前のパス、俺にこう言ってるようだった……「サッカーに向き合え」ってな』
『いけー!』
『俺はお前とサッカーをやりたい。革命とかそういうの関係ナシでただ一緒にボールを蹴りたいだけだ』
最初は考えの違いで反発していた。しかし『サッカーが好き』という根本的な部分が同じなためわかり合えることができ、神童は天馬にとってとても頼れるキャプテンで何度も背中を押してくれた。
「キャプテン……」
プツッ……。
「終わったぜよ!」
「!」
明かりを消す音と同時に錦龍馬が声を上げたため、天馬もハッと我に返った。そして扉から手術医の男性が出て来るも、その表情は硬く、鬼道が「先生」と声をかけると瑞貴と春奈を含め三人は一礼をした。
そして三年組と二年組も手術医の元へ駆け寄り、一年組はその場に残った。手術医は――首を横に振っている。
(まさか……!? そんな…キャプテンが……!)
天馬は最悪の事態を予想したが、次いで扉から現れたのは久遠冬花ともう一人の看護師によって運ばれた眠る神童の姿があった。
「キャプテン!」
「手術は成功よ。もう心配ないわ」
駆け寄ってきた天馬や三国太一や霧野蘭丸たちに冬花はそう告げ、神童を別室へと運んで行く。とりあえず神童の手術が成功したことにホッとする。
「よかったね、天馬」
「うん」
「一ヶ月は安静!?」
空野葵と共に安堵していると、手術医の話を聞いていた車田剛一の声に顔を向ける。
「しばらくは右足を、ギプスで固定することになるでしょう」
「「「「「!」」」」」
「決勝戦には出られない、ということですか!?」
「残念ですが……」
(キャプテンが…出られない……!?)
春奈や天馬を始め全員がショックを受けた。あれほど優勝と革命を目指していた神童が出場できないことに、天馬は信じられず手術医の元へ駆け寄る。
「先生! 何か方法はないんですか!? キャプテン、これまでずっとがんばってきたんです! ホーリーロードで優勝するために、ずっと! お願いします! キャプテンが決勝戦に出られるようにしてあげてください! お願いします! 先生!!」
深々と頭を下げる天馬の目には涙が浮かんでおり、必死の祈りと現実を受け止めきれないことが現れていた。しかし手術医が告げた言葉は――。
「できるものなら、私もなんとかしてあげたいが……」
手術医はそう言い残して去って行ったが、それは否定の言葉も同然だ。
「神童……」
「なんでだよ……。なんでこんなことになっちまうんだよ! 決勝戦に出られないなんて! ここまで来られたのも、神童がいたからこそじゃないか! なのになんでその神童が!」
霧野や三国の気持ちは、ここにいる全員が同じ気持ちだろう。普段ポーカーフェイスな剣城京介までもが顔をしかめて歯を食いしばっている。
「キャプテン……」
顔を上げた天馬の呟きは、夕暮れの空へと消えて行った……。
円堂瑞貴を含め雷門中サッカー部が待合室で緊張する中、治療などの詳しい話をしていた鬼道有人が帰ってきたことに気づく。そして彼の口から伝えられたのは――神童が緊急手術を行うことになったということだ。
それを知った雷門中サッカー部は手術室の前に移動し、神童家へ連絡していた音無春奈も戻って来て鬼道と瑞貴に声をかける。
「神童くんのご両親も、もうすぐ着くそうです」
「そうか……」
「ありがとう、春奈ちゃん」
「いえ……」
次いで三人は手術室の扉を見つめる部員たちに顔を向けると、速水鶴正が不安げに声を上げた。
「まだ終わらないんですかね……? いくらなんでも長過ぎますよ……」
「っ……」
それを聞いた松風天馬は顔をうつむけ、神童と出会ってから今までのことを思い返す。
『お前に何がわかるんだ! 俺たちがどんな気持ちでサッカーをやってるのか!』
『栄都戦のときのお前のパス、俺にこう言ってるようだった……「サッカーに向き合え」ってな』
『いけー!』
『俺はお前とサッカーをやりたい。革命とかそういうの関係ナシでただ一緒にボールを蹴りたいだけだ』
最初は考えの違いで反発していた。しかし『サッカーが好き』という根本的な部分が同じなためわかり合えることができ、神童は天馬にとってとても頼れるキャプテンで何度も背中を押してくれた。
「キャプテン……」
プツッ……。
「終わったぜよ!」
「!」
明かりを消す音と同時に錦龍馬が声を上げたため、天馬もハッと我に返った。そして扉から手術医の男性が出て来るも、その表情は硬く、鬼道が「先生」と声をかけると瑞貴と春奈を含め三人は一礼をした。
そして三年組と二年組も手術医の元へ駆け寄り、一年組はその場に残った。手術医は――首を横に振っている。
(まさか……!? そんな…キャプテンが……!)
天馬は最悪の事態を予想したが、次いで扉から現れたのは久遠冬花ともう一人の看護師によって運ばれた眠る神童の姿があった。
「キャプテン!」
「手術は成功よ。もう心配ないわ」
駆け寄ってきた天馬や三国太一や霧野蘭丸たちに冬花はそう告げ、神童を別室へと運んで行く。とりあえず神童の手術が成功したことにホッとする。
「よかったね、天馬」
「うん」
「一ヶ月は安静!?」
空野葵と共に安堵していると、手術医の話を聞いていた車田剛一の声に顔を向ける。
「しばらくは右足を、ギプスで固定することになるでしょう」
「「「「「!」」」」」
「決勝戦には出られない、ということですか!?」
「残念ですが……」
(キャプテンが…出られない……!?)
春奈や天馬を始め全員がショックを受けた。あれほど優勝と革命を目指していた神童が出場できないことに、天馬は信じられず手術医の元へ駆け寄る。
「先生! 何か方法はないんですか!? キャプテン、これまでずっとがんばってきたんです! ホーリーロードで優勝するために、ずっと! お願いします! キャプテンが決勝戦に出られるようにしてあげてください! お願いします! 先生!!」
深々と頭を下げる天馬の目には涙が浮かんでおり、必死の祈りと現実を受け止めきれないことが現れていた。しかし手術医が告げた言葉は――。
「できるものなら、私もなんとかしてあげたいが……」
手術医はそう言い残して去って行ったが、それは否定の言葉も同然だ。
「神童……」
「なんでだよ……。なんでこんなことになっちまうんだよ! 決勝戦に出られないなんて! ここまで来られたのも、神童がいたからこそじゃないか! なのになんでその神童が!」
霧野や三国の気持ちは、ここにいる全員が同じ気持ちだろう。普段ポーカーフェイスな剣城京介までもが顔をしかめて歯を食いしばっている。
「キャプテン……」
顔を上げた天馬の呟きは、夕暮れの空へと消えて行った……。