硝子細工の天才
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翌日、放課後に雷門中へ懐かしい訪問者がやってきた。
「篤志くん! 兵頭くん!」
「お久しぶりです、瑞貴さん」
「今日は突然の訪問を許してくれて、かたじけない」
なんと月山国光の南沢篤志と兵頭司がやってきたのだ。たまたま職員室へ寄っていた瑞貴は、許可をもらっている二人と再会し、一緒にサッカー棟へ向かうことになった。
「へぇ。太一くんの特訓に……」
「はい。残り二戦とはいえ、フィフスセクターは強力なストライカーを用意して来ます。そのためにゴールを守る三国を鍛えようと兵頭と話し合ったんです」
「我ら月山国光は、今まで以上に練習に取り組むことができました。これも雷門と試合して目を覚ましてくれたおかげです」
「フフッ。確かにあの試合、とてもスゴかったね。おかげで今後の参考にもなったよ」
今の南沢と兵頭は、ホーリーロードで出会ったときより表情が和らいでいた。監督の元でチームが一丸となってがんばっているのだろう。
――サッカー棟に着き、最初は監督部屋に向かった。職員室から話は通じていたらしく鬼道も春奈も二人を大歓迎してくれる。そして続いてロッカールームへ向かうと最初に瑞貴が中に入った。
「みんな。今日はお客さんが来たよ」
「お客さん?」
三国を始め中にいたみんなは不思議そうに注目する。ちなみに天馬と信助はGKの練習のために先にグラウンドへ自主練をしているそうだ。
瑞貴に促され、まずは南沢が挨拶に中へ入った。その姿に全員が驚きと嬉しさの表情を表す。
「久しぶりだな、三国」
「南沢じゃないか! どうした!? 雷門に戻る気になったのなら、いつでも歓迎するぞ!」
「フッ。その内、気が向いたらな。今日は、お前たちの力になりたくてな。これからどんどん強敵と当たる……三国、キーパーのお前ももっと強くならなくちゃいけない」
「南沢……!」
「そのために、この男に来てもらった。――兵頭司だ」
続いて南沢に促されて中に入って来た兵頭。彼の登場に再び全員が驚く。
「俺も、助太刀させてもらう」
「兵頭……! 南沢……! ありがとう!」
「じゃあ三国、今から特訓だ!」
「待ってくれ。鍛えてほしい奴が、別にいる」
さっそくと言う南沢に三国は止めて信助のことを紹介した。彼にはGKとしての才能があること、自分の後継者として育てたいことを。
兵頭と南沢も話を聞いて面白そうに思い、信助を鍛えることを了承した。
――さっそくユニフォームに着替えてグラウンドに移動すると、天馬と信助がゴール前で練習をしている。そこへ南沢があいさつ代わりにシュートを撃つと、信助はガッチリとキャッチした。
「「南沢先輩!」」
「やるようになったな、西園」
「だが、これからの試合……このままでは通用しない」
「あ、あなたは……!」
「どうして……!」
「――驚いたか?」
「「三国先輩!」」
信助も天馬も、南沢に続いて兵頭まで現れたので驚かずにはいられない。