硝子細工の天才
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今日も今日とて雷門中サッカー部がパス練習する中、ピッチの外で西園信助がボールを持ちながら浮かない顔をしていた。そんな彼に松風天馬が声をかける。
「信助」
「あっ、天馬……」
「葵から聞いたんだけど、もしかしてキーパーのこと?」
「僕にできるのかな? 雷門のGKが……」
「できるよ! 三国先輩だって言ってたじゃないか!」
「うん……」
現GK・三国太一からの推薦もあるから天馬は後押しするも、信助の顔色は変わらないままだ。
「キーパー、やりたくないの?」
「わかんない……。嫌ってわけじゃないんだ。なんていうか、僕がゴールを守ってるなんて不思議な感じ……」
「でも、試合のときの信助、スゴかったよ! 安心してゴールを任せられたもん!」
「……ホント言うと怖かったんだ。『ゴールを守り切れなかったらどうしよう』って。改めて三国先輩のスゴさがわかったよ」
信助はゴール前でストレッチしている三国を見る。ゴールを守る最後の砦でもあるからこそ、GKの責任や実力の重大さが実際に立ってよくわかった。
「あっ、円堂監督もGKだったんだよね!」
「うん! イナズマジャパンのときの監督、カッコよかったよね!」
「うん! じゃあ、『円堂監督を目指す』ってのはどう?」
「ええっ!?」
イナズマジャパンは天馬にとっても信助にとっても永遠の憧れだ。しかしその分、実力のスゴさがわかっているからこそ、簡単になれるものではないともわかっている。
「遠いよ。円堂監督なんて……」
「っ、そうだね……」
「遠過ぎるよ……」
落ち込む信助を、土手の上から見守っていた音無春奈は携帯を取り出し、ある人物に連絡を入れた。そしてそのあとグラウンドに降り、記録している円堂瑞貴に声をかける。
「瑞貴先輩」
「ん? 何?」
「ちょっと頼みたいことがあるんですけど……」
「?」
珍しく春奈からの頼みごとなので、瑞貴は思わず目をパチクリさせた。
☆☆☆☆☆
夕方になると鬼道有人から招集をかけられた。試合が近いので練習も早めに終わるようだ。
「今日の練習はここまでとする。充分に休養を取って、新雲学園戦に備えるように」
「「「「「はい!」」」」」
「お疲れっしたー!」
「腹減ったド~」
「ラーメン、食べて行きませんか?」
「おおっ! いいな!」
浜野海士や天城大地や影山輝や車田剛一を始め、選手たちが着替えるために階段を上がって行く。天馬もその一人だが、途中でまだグラウンドにいる信助に気づいて声をかける。
「信助ー! 一緒に帰ろー!」
「ごめん、先に帰ってて!」
「信助……」
「――ほっといてやれ」
「キャプテン……」
そんな天馬に声をかけたのは、キャプテン・神童拓人だった。
「一人で向き合わせてやるんだ」
「はい」
どうするべきか迷っているからこそ、自身の決断が一番必要なのだ。天馬も神童に言われた通りそっとしておくことにした。
「信助くん」
「!」
「ちょっといいかな?」
「はい……」
信助に声をかけたのは春奈だった。
「信助」
「あっ、天馬……」
「葵から聞いたんだけど、もしかしてキーパーのこと?」
「僕にできるのかな? 雷門のGKが……」
「できるよ! 三国先輩だって言ってたじゃないか!」
「うん……」
現GK・三国太一からの推薦もあるから天馬は後押しするも、信助の顔色は変わらないままだ。
「キーパー、やりたくないの?」
「わかんない……。嫌ってわけじゃないんだ。なんていうか、僕がゴールを守ってるなんて不思議な感じ……」
「でも、試合のときの信助、スゴかったよ! 安心してゴールを任せられたもん!」
「……ホント言うと怖かったんだ。『ゴールを守り切れなかったらどうしよう』って。改めて三国先輩のスゴさがわかったよ」
信助はゴール前でストレッチしている三国を見る。ゴールを守る最後の砦でもあるからこそ、GKの責任や実力の重大さが実際に立ってよくわかった。
「あっ、円堂監督もGKだったんだよね!」
「うん! イナズマジャパンのときの監督、カッコよかったよね!」
「うん! じゃあ、『円堂監督を目指す』ってのはどう?」
「ええっ!?」
イナズマジャパンは天馬にとっても信助にとっても永遠の憧れだ。しかしその分、実力のスゴさがわかっているからこそ、簡単になれるものではないともわかっている。
「遠いよ。円堂監督なんて……」
「っ、そうだね……」
「遠過ぎるよ……」
落ち込む信助を、土手の上から見守っていた音無春奈は携帯を取り出し、ある人物に連絡を入れた。そしてそのあとグラウンドに降り、記録している円堂瑞貴に声をかける。
「瑞貴先輩」
「ん? 何?」
「ちょっと頼みたいことがあるんですけど……」
「?」
珍しく春奈からの頼みごとなので、瑞貴は思わず目をパチクリさせた。
☆☆☆☆☆
夕方になると鬼道有人から招集をかけられた。試合が近いので練習も早めに終わるようだ。
「今日の練習はここまでとする。充分に休養を取って、新雲学園戦に備えるように」
「「「「「はい!」」」」」
「お疲れっしたー!」
「腹減ったド~」
「ラーメン、食べて行きませんか?」
「おおっ! いいな!」
浜野海士や天城大地や影山輝や車田剛一を始め、選手たちが着替えるために階段を上がって行く。天馬もその一人だが、途中でまだグラウンドにいる信助に気づいて声をかける。
「信助ー! 一緒に帰ろー!」
「ごめん、先に帰ってて!」
「信助……」
「――ほっといてやれ」
「キャプテン……」
そんな天馬に声をかけたのは、キャプテン・神童拓人だった。
「一人で向き合わせてやるんだ」
「はい」
どうするべきか迷っているからこそ、自身の決断が一番必要なのだ。天馬も神童に言われた通りそっとしておくことにした。
「信助くん」
「!」
「ちょっといいかな?」
「はい……」
信助に声をかけたのは春奈だった。