運命の再会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そういえば、三国が西園を後継者として本格的に考えたようだぞ」
「幻影学園戦の信助は確かに見込みがあったもんね。でも、戸惑っていると思う」
「まあ、フィールドプレーヤーからいきなりGKになれと言われたら誰でもそうだろう。逆とはいえ、円堂もかなり戸惑っていたからな」
「ああ、リベロ時代のことね。だけど進化するためには何かが変化する必要もある。それを受け入れ、自分から変わることも強さの一つ。だから守は自分から変わる道を選んだんだよね」
「そうだ。そしてそれが俺たちにも新たな力を得ることになった。西園のこともフィールドプレーヤーとして使うことができないのは惜しい気もするが、今の雷門の進化となるなら俺たちも受け入れないといけない」
「フフッ。そうなったための練習メニューも考えなきゃ」
☆☆☆☆☆
木枯し荘に帰ってきた天馬は、自分を心配して木野秋を尋ねた神童と鉢合わせたので部屋に招き入れた。そして宝物のボールがイシドのモノだと教え、カーペットの上に座って秋からもらったお菓子と紅茶をつまみながら河川敷のことを話した。
「そうか。大変な一日だったな」
「はい……」
「聖帝・イシドシュウジは命の恩人であり、サッカーのキッカケ……つまりそれは、今ホーリーロードに吹いている風の始まりでもあったわけだ。だってそうだろ? イシドシュウジがお前を助けなかったら、今のお前はなかった」
「…………」
確かにそうだ。あのときイシドがいなかったら今の自分はこうしてサッカーを始めなかったし、ここまで真剣にはなれなかっただろう。そう考えると複雑でもあり、だからこそ悩んでしまう。
「あのときと逆だな」
「えっ?」
「お前が俺の部屋に押し掛けて来たときだよ」
「そうですね……」
円堂と瑞貴が雷門にやってきた頃、退部を考えていた神童を直接説得しようと天馬は部屋までやってきた。今回は押し掛けたとは言いにくいが、確かに立場が変わっていた。
「だけど、なんで聖帝は天馬の前に現れたんだろう?」
「それは……わかりませんけど……」
「『答えを知りたければホーリーロードを勝ち抜け』――その言葉も、なんだかエールを送っているようにも聞こえるんだよな」
「そうでしょうか? 『廃校は俺のせいだ』って……」
「それも、お前を駆り立てているようにも感じる。――謎だな、聖帝は」
「……瑞貴さんも、キャプテンと同じ見解をしていたのかもしれません」
そう考えれば最後に微笑んでいたのも辻褄が合っていた。当事者ではない第三者だからこそ、瑞貴も神童もそういう考えができたのだろうと天馬は思った。だけど、イシドの考えが理解できないのも真実だ。
「天馬。お前が入部した頃の雷門と、今の雷門は違うぞ? みんな今は優勝を目指してやる気に満ち溢れている。今日だって対新雲学園のために、特訓に全力で臨んでいた。お前が吹かせた風は俺たちを動かし……そして今、全国に広がっている。それはわかってるよな?」
「はい……」
「俺はお前に教えられたよ。一番大事なのは『サッカーが好きだ』という気持ちだって」
立ち上がった神童はスリッパを履くと、床に転がっている天馬のボールを拾い上げる。
「幻影学園戦の信助は確かに見込みがあったもんね。でも、戸惑っていると思う」
「まあ、フィールドプレーヤーからいきなりGKになれと言われたら誰でもそうだろう。逆とはいえ、円堂もかなり戸惑っていたからな」
「ああ、リベロ時代のことね。だけど進化するためには何かが変化する必要もある。それを受け入れ、自分から変わることも強さの一つ。だから守は自分から変わる道を選んだんだよね」
「そうだ。そしてそれが俺たちにも新たな力を得ることになった。西園のこともフィールドプレーヤーとして使うことができないのは惜しい気もするが、今の雷門の進化となるなら俺たちも受け入れないといけない」
「フフッ。そうなったための練習メニューも考えなきゃ」
☆☆☆☆☆
木枯し荘に帰ってきた天馬は、自分を心配して木野秋を尋ねた神童と鉢合わせたので部屋に招き入れた。そして宝物のボールがイシドのモノだと教え、カーペットの上に座って秋からもらったお菓子と紅茶をつまみながら河川敷のことを話した。
「そうか。大変な一日だったな」
「はい……」
「聖帝・イシドシュウジは命の恩人であり、サッカーのキッカケ……つまりそれは、今ホーリーロードに吹いている風の始まりでもあったわけだ。だってそうだろ? イシドシュウジがお前を助けなかったら、今のお前はなかった」
「…………」
確かにそうだ。あのときイシドがいなかったら今の自分はこうしてサッカーを始めなかったし、ここまで真剣にはなれなかっただろう。そう考えると複雑でもあり、だからこそ悩んでしまう。
「あのときと逆だな」
「えっ?」
「お前が俺の部屋に押し掛けて来たときだよ」
「そうですね……」
円堂と瑞貴が雷門にやってきた頃、退部を考えていた神童を直接説得しようと天馬は部屋までやってきた。今回は押し掛けたとは言いにくいが、確かに立場が変わっていた。
「だけど、なんで聖帝は天馬の前に現れたんだろう?」
「それは……わかりませんけど……」
「『答えを知りたければホーリーロードを勝ち抜け』――その言葉も、なんだかエールを送っているようにも聞こえるんだよな」
「そうでしょうか? 『廃校は俺のせいだ』って……」
「それも、お前を駆り立てているようにも感じる。――謎だな、聖帝は」
「……瑞貴さんも、キャプテンと同じ見解をしていたのかもしれません」
そう考えれば最後に微笑んでいたのも辻褄が合っていた。当事者ではない第三者だからこそ、瑞貴も神童もそういう考えができたのだろうと天馬は思った。だけど、イシドの考えが理解できないのも真実だ。
「天馬。お前が入部した頃の雷門と、今の雷門は違うぞ? みんな今は優勝を目指してやる気に満ち溢れている。今日だって対新雲学園のために、特訓に全力で臨んでいた。お前が吹かせた風は俺たちを動かし……そして今、全国に広がっている。それはわかってるよな?」
「はい……」
「俺はお前に教えられたよ。一番大事なのは『サッカーが好きだ』という気持ちだって」
立ち上がった神童はスリッパを履くと、床に転がっている天馬のボールを拾い上げる。