運命の再会
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(よかった、本当に……!)
瑞貴はそのうしろ姿を見て安心した表情を浮かべていた。天馬と同様に瑞貴もさっきのシュートで確信している。イシドは――豪炎寺は昔から何も変わっていない。
そして真実を知りたければ『ホーリーロードに負ける』ではなく『ホーリーロードを勝ち進むこと』と言ったことで、彼の意図がなんとなくわかったのだ。
「ねえ、天馬」
「はい……?」
「君を助けてくれたボールって、青い線で稲妻模様が描いてなかった?」
「えっ! どうして瑞貴さんが知ってるんですか!?」
驚く天馬の頭を瑞貴は何も答えずにポンッと手を置いた。その行動に天馬は不思議に思うが、瑞貴は優しい瞳を向けている。
(あのボールを使って助けた子って、天馬だったんだね)
エイリア学園の事件で別れた際に渡したボール――勘とはいえ『あの子供は将来有望なサッカープレーヤーになる』と豪炎寺が評していた子供が天馬だということに瑞貴は嬉しかった。
――イシドが駐車場に到着すると、天馬を呼び出した張本人である『夕香』が赤いスポーツカーにもたれかかって迎えた。
「ごめんね、お兄ちゃん。まさかお兄ちゃんを迎えに行くまでに瑞貴お姉ちゃんが来るとは思わなかった」
「構わない。立場が違うとはいえ、直接会えたんだからな。それに――」
『助けてくれて、ありがとう』
「今の私にも、あんな言葉をかけてくれた」
現状では敵同士なのに昔と変わらない声色がとても嬉しかった。ホーリーロード地区予選でも全国大会でも、開会式で瑞貴は自分を見ていたが、『不安』、『戸惑い』、『警戒』などが入り交じっている瞳だったので、少し寂しかったのを今でも覚えている。
今回も好きな女性から何か言われるのが怖くて、天馬との会話に口を挟まないよう言ったが、久々に送ってもらった言葉が『お礼』とは予想外だった。フッと微笑んだイシドに夕香もつられて微笑む。
「それにしても、お兄ちゃんと天馬くんに接点があったなんて。憧れの人が敵……彼、これから戦っていけるのかな?」
「戦っていけるよ、夕香。彼は――いや、彼だからこそ」
「ずいぶん高く買ってるのね」
「松風天馬のサッカーへの思いを信じてるだけだ」
「変わんないね。そういうとこ」
夕香は大人になっても兄のサッカーに対する思いが変わらないが嬉しく感じる。だからこそ、自分もできる限り協力しようと天馬と話し合いの場を設けた。
「でも、そっちは大丈夫? 革命派に回った学校を潰したのは、お兄ちゃんの指示じゃないでしょ? 『あの人』なんでしょ?」
「誰がやったとしても関係ない。今のサッカーは多くの人を飲み込んで膨れ上がり過ぎている」
ザッ――。
「「!」」
靴音が聞こえて二人が顔を向けると、別の車の陰から剣城京介が現れた。彼は先ほどまでと奥から河川敷の様子を見ており、当然イシドが天馬と瑞貴と接触して会話したことも発見している。
瑞貴はそのうしろ姿を見て安心した表情を浮かべていた。天馬と同様に瑞貴もさっきのシュートで確信している。イシドは――豪炎寺は昔から何も変わっていない。
そして真実を知りたければ『ホーリーロードに負ける』ではなく『ホーリーロードを勝ち進むこと』と言ったことで、彼の意図がなんとなくわかったのだ。
「ねえ、天馬」
「はい……?」
「君を助けてくれたボールって、青い線で稲妻模様が描いてなかった?」
「えっ! どうして瑞貴さんが知ってるんですか!?」
驚く天馬の頭を瑞貴は何も答えずにポンッと手を置いた。その行動に天馬は不思議に思うが、瑞貴は優しい瞳を向けている。
(あのボールを使って助けた子って、天馬だったんだね)
エイリア学園の事件で別れた際に渡したボール――勘とはいえ『あの子供は将来有望なサッカープレーヤーになる』と豪炎寺が評していた子供が天馬だということに瑞貴は嬉しかった。
――イシドが駐車場に到着すると、天馬を呼び出した張本人である『夕香』が赤いスポーツカーにもたれかかって迎えた。
「ごめんね、お兄ちゃん。まさかお兄ちゃんを迎えに行くまでに瑞貴お姉ちゃんが来るとは思わなかった」
「構わない。立場が違うとはいえ、直接会えたんだからな。それに――」
『助けてくれて、ありがとう』
「今の私にも、あんな言葉をかけてくれた」
現状では敵同士なのに昔と変わらない声色がとても嬉しかった。ホーリーロード地区予選でも全国大会でも、開会式で瑞貴は自分を見ていたが、『不安』、『戸惑い』、『警戒』などが入り交じっている瞳だったので、少し寂しかったのを今でも覚えている。
今回も好きな女性から何か言われるのが怖くて、天馬との会話に口を挟まないよう言ったが、久々に送ってもらった言葉が『お礼』とは予想外だった。フッと微笑んだイシドに夕香もつられて微笑む。
「それにしても、お兄ちゃんと天馬くんに接点があったなんて。憧れの人が敵……彼、これから戦っていけるのかな?」
「戦っていけるよ、夕香。彼は――いや、彼だからこそ」
「ずいぶん高く買ってるのね」
「松風天馬のサッカーへの思いを信じてるだけだ」
「変わんないね。そういうとこ」
夕香は大人になっても兄のサッカーに対する思いが変わらないが嬉しく感じる。だからこそ、自分もできる限り協力しようと天馬と話し合いの場を設けた。
「でも、そっちは大丈夫? 革命派に回った学校を潰したのは、お兄ちゃんの指示じゃないでしょ? 『あの人』なんでしょ?」
「誰がやったとしても関係ない。今のサッカーは多くの人を飲み込んで膨れ上がり過ぎている」
ザッ――。
「「!」」
靴音が聞こえて二人が顔を向けると、別の車の陰から剣城京介が現れた。彼は先ほどまでと奥から河川敷の様子を見ており、当然イシドが天馬と瑞貴と接触して会話したことも発見している。