防御不可能! マボロシショット!!
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摩訶不思議なイリュージョンを見せられた浜野が怯んだその隙に、幻一は横を走る影二にボールを回した。
「真帆路!」
「オウッ」
影二からのパスを今度はちゃんと取った真帆路。ドリブルする前方には天城がいた。
(フィフスのサッカーは正しい! それを思い知らせてやるぞ!)
「今度は止めるド!」
「言ったはずだ。絶対不可能だと」
「サッカーには『不可能』なんてないド!」
「それなら確かめてみろ! マボロシショット!」
「ビバ! 万里の長城!」
真帆路がマボロシショットを繰り出すと、天城は再び必殺技を放った。しかしそれもすり抜けられ、三国も今度は必殺技を出す暇もなくゴールに入れられてしまった。
《決まった――っ!! またもマボロシショットが雷門のゴールに突き刺さった――っ!!》
「わかっただろ。このシュートはお前なんかには止められない……お前には革命なんてムリなんだよ」
「グッ……!」
ここで前半終了のホイッスルが鳴り、2対0で幻影学園がリードしていた。
「はい、天馬」
「ん? あっ、ありがとう」
「難しそうだね、今日のフィールド……」
「うん。でも、なんとか攻略しないと」
葵からドリンクを受け取った天馬はピッチを見ながらそう言った。まずはこのフィールドを攻略しなければ、得点のチャンスにも繋がらないし、相手の攻撃も読めない。
その横では、茜にとってもらった映像を鬼道がパソコンの画面に表示し、瑞貴も見て一緒に分析をしていた。
「どうです? 何かつかめますか?」
「やってみるよ。――相手にできて自分にできないのは、向き不向きがあっても自分で無意識に壁を作ってしまうことだからね」
スローモーションにしたり、早送りにしたり、画像を鬼道がいじる中でも瑞貴は自分なりに分析を進める。
(気になっているのは、フィールドだけじゃないけどね……)
瑞貴はチラッと幻影学園のベンチにいる真帆路と、水鳥からドリンクを受け取る天城を見る。事情は知らなくても、様子からして二人が初対面じゃないことはわかっていた。
ベンチに座った天城は、ドリンクを両手で持ちながら先ほどの真帆路との会話を思い出していた。
「真帆路……」
『このシュートはお前なんかには止められない……お前には革命なんてムリなんだよ』
「ムリじゃないド……絶対に!」
たとえ否定されても天城は自分の信じる道を突き進み、今のサッカーが間違っていると真帆路にわかってもらうだけだ。
その揺るがない意志を感じた輝もまた決意すると、ベンチからそっと去って行った。
「香坂さーん!」
「!」
幸恵はパスケースに入れている、小学六年生の頃に真帆路と天城と三人で撮った写真を見ていた。すると輝に呼ばれ、席から駆け出して手摺り側まで行ってフィールドにいる輝を上から覗き込む。
「あの、試合前に聞いていた話ですけど……。僕…言えなかったんです……天城先輩に……」
「っ! そうですか……」
「やっぱり、あなたから伝えたほうがいいと思います!」
「えっ……?」
「あのときはそのつもりで、天城先輩に会いに来たんでしょう?」
「…………」
輝の言葉に幸恵は頷いた。天城に直接会いに行く勇気がなかったから、偶然出会った輝にお願いしたのだ。
「ちゃんと話せば、誤解は解けるはずです!」
「!」
それは輝が天城にも言った言葉だ。まずは話してみないと何も変わらない、ましてや真帆路も幸恵も幻影学園で、天城は雷門中という別々の学校にいるのだ。今日という機会を逃すわけにはいかない。
「真帆路!」
「オウッ」
影二からのパスを今度はちゃんと取った真帆路。ドリブルする前方には天城がいた。
(フィフスのサッカーは正しい! それを思い知らせてやるぞ!)
「今度は止めるド!」
「言ったはずだ。絶対不可能だと」
「サッカーには『不可能』なんてないド!」
「それなら確かめてみろ! マボロシショット!」
「ビバ! 万里の長城!」
真帆路がマボロシショットを繰り出すと、天城は再び必殺技を放った。しかしそれもすり抜けられ、三国も今度は必殺技を出す暇もなくゴールに入れられてしまった。
《決まった――っ!! またもマボロシショットが雷門のゴールに突き刺さった――っ!!》
「わかっただろ。このシュートはお前なんかには止められない……お前には革命なんてムリなんだよ」
「グッ……!」
ここで前半終了のホイッスルが鳴り、2対0で幻影学園がリードしていた。
「はい、天馬」
「ん? あっ、ありがとう」
「難しそうだね、今日のフィールド……」
「うん。でも、なんとか攻略しないと」
葵からドリンクを受け取った天馬はピッチを見ながらそう言った。まずはこのフィールドを攻略しなければ、得点のチャンスにも繋がらないし、相手の攻撃も読めない。
その横では、茜にとってもらった映像を鬼道がパソコンの画面に表示し、瑞貴も見て一緒に分析をしていた。
「どうです? 何かつかめますか?」
「やってみるよ。――相手にできて自分にできないのは、向き不向きがあっても自分で無意識に壁を作ってしまうことだからね」
スローモーションにしたり、早送りにしたり、画像を鬼道がいじる中でも瑞貴は自分なりに分析を進める。
(気になっているのは、フィールドだけじゃないけどね……)
瑞貴はチラッと幻影学園のベンチにいる真帆路と、水鳥からドリンクを受け取る天城を見る。事情は知らなくても、様子からして二人が初対面じゃないことはわかっていた。
ベンチに座った天城は、ドリンクを両手で持ちながら先ほどの真帆路との会話を思い出していた。
「真帆路……」
『このシュートはお前なんかには止められない……お前には革命なんてムリなんだよ』
「ムリじゃないド……絶対に!」
たとえ否定されても天城は自分の信じる道を突き進み、今のサッカーが間違っていると真帆路にわかってもらうだけだ。
その揺るがない意志を感じた輝もまた決意すると、ベンチからそっと去って行った。
「香坂さーん!」
「!」
幸恵はパスケースに入れている、小学六年生の頃に真帆路と天城と三人で撮った写真を見ていた。すると輝に呼ばれ、席から駆け出して手摺り側まで行ってフィールドにいる輝を上から覗き込む。
「あの、試合前に聞いていた話ですけど……。僕…言えなかったんです……天城先輩に……」
「っ! そうですか……」
「やっぱり、あなたから伝えたほうがいいと思います!」
「えっ……?」
「あのときはそのつもりで、天城先輩に会いに来たんでしょう?」
「…………」
輝の言葉に幸恵は頷いた。天城に直接会いに行く勇気がなかったから、偶然出会った輝にお願いしたのだ。
「ちゃんと話せば、誤解は解けるはずです!」
「!」
それは輝が天城にも言った言葉だ。まずは話してみないと何も変わらない、ましてや真帆路も幸恵も幻影学園で、天城は雷門中という別々の学校にいるのだ。今日という機会を逃すわけにはいかない。