防御不可能! マボロシショット!!
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「ボールがすり抜けた……。いったいどういうシュートだド……?」
「見たか、天城」
「!」
「これが絶対防御不可能――マボロシショットだ」
「防御……不可能!?」
確かに自分たちの防御が効かなかったのは事実だ。しかしそれであきらめることはできない。
「そんなシュートがあるはずないド! 必ず止めてみせるド!」
「口だけは達者だな。臆病者のくせに」
「臆病…者……」
「お前にわからせてやる。『敵わない相手には従うしかない』ってことを」
「グッ……!」
あのとき公園で再会したのと同じ言葉を向ける真帆路に、天城は歯を食いしばった。
☆☆☆☆
稲妻総合病院にある、雨宮太陽の病室に担当看護師である久遠冬花が訪れた。
「太陽くん。検温の時間よ」
「は~い」
今回はちゃんとベッドにいる雨宮は、めんどくさそうに返事をしながら冬花から体温計を受け取る。
「検査ってめんどくさいよな。何度も体温を計ったりで」
「必要なことなのよ。我慢してね」
「我慢してるよ。だから見てないでしょ」
「えっ?」
雨宮が示した方向を冬花が見ると、そこには何も映っていないテレビがあった。今日は雷門中の準々決勝なのでてっきり見ていると思っていたからだ。
「雷門中の試合見てると、サッカーやりたくなっちゃうからね」
「そう……」
検査入院のため雨宮はサッカーを禁止されている。大好きなサッカーをやれない辛さは、過去にサッカー部のマネージャーをやっていたこともある冬花もよくわかっているつもりだ。
「それに」
「えっ?」
「天馬や瑞貴さんは必ず勝つよ。だから見なくてもいいんだ」
体温計を回しながらそう言う雨宮は自信があった。それを見た冬花は、先日病院で出会った雨宮と天馬の姿を思い出す。
「なんだか似てる……」
「ん? 何?」
「ううん。なんでもない」
天馬と雨宮が似ているのか、それとも――今でも互いを支え合う大好きなキャプテンと副キャプテンを思い出したのか、冬花は雨宮に誤魔化すように首を振った。
☆☆☆☆☆
前半も残り時間が少なくなってきた。ドリブルして切り込む暮内に再び倉間が立ち塞がると、またしてもバンパーのある方向へボールを蹴った。
そしてまたもボールが弾かれて札野の元へ行こうとするが、神童がそれを読んでいたようでボールを奪った。
(短いパスしてバンパーをよければ――)
「キャプテン!」
「お前も気がついたか!」
「はい!」
隣を走る天馬が自分と同じ考えだと気づくと、神童は天馬にボールを渡した。そのままドリブルする天馬に暮内が来る。
「そよかぜステップ!」
必殺技で暮内をかわしたものの、今度は銅原が横から寄って来たことに気づいて目線で確認する。
「天馬!」
「倉間先輩!」
「サイドワインダー!」
「かげつかみ!」
天馬からパスを受け取った倉間がシュートを撃つと、虚木実美が陰から不気味な闇の腕を出現させ、見事ボールをつかんだ。
「見たか、天城」
「!」
「これが絶対防御不可能――マボロシショットだ」
「防御……不可能!?」
確かに自分たちの防御が効かなかったのは事実だ。しかしそれであきらめることはできない。
「そんなシュートがあるはずないド! 必ず止めてみせるド!」
「口だけは達者だな。臆病者のくせに」
「臆病…者……」
「お前にわからせてやる。『敵わない相手には従うしかない』ってことを」
「グッ……!」
あのとき公園で再会したのと同じ言葉を向ける真帆路に、天城は歯を食いしばった。
☆☆☆☆
稲妻総合病院にある、雨宮太陽の病室に担当看護師である久遠冬花が訪れた。
「太陽くん。検温の時間よ」
「は~い」
今回はちゃんとベッドにいる雨宮は、めんどくさそうに返事をしながら冬花から体温計を受け取る。
「検査ってめんどくさいよな。何度も体温を計ったりで」
「必要なことなのよ。我慢してね」
「我慢してるよ。だから見てないでしょ」
「えっ?」
雨宮が示した方向を冬花が見ると、そこには何も映っていないテレビがあった。今日は雷門中の準々決勝なのでてっきり見ていると思っていたからだ。
「雷門中の試合見てると、サッカーやりたくなっちゃうからね」
「そう……」
検査入院のため雨宮はサッカーを禁止されている。大好きなサッカーをやれない辛さは、過去にサッカー部のマネージャーをやっていたこともある冬花もよくわかっているつもりだ。
「それに」
「えっ?」
「天馬や瑞貴さんは必ず勝つよ。だから見なくてもいいんだ」
体温計を回しながらそう言う雨宮は自信があった。それを見た冬花は、先日病院で出会った雨宮と天馬の姿を思い出す。
「なんだか似てる……」
「ん? 何?」
「ううん。なんでもない」
天馬と雨宮が似ているのか、それとも――今でも互いを支え合う大好きなキャプテンと副キャプテンを思い出したのか、冬花は雨宮に誤魔化すように首を振った。
☆☆☆☆☆
前半も残り時間が少なくなってきた。ドリブルして切り込む暮内に再び倉間が立ち塞がると、またしてもバンパーのある方向へボールを蹴った。
そしてまたもボールが弾かれて札野の元へ行こうとするが、神童がそれを読んでいたようでボールを奪った。
(短いパスしてバンパーをよければ――)
「キャプテン!」
「お前も気がついたか!」
「はい!」
隣を走る天馬が自分と同じ考えだと気づくと、神童は天馬にボールを渡した。そのままドリブルする天馬に暮内が来る。
「そよかぜステップ!」
必殺技で暮内をかわしたものの、今度は銅原が横から寄って来たことに気づいて目線で確認する。
「天馬!」
「倉間先輩!」
「サイドワインダー!」
「かげつかみ!」
天馬からパスを受け取った倉間がシュートを撃つと、虚木実美が陰から不気味な闇の腕を出現させ、見事ボールをつかんだ。