謎の敵! 幻影学園!!
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同じ頃、剣城京介の兄・剣城優一と一人の少年のお見舞いのために病院にやってきた瑞貴。だが優一はリハビリ中で、もう一人の少年は病室にはいなかった。また改めて出直そうと病院を出ると――。
ドンッ!
「みぎゃ!」
「わっ!」
突如木の陰から現れた少年とぶつかってしまう。いきなりで驚いたものの、瑞貴はしっかりと足を踏ん張って少年を受け止めたので倒れることはなかった。
「またやっちゃった……ごめんなさい!」
「いいよいいよ。気をつけて――……あれ? 太陽くん?」
「あっ! 瑞貴さん!」
少年の名前は雨宮太陽。優一と久しぶりに再会した日、久遠冬花の頼みで一度会ったことがあるのだ。彼もサッカーが大好きなので瑞貴のことも知っており、あまりの興奮に冬花に叱られてしまったほどである。
瑞貴から離れた雨宮は、キラキラした目で瑞貴を見上げた。
「今日はどうしたの!? もしかして、僕に会いに来てくれたとか!?」
「まあね。これから準々決勝に向けて忙しくなるし、時間のある今の内に会おうと思ったんだ」
「そうなの? だったら大人しく病室にいればよかったかな。でも、抜け出したおかげで天馬と会えたんだし……」
「天馬? 松風天馬のこと?」
「うん! さっき一緒にサッカーやったんだ!」
嬉しそうに頷いた雨宮。二人は病院の庭にあるベンチに移動し、雨宮が天馬とサッカーをしたことを楽しそうに話して、それを瑞貴は相槌を打ちながら聞いていた。
「僕、あんな風に楽しくサッカーできたのは久しぶりだよ!」
「それはよかったね。もしかしたら……ううん、天馬と太陽くんはいい友達になれたんだね」
「うん! ハァ~……僕も早く思いっきりサッカーやりたいなぁ……」
「今は検査入院だっけ?」
「そうそう。何事もなかったら退院できるんだけど、どうせまた病院(ココ)に戻ることになるよ……」
「太陽くん……」
雨宮が寂しそうに笑う理由を瑞貴は知っている。大好きなサッカーが自由にできないのも辛いし、かと言って病気の進行を早めるわけにはいかない。そのためには――。
「まずは病室を抜け出すことをやめたら?」
「で、でもほら! 適度な運動って必要でしょ!?」
「君の場合、適度の度を超えているんだよ」
「――太陽くん! こんな所にいたのね!」
「ゲッ!」
明るい顔から一変して口の端を引きつらせた雨宮。声がした方向を瑞貴も見ると少し離れた場所に冬花がいた。
「じ、じゃあ瑞貴さん! 僕はこれで――」
「瑞貴ちゃん! 太陽くんを捕まえて!」
「オッケー!」
ガシッ!
「瑞貴さんヒドい! 裏切り者!」
「コラッ、人聞きが悪いよ」
逃げようとする雨宮を瑞貴は羽交い絞めにすることで阻止して、その間に冬花も二人の元へ到着する。