ついに開幕! ホーリーロード!!
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フィフスセクターが勝敗指示を管理して自由にサッカーができないこと、逆らえば学校に迷惑がかかると苦しむ末に、ついに神童拓人が本当のサッカーをやることに気づいた。
その翌日、円堂瑞貴は昔と変わらず日課のランニングを終えたあとシャワーを浴びた。
「さて、守を起こしに行かなくちゃね」
寝室に向かえばまだ眠っている円堂守がいる。彼は起きるときは起きるのだが、起きなければ寝過ごすことがあるので、瑞貴が起こしているのだ。
「ほら、守。朝だよ、起きて」
「んっ、ふわ~……――瑞貴?」
「うん。おはよう」
「おはよう……」
まだ眠たそうに欠伸をする円堂だが、瑞貴の姿を見ると笑顔で挨拶した。目が覚めて妻の顔を見れるのは円堂にとって幸せなことである。
「朝食の用意するから早く着替えてね」
「わかった。洗濯物も干しておくな」
家事は主に瑞貴がやっているが円堂もやれることはやると分担するようにした。最初は悪戦苦闘していたが、瑞貴と母の指導や経験でサマになってきたのである。
瑞貴が朝食をテーブルに並べ終えると、ちょうど円堂も洗濯物を干し終えて戻ってきた。二人は椅子に座って手を合わせる。
「「いただきます」」
挨拶をし終えると瑞貴がテレビの電源を付ければ、ちょうどニュースでホーリーロードのことをやっている。
〈中学サッカーの祭典・ホーリーロード関東大会を一週間後に控え、開会式の準備が進められています。関東Aブロックには前回全国大会で準優勝した雷門中を始め、万能坂中、天河原中、青葉学園と、いずれも全国大会優勝を狙えるチームばかり。果たしてこの大会を制し、全国大会に進出するチームはどこでしょうか?〉
「いよいよホーリーロードか……。今日は手続きをするんだよね」
「ああ。だから朝練の指揮を任せてもらっていいか?」
「うん。地区予選の間にチーム全員の気持ちが変わってくれたらいいんだけど……」
「まだ三人だからなんとも言えないな。だが、早く変わってほしいのは――三国だな」
GK・三国太一の姿を二人は思い浮かべた。ゴールを守る最後の砦であるGKで、三年生の中でも頼りにされているからこそ、彼が本当のサッカーをする決意をすればチームの空気も少しは変わるかもしれないと思った。
「このまま勝敗指示を伝えずに戦っても、勝ったときに『本当は負けの指示だった』と知らされれば選手たちのメンタルが危うくる」
「負けても指示通りの得点じゃなければ、何かしらのペナルティが来ると恐れているからね」
今やサッカーが全ての世の中で、内申書や今後のサッカー生命のためにフィフスセクターに従っている。それに二人が黙っていても無意味に近い。
「それに俺たちがこのまま黙っていても、剣城が自分から伝えるだろう……」
「フィフスセクターのシード……。あんなに実力があるのに管理サッカーに使うなんて勿体ないよ」
河川敷で見たデスソードは文句ナシの実力だ。雷門のストライカーの一人として戦ってくれればどれだけ心強いだろうか。
☆☆☆☆☆
雷門中のグラウンドで、選手たちは瑞貴が出したメニューで練習をしていた。瑞貴自身も選手一人一人の様子をチェックしている。
「えーい!」
「おっと」
ボールを取ろうと突っ込む西園信助だが、松風天馬は素早くボールを回したので取れなかった。
「もうちょっとだったのになぁ……」
「まだまだ、ホーリーロードまで少しでも強くならなくちゃ。よし、もう一回いくぞ!」
「うん!」
「天馬も信助も張り切ってる!」
「伸び盛りってとこだな。……ん?」
「神さま、元気ない……」
その様子をベンチで空野葵と瀬戸水鳥は微笑ましく見て隣に視線を移すと、山菜茜は神童の様子を見て首を傾げていた。
その翌日、円堂瑞貴は昔と変わらず日課のランニングを終えたあとシャワーを浴びた。
「さて、守を起こしに行かなくちゃね」
寝室に向かえばまだ眠っている円堂守がいる。彼は起きるときは起きるのだが、起きなければ寝過ごすことがあるので、瑞貴が起こしているのだ。
「ほら、守。朝だよ、起きて」
「んっ、ふわ~……――瑞貴?」
「うん。おはよう」
「おはよう……」
まだ眠たそうに欠伸をする円堂だが、瑞貴の姿を見ると笑顔で挨拶した。目が覚めて妻の顔を見れるのは円堂にとって幸せなことである。
「朝食の用意するから早く着替えてね」
「わかった。洗濯物も干しておくな」
家事は主に瑞貴がやっているが円堂もやれることはやると分担するようにした。最初は悪戦苦闘していたが、瑞貴と母の指導や経験でサマになってきたのである。
瑞貴が朝食をテーブルに並べ終えると、ちょうど円堂も洗濯物を干し終えて戻ってきた。二人は椅子に座って手を合わせる。
「「いただきます」」
挨拶をし終えると瑞貴がテレビの電源を付ければ、ちょうどニュースでホーリーロードのことをやっている。
〈中学サッカーの祭典・ホーリーロード関東大会を一週間後に控え、開会式の準備が進められています。関東Aブロックには前回全国大会で準優勝した雷門中を始め、万能坂中、天河原中、青葉学園と、いずれも全国大会優勝を狙えるチームばかり。果たしてこの大会を制し、全国大会に進出するチームはどこでしょうか?〉
「いよいよホーリーロードか……。今日は手続きをするんだよね」
「ああ。だから朝練の指揮を任せてもらっていいか?」
「うん。地区予選の間にチーム全員の気持ちが変わってくれたらいいんだけど……」
「まだ三人だからなんとも言えないな。だが、早く変わってほしいのは――三国だな」
GK・三国太一の姿を二人は思い浮かべた。ゴールを守る最後の砦であるGKで、三年生の中でも頼りにされているからこそ、彼が本当のサッカーをする決意をすればチームの空気も少しは変わるかもしれないと思った。
「このまま勝敗指示を伝えずに戦っても、勝ったときに『本当は負けの指示だった』と知らされれば選手たちのメンタルが危うくる」
「負けても指示通りの得点じゃなければ、何かしらのペナルティが来ると恐れているからね」
今やサッカーが全ての世の中で、内申書や今後のサッカー生命のためにフィフスセクターに従っている。それに二人が黙っていても無意味に近い。
「それに俺たちがこのまま黙っていても、剣城が自分から伝えるだろう……」
「フィフスセクターのシード……。あんなに実力があるのに管理サッカーに使うなんて勿体ないよ」
河川敷で見たデスソードは文句ナシの実力だ。雷門のストライカーの一人として戦ってくれればどれだけ心強いだろうか。
☆☆☆☆☆
雷門中のグラウンドで、選手たちは瑞貴が出したメニューで練習をしていた。瑞貴自身も選手一人一人の様子をチェックしている。
「えーい!」
「おっと」
ボールを取ろうと突っ込む西園信助だが、松風天馬は素早くボールを回したので取れなかった。
「もうちょっとだったのになぁ……」
「まだまだ、ホーリーロードまで少しでも強くならなくちゃ。よし、もう一回いくぞ!」
「うん!」
「天馬も信助も張り切ってる!」
「伸び盛りってとこだな。……ん?」
「神さま、元気ない……」
その様子をベンチで空野葵と瀬戸水鳥は微笑ましく見て隣に視線を移すと、山菜茜は神童の様子を見て首を傾げていた。