謎の敵! 幻影学園!!
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「邪魔だったんだよ、お前が」
「!」
ポツ…ポツ……――。
真帆路の言葉は天城に深く突き刺さった。同時に雨が降り出したが、真帆路は変わらず天城を見据えている。
「いつも俺に付き纏っていた……臆病者のお前にはうんざりだったんだよ」
「…………!」
「次の試合、お前たち雷門を倒す。幻影学園サッカー部キャプテンとして――フィフスセクターに従う者として」
「えっ!」
「フィフスセクターに逆らうのはムダだ。サッカーは管理されるべきなんだよ」
「ち、違う……!」
「あんなにいじめられたのに、まだわからないのか」
「!」
「強い者には従うべきだ。革命なんて意味がない。……できっこないんだよ」
「どうして……誰より曲がったことが嫌いだったお前が……! 真帆路!」
雨は激しさを増し、土手の階段を上がって再び去って行く真帆路に天城は必死に叫んだ。天城はただ小学校一年生から楽しんでサッカーをしていたあの頃に戻りたい、真帆路と笑い合いたかったのだ。
「サッカーを続けていれば、いつか仲直りできるかもって……どっかで思っていたド!」
「…………」
もう真帆路は戻ってくれることも、振り向いてくれることもなかった。天城は完全に去ってしまった真帆路のいない階段を見つめるしかない。
「サッカーを続ける理由……全部なくなっちまったド……。本当に一人ぼっちだド……」
しゃがんでうつむいた天城の頭上に傘があった。優しく差し出してくれたのは――輝である。
「影山……」
「風邪、引きますよ」
木の下に移動して雨宿りする二人。輝は天城から事情を聞いて眉を下げて自嘲気味に笑う。
「僕もなんです。僕も、いじめられてたことあって……」
……転校生だった輝は新しい友達が作りたかった。でも輝は口下手で自分の考えがうまく言えないから、話しかけてくれたクラスメイトに嫌われたくなくて、ついつい賛成したのだ。――本当は反対の意見なのに。
嫌われたくないって思えば思うほど、その場の雰囲気に合わせてしまい――結果、みんなを怒らせてしまった。
「初めは理由がわからなかったんです。『何がいけなかったんだろう』って……。でも、逆に僕がクラスメイトの立場ならって考えたら……自分がバカだったんだって気づきました」
それで、輝はみんなに自分の気持ちを正直に伝えることにした。今までのことを謝って、本当は友達が作りたくてあんな態度を取ってしまったと。
「天城先輩。ちゃんと話せば……誤解、解けるかもしれませんよ」
「…………」
だんだんと雨がやんで雲が晴れ、空は茜色になっていく。しかし天城の心だけは晴れない中――。
「うっぎぃぃいいい!!」
「!?」
「大声を出せば気持ちが晴れます! いじめられてるとき、よく誰もいない所で叫んでいました。スゥ……――うっぎぃぃいいい!!」
突然空に向かって叫び出した輝に天城は驚いた。輝は胸に手を当てて天城に理由を伝えると、もう一度大きく息を吸って叫んだ。輝と同じように胸に手を当てた天城は、大きく息を吸うと――。
「うおおぉぉおおお!!」
「アハハッ!」
「「うっぎぃぃいいい/うおおぉぉおおお!!」」
顔を見合わせて笑った二人は、それから何度も夕日に向かってスッキリするまで叫ぶのだった。
「!」
ポツ…ポツ……――。
真帆路の言葉は天城に深く突き刺さった。同時に雨が降り出したが、真帆路は変わらず天城を見据えている。
「いつも俺に付き纏っていた……臆病者のお前にはうんざりだったんだよ」
「…………!」
「次の試合、お前たち雷門を倒す。幻影学園サッカー部キャプテンとして――フィフスセクターに従う者として」
「えっ!」
「フィフスセクターに逆らうのはムダだ。サッカーは管理されるべきなんだよ」
「ち、違う……!」
「あんなにいじめられたのに、まだわからないのか」
「!」
「強い者には従うべきだ。革命なんて意味がない。……できっこないんだよ」
「どうして……誰より曲がったことが嫌いだったお前が……! 真帆路!」
雨は激しさを増し、土手の階段を上がって再び去って行く真帆路に天城は必死に叫んだ。天城はただ小学校一年生から楽しんでサッカーをしていたあの頃に戻りたい、真帆路と笑い合いたかったのだ。
「サッカーを続けていれば、いつか仲直りできるかもって……どっかで思っていたド!」
「…………」
もう真帆路は戻ってくれることも、振り向いてくれることもなかった。天城は完全に去ってしまった真帆路のいない階段を見つめるしかない。
「サッカーを続ける理由……全部なくなっちまったド……。本当に一人ぼっちだド……」
しゃがんでうつむいた天城の頭上に傘があった。優しく差し出してくれたのは――輝である。
「影山……」
「風邪、引きますよ」
木の下に移動して雨宿りする二人。輝は天城から事情を聞いて眉を下げて自嘲気味に笑う。
「僕もなんです。僕も、いじめられてたことあって……」
……転校生だった輝は新しい友達が作りたかった。でも輝は口下手で自分の考えがうまく言えないから、話しかけてくれたクラスメイトに嫌われたくなくて、ついつい賛成したのだ。――本当は反対の意見なのに。
嫌われたくないって思えば思うほど、その場の雰囲気に合わせてしまい――結果、みんなを怒らせてしまった。
「初めは理由がわからなかったんです。『何がいけなかったんだろう』って……。でも、逆に僕がクラスメイトの立場ならって考えたら……自分がバカだったんだって気づきました」
それで、輝はみんなに自分の気持ちを正直に伝えることにした。今までのことを謝って、本当は友達が作りたくてあんな態度を取ってしまったと。
「天城先輩。ちゃんと話せば……誤解、解けるかもしれませんよ」
「…………」
だんだんと雨がやんで雲が晴れ、空は茜色になっていく。しかし天城の心だけは晴れない中――。
「うっぎぃぃいいい!!」
「!?」
「大声を出せば気持ちが晴れます! いじめられてるとき、よく誰もいない所で叫んでいました。スゥ……――うっぎぃぃいいい!!」
突然空に向かって叫び出した輝に天城は驚いた。輝は胸に手を当てて天城に理由を伝えると、もう一度大きく息を吸って叫んだ。輝と同じように胸に手を当てた天城は、大きく息を吸うと――。
「うおおぉぉおおお!!」
「アハハッ!」
「「うっぎぃぃいいい/うおおぉぉおおお!!」」
顔を見合わせて笑った二人は、それから何度も夕日に向かってスッキリするまで叫ぶのだった。