謎の敵! 幻影学園!!
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コツコツと瑞貴はペンの頭で記録しているボードを叩いて天城を見る。彼がここまで練習に集中していないのは見たことがないが、今の状態でこのまま継続しても意味がないので仕方ない。
「今日はもうムリだね……」
「ああ。――天城。グラウンドから出ろ」
「えっ! すみません、もう一度――」
「今日は帰れ」
「あっ……わかりました」
「青山、天城のポジションに入れ。一乃、お前も入る準備をしておけ」
「「はい!」」
どうやら鬼道も同意見だったらしく天城を下げて青山を投入し、一乃にも準備をするように告げた。
ベンチに下げるのではなく帰宅するように告げた鬼道、青山が入ったことで次の記録の準備をする瑞貴、二人の厳しさに天馬は疑問に思う。
「鬼道監督、瑞貴さん、どうして……?」
「いつもの天城さんじゃなかったからだ」
「ここの所、悩んでいるみたいだな」
「先輩たち、気づいていたんですか!?」
神童と三国は天城が下げられるのも時間の問題だと思っていたらしい。だから鬼道と瑞貴の指示に不思議と思わず、むしろ当然と言うように告げた。
しかし天馬にはそれがますますわからず、何故天城に対して何も言わないのかと思う。
「なら、どうして?」
「話せるなら、とっくに俺たちに話してるさ。たぶん、今あいつが抱えている問題は、あいつ自身で解決するしかないんだろう……」
もちろん三国たちだって力になってあげたいのは山々だ。しかし天城が何も言わない以上、そっとしておくしかないのだろう。
――天城は制服に着替えてサッカー棟を出た。空は雨が降りそうな雲になっており、まるで自分の心を表しているようだ。
「一人、か。あのときみたいだド……」
……もうすぐ小学校も卒業という頃、天城はいじめられるようになった。理由はわからないが、昨日まで遊んでいた友達が全員敵だった。しかしたった一人、真帆路だけは変わらず仲良くしてくれた。それが天城にとって嬉しくて、一緒ならがんばれるって……けど、しばらくして口を利いてくれずになって悲しかった。真帆路だけはそんなことしないって思っていたからだ。
そのあと、しばらくしたらいじめは治まっていった。けど――嬉しくなかった。むしろ辛かった。真帆路は変わらず口を利いてくれず、置いてけぼりにされたみたいだった。
(どうしてだド……!?)
雷門中を出た天城は公園にやってきた。……小学校の頃に真帆路ともう一人の女の子と共に毎日ボールを追っかけていた、思い出の場所なのだ。小学校を卒業したら、一緒に雷門でサッカーしようって約束もしたのに、別々になってしまった。
雷も鳴り暗くなってきたので帰ろうとすると、天城は鉄棒にもたれかかる真帆路を見つけた。
「真帆路……!」
「お前か」
思わず近づくと、真帆路も天城に気づいたが表情を変えることはない。
「小学校以来だな」
「あっ……うん……」
「じゃあな」
「――どうしてだド!?」
たったひと言ふた言話しただけで去ろうとする真帆路を、天城は大声で呼び止めた。
「どうして口を利いてくれなくなったド!? どんなときも一番の友達でいてくれたお前が、どうして!?」
「…………」
「真帆路!」
「っ……」
真帆路は一瞬だけ反応したが背を向けていたため天城は気づかなかった。そして真帆路も正面で向き合うと、天城は必死に語りかける。
「答えるド、真帆路! ホントは…ホントは何か理由があったド!? じゃなきゃ俺たちの思い出のこの場所に来るはずないド! ホントのこと言うド!」
「…………」
真帆路は先ほどまで天城が座っていた、いろんな段差のある木の円柱を一度だけ見て告げた言葉は――。
「今日はもうムリだね……」
「ああ。――天城。グラウンドから出ろ」
「えっ! すみません、もう一度――」
「今日は帰れ」
「あっ……わかりました」
「青山、天城のポジションに入れ。一乃、お前も入る準備をしておけ」
「「はい!」」
どうやら鬼道も同意見だったらしく天城を下げて青山を投入し、一乃にも準備をするように告げた。
ベンチに下げるのではなく帰宅するように告げた鬼道、青山が入ったことで次の記録の準備をする瑞貴、二人の厳しさに天馬は疑問に思う。
「鬼道監督、瑞貴さん、どうして……?」
「いつもの天城さんじゃなかったからだ」
「ここの所、悩んでいるみたいだな」
「先輩たち、気づいていたんですか!?」
神童と三国は天城が下げられるのも時間の問題だと思っていたらしい。だから鬼道と瑞貴の指示に不思議と思わず、むしろ当然と言うように告げた。
しかし天馬にはそれがますますわからず、何故天城に対して何も言わないのかと思う。
「なら、どうして?」
「話せるなら、とっくに俺たちに話してるさ。たぶん、今あいつが抱えている問題は、あいつ自身で解決するしかないんだろう……」
もちろん三国たちだって力になってあげたいのは山々だ。しかし天城が何も言わない以上、そっとしておくしかないのだろう。
――天城は制服に着替えてサッカー棟を出た。空は雨が降りそうな雲になっており、まるで自分の心を表しているようだ。
「一人、か。あのときみたいだド……」
……もうすぐ小学校も卒業という頃、天城はいじめられるようになった。理由はわからないが、昨日まで遊んでいた友達が全員敵だった。しかしたった一人、真帆路だけは変わらず仲良くしてくれた。それが天城にとって嬉しくて、一緒ならがんばれるって……けど、しばらくして口を利いてくれずになって悲しかった。真帆路だけはそんなことしないって思っていたからだ。
そのあと、しばらくしたらいじめは治まっていった。けど――嬉しくなかった。むしろ辛かった。真帆路は変わらず口を利いてくれず、置いてけぼりにされたみたいだった。
(どうしてだド……!?)
雷門中を出た天城は公園にやってきた。……小学校の頃に真帆路ともう一人の女の子と共に毎日ボールを追っかけていた、思い出の場所なのだ。小学校を卒業したら、一緒に雷門でサッカーしようって約束もしたのに、別々になってしまった。
雷も鳴り暗くなってきたので帰ろうとすると、天城は鉄棒にもたれかかる真帆路を見つけた。
「真帆路……!」
「お前か」
思わず近づくと、真帆路も天城に気づいたが表情を変えることはない。
「小学校以来だな」
「あっ……うん……」
「じゃあな」
「――どうしてだド!?」
たったひと言ふた言話しただけで去ろうとする真帆路を、天城は大声で呼び止めた。
「どうして口を利いてくれなくなったド!? どんなときも一番の友達でいてくれたお前が、どうして!?」
「…………」
「真帆路!」
「っ……」
真帆路は一瞬だけ反応したが背を向けていたため天城は気づかなかった。そして真帆路も正面で向き合うと、天城は必死に語りかける。
「答えるド、真帆路! ホントは…ホントは何か理由があったド!? じゃなきゃ俺たちの思い出のこの場所に来るはずないド! ホントのこと言うド!」
「…………」
真帆路は先ほどまで天城が座っていた、いろんな段差のある木の円柱を一度だけ見て告げた言葉は――。