化身! 戦国武神ムサシ見参!!
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国が違うということは食の文化も違う。錦は故郷の味がするおにぎりに救われた。しかしピッチにいるメンバーは自分よりサッカーがうまくて劣等感を感じていた。
『染岡さん、わしゃあやっぱり日本に帰るぜよ。メシも合わんしやってられん!』
『尻尾巻いて逃げんのか?』
『っ!』
『どうだ。MFに転向してみないか?』
『いきなり何を!? わしゃあ、FW一本でここまで来たぜよ!』
錦が留学したのは『FW』として認められたからだ。突然染岡から『MF』にと言われて驚かずにはいられないし、ストライカーとしてのプライドもあった。
しかし染岡だって思いつきで言ったわけではない。ちゃんとした理由を錦に話す。
『お前は前のめり過ぎる。一歩引けば、見えて来るモンがあるはずだ』
『……難しいことはわからん!』
『だったら黙って俺に付いて来い! 世界に通用する選手に育ててやる』
『ハァ? 何を言っとるぜよ?』
『やるのか? やらないのか?』
染岡が与えた選択肢は二つで『やる』か『やらない』かだ。錦は少し悩んだものの強くなるためなら、MFになるのも手だと思ったのだろう。
『そりゃあ……やらんでもないぜよ』
『よーし、決まりだ! 今日からお前は俺の弟子、つまり俺は師匠ってことになる』
『師匠?』
『俺の特訓はキツいぞ?』
☆☆☆☆☆
「それ以来、あいつは黙々と特訓に励んだ。どんなに辛くても、成果が出なくても、来る日も来る日もな。気楽そうな奴だが、辛かったはずだ。その結果が――戦国武神ムサシ。つまり、あれだ。結果を信じて汗を流せば、なんとかなるってことだ」
「染岡さんは、どうしてそこまで錦のことを?」
二人が出会ったのも、話したのも、師弟になったのも同じ日だ。なのに弟子にしてまで錦を育てようと思った染岡に、青山は疑問に思って尋ねる。
「……なんだろな。イタリアのユースで一人ぼっちでサッカーしているあいつを、ほっとけなかったってとこかな。苦しんでるチームの仲間を力づけるのが、雷門のいい所。まっ、雷門魂って奴だな」
「「雷門魂……」」
一乃と青山は思わず顔を見合わせる。仲間を助けあうのは当たり前だったので、それが『雷門魂』と呼ばれているなど知らなかった。
「俺たちの頃は、あの部室が雷門魂の象徴だった。だがお前たちの雷門魂はサッカー棟(アソコ)にある。あそこから、新たな雷門魂を作り出していくんだ。――つまりだ、あとはお前たち次第ってことだ」
「「はい!」」
「…………」
「!」
笑顔で頷いた一乃と青山と違い天城は何も言わなかった。彼に気づいた染岡だが、それも天城次第で変わるので何も言わずにフッと笑った。
☆☆☆☆☆
――夕方になり、染岡がイタリアに帰ることを告げた。それに春奈は寂しそうに眉を下げる。
「ホントにイタリアに帰っちゃうんですか? 錦くん、ガッカリしますよ」
「チームメイトが待ってるからな。それに、鬼道監督の邪魔になっちゃ困る」
「お前には助けられた。感謝している」
「なっ……! おいおい、照れるだろうが」
「あっ! 竜吾が赤くなってる!」
「う、うるせぇ!」
「フフッ」
礼を言われると思ってなかったのか、微かに朱に染まった頬を掻く染岡を瑞貴は指摘すると、染岡はコツンと小突いた。それを見た春奈はこのやり取りが懐かしくて微笑む。
「まあ、それよりあれだ。わかってるだろうが、ホーリーロードもこれからますます大変だ。がんばってくれよ、鬼道監督。それと、瑞貴コーチ」
「お前もな」
「元気でね」
「オウッ! じゃあな!」
背を向けて帽子をかぶって去っていく染岡を、鬼道は言葉で、瑞貴と春奈は見えなくなるまで見送った。
☆コーチの 今日の格言☆
相手が進化するなら自分たちも進化する――それが雷門サッカーなんだから!
以上!!
『染岡さん、わしゃあやっぱり日本に帰るぜよ。メシも合わんしやってられん!』
『尻尾巻いて逃げんのか?』
『っ!』
『どうだ。MFに転向してみないか?』
『いきなり何を!? わしゃあ、FW一本でここまで来たぜよ!』
錦が留学したのは『FW』として認められたからだ。突然染岡から『MF』にと言われて驚かずにはいられないし、ストライカーとしてのプライドもあった。
しかし染岡だって思いつきで言ったわけではない。ちゃんとした理由を錦に話す。
『お前は前のめり過ぎる。一歩引けば、見えて来るモンがあるはずだ』
『……難しいことはわからん!』
『だったら黙って俺に付いて来い! 世界に通用する選手に育ててやる』
『ハァ? 何を言っとるぜよ?』
『やるのか? やらないのか?』
染岡が与えた選択肢は二つで『やる』か『やらない』かだ。錦は少し悩んだものの強くなるためなら、MFになるのも手だと思ったのだろう。
『そりゃあ……やらんでもないぜよ』
『よーし、決まりだ! 今日からお前は俺の弟子、つまり俺は師匠ってことになる』
『師匠?』
『俺の特訓はキツいぞ?』
☆☆☆☆☆
「それ以来、あいつは黙々と特訓に励んだ。どんなに辛くても、成果が出なくても、来る日も来る日もな。気楽そうな奴だが、辛かったはずだ。その結果が――戦国武神ムサシ。つまり、あれだ。結果を信じて汗を流せば、なんとかなるってことだ」
「染岡さんは、どうしてそこまで錦のことを?」
二人が出会ったのも、話したのも、師弟になったのも同じ日だ。なのに弟子にしてまで錦を育てようと思った染岡に、青山は疑問に思って尋ねる。
「……なんだろな。イタリアのユースで一人ぼっちでサッカーしているあいつを、ほっとけなかったってとこかな。苦しんでるチームの仲間を力づけるのが、雷門のいい所。まっ、雷門魂って奴だな」
「「雷門魂……」」
一乃と青山は思わず顔を見合わせる。仲間を助けあうのは当たり前だったので、それが『雷門魂』と呼ばれているなど知らなかった。
「俺たちの頃は、あの部室が雷門魂の象徴だった。だがお前たちの雷門魂はサッカー棟(アソコ)にある。あそこから、新たな雷門魂を作り出していくんだ。――つまりだ、あとはお前たち次第ってことだ」
「「はい!」」
「…………」
「!」
笑顔で頷いた一乃と青山と違い天城は何も言わなかった。彼に気づいた染岡だが、それも天城次第で変わるので何も言わずにフッと笑った。
☆☆☆☆☆
――夕方になり、染岡がイタリアに帰ることを告げた。それに春奈は寂しそうに眉を下げる。
「ホントにイタリアに帰っちゃうんですか? 錦くん、ガッカリしますよ」
「チームメイトが待ってるからな。それに、鬼道監督の邪魔になっちゃ困る」
「お前には助けられた。感謝している」
「なっ……! おいおい、照れるだろうが」
「あっ! 竜吾が赤くなってる!」
「う、うるせぇ!」
「フフッ」
礼を言われると思ってなかったのか、微かに朱に染まった頬を掻く染岡を瑞貴は指摘すると、染岡はコツンと小突いた。それを見た春奈はこのやり取りが懐かしくて微笑む。
「まあ、それよりあれだ。わかってるだろうが、ホーリーロードもこれからますます大変だ。がんばってくれよ、鬼道監督。それと、瑞貴コーチ」
「お前もな」
「元気でね」
「オウッ! じゃあな!」
背を向けて帽子をかぶって去っていく染岡を、鬼道は言葉で、瑞貴と春奈は見えなくなるまで見送った。
☆コーチの 今日の格言☆
相手が進化するなら自分たちも進化する――それが雷門サッカーなんだから!
以上!!