華麗なる戦術! 鬼道対アフロディ!!
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一方、木戸川清修のベンチでは快彦が総介の元へ行って怒るように叫んだ。
「兄さん! 何勝手なことしてんだよ!」
「いいだろ。点入れたんだから。どけ」
「っ!」
快彦の肩をつかんでその場をどかした総介。その間に貴志部はアフロディの元へ行った。
「監督。後半、総介は外したほうがよくないですか? あいつがいたらせっかくまとまってるチームが、またバラバラに……」
「いや、このままでいい」
「けど、このままでは!」
「雷門を甘く見てはいけない」
アフロディが雷門のベンチを見たので、続けて貴志部も同じ方向に顔を向ける。そこでは鬼道が天馬と神童に、瑞貴が狩屋と信助と真剣に話をしている姿があった。
「追い込まれれば追い込まれるほど、それが新たな力となる…さらなる成長を遂げる……それが雷門サッカー。そしてそのサッカーは、今の彼らにも受け継がれている。この試合、必ず総介の力が必要になる」
他の木戸川清修の選手も、アフロディの言葉を聞いていた。試合中に必殺タクティクスを生み出すなど、成長した姿は確かにここにいる全員が目撃している。また別の進化も現れるかもしれない。
だが、理屈ではわかっていても貴志部は今のチームの状態で納得がいかない。
「ですが、監督……」
「それに全員で勝ち取ってこその勝利。そして……本当の勝利を勝ち取ったときにこそ、君たちの進むべき道は見える」
「俺たちの、進むべき道……?」
優しい表情だが力強く頷いたアフロディに、貴志部は信じてみたいと思って「はい」と微笑んで頷いた。
雷門のベンチでは後半に備えてストレッチをしたり、話し合いをしたりしている。その中で錦は床に座り込んで溜息を吐いた。
(あんとき、わしがシュートを撃っちょれば……!)
「「…………」」
せっかくの攻撃のチャンスを、硬山の迫力に押されてしまったのだ。そんな錦を瑞貴も心配そうに、鬼道もどう言うべきかと見ていた。
「ちゅーか、とにかく動き回ってマークを外さないとな」
「だよな。――ん?」
コツコツコツ――……。
「誰?」
「さあ?」
錦と同じように床に座って浜野と倉間は対策を考えていたら、目の前に見知らぬ男性が靴音を立てて通った。信助と天馬も不思議そうにしていると、彼は背を向けている錦の元で止まる。
「錦」
「ん? ――し、師匠!」
「師匠?」
声をかけられて顔を上げた錦は、相手を見ると慌てて正面に向き直って正座した。天馬たちが彼と錦が関係あるとわかると、男性はサングラスを外して挨拶する。
「久しぶりだな。瑞貴、鬼道」
「えっ! 竜吾!」
「染岡!」
「染岡さん!」
「染岡……」
懐かしい仲間との再会に瑞貴も鬼道も春奈も声を上げ、アフロディも彼の姿を確認した。男性が染岡竜吾とわかると、天馬と信助は頬を紅潮させてキラキラした目で染岡を見る。
「そ、染岡さんって、あの伝説の雷門イレブンの!?」
「ああ、そうよ。ちょっと借りるぞ」
天馬たちにそう答えた染岡は、床にあるボールを足で拾うと赤いペンで一ヶ所へ押し潰すように濃く書いた。周りのみんなが不思議に思う中、染岡はそのボールを錦に投げ渡す。
「よし。錦」
「えっ……」
「そうだな……あの木に蹴ってみろ」
ボールを受け取った錦が立ち上がると、染岡は水面に生えている木を指差した。
その中心には小さな模様があり、しっかり確認した錦はボールを高く上げると、その木へ向かってシュートを叩き込んだ。弾かれたボールを片手でキャッチした染岡は笑う。
「兄さん! 何勝手なことしてんだよ!」
「いいだろ。点入れたんだから。どけ」
「っ!」
快彦の肩をつかんでその場をどかした総介。その間に貴志部はアフロディの元へ行った。
「監督。後半、総介は外したほうがよくないですか? あいつがいたらせっかくまとまってるチームが、またバラバラに……」
「いや、このままでいい」
「けど、このままでは!」
「雷門を甘く見てはいけない」
アフロディが雷門のベンチを見たので、続けて貴志部も同じ方向に顔を向ける。そこでは鬼道が天馬と神童に、瑞貴が狩屋と信助と真剣に話をしている姿があった。
「追い込まれれば追い込まれるほど、それが新たな力となる…さらなる成長を遂げる……それが雷門サッカー。そしてそのサッカーは、今の彼らにも受け継がれている。この試合、必ず総介の力が必要になる」
他の木戸川清修の選手も、アフロディの言葉を聞いていた。試合中に必殺タクティクスを生み出すなど、成長した姿は確かにここにいる全員が目撃している。また別の進化も現れるかもしれない。
だが、理屈ではわかっていても貴志部は今のチームの状態で納得がいかない。
「ですが、監督……」
「それに全員で勝ち取ってこその勝利。そして……本当の勝利を勝ち取ったときにこそ、君たちの進むべき道は見える」
「俺たちの、進むべき道……?」
優しい表情だが力強く頷いたアフロディに、貴志部は信じてみたいと思って「はい」と微笑んで頷いた。
雷門のベンチでは後半に備えてストレッチをしたり、話し合いをしたりしている。その中で錦は床に座り込んで溜息を吐いた。
(あんとき、わしがシュートを撃っちょれば……!)
「「…………」」
せっかくの攻撃のチャンスを、硬山の迫力に押されてしまったのだ。そんな錦を瑞貴も心配そうに、鬼道もどう言うべきかと見ていた。
「ちゅーか、とにかく動き回ってマークを外さないとな」
「だよな。――ん?」
コツコツコツ――……。
「誰?」
「さあ?」
錦と同じように床に座って浜野と倉間は対策を考えていたら、目の前に見知らぬ男性が靴音を立てて通った。信助と天馬も不思議そうにしていると、彼は背を向けている錦の元で止まる。
「錦」
「ん? ――し、師匠!」
「師匠?」
声をかけられて顔を上げた錦は、相手を見ると慌てて正面に向き直って正座した。天馬たちが彼と錦が関係あるとわかると、男性はサングラスを外して挨拶する。
「久しぶりだな。瑞貴、鬼道」
「えっ! 竜吾!」
「染岡!」
「染岡さん!」
「染岡……」
懐かしい仲間との再会に瑞貴も鬼道も春奈も声を上げ、アフロディも彼の姿を確認した。男性が染岡竜吾とわかると、天馬と信助は頬を紅潮させてキラキラした目で染岡を見る。
「そ、染岡さんって、あの伝説の雷門イレブンの!?」
「ああ、そうよ。ちょっと借りるぞ」
天馬たちにそう答えた染岡は、床にあるボールを足で拾うと赤いペンで一ヶ所へ押し潰すように濃く書いた。周りのみんなが不思議に思う中、染岡はそのボールを錦に投げ渡す。
「よし。錦」
「えっ……」
「そうだな……あの木に蹴ってみろ」
ボールを受け取った錦が立ち上がると、染岡は水面に生えている木を指差した。
その中心には小さな模様があり、しっかり確認した錦はボールを高く上げると、その木へ向かってシュートを叩き込んだ。弾かれたボールを片手でキャッチした染岡は笑う。