華麗なる戦術! 鬼道対アフロディ!!

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(これなら勝てる!)

(この程度の奴らが革命なんて、笑わせるぜ)


貴志部と総介が得点はまだないものの勝利の確信を得ていた。圧される一方の雷門を山菜茜が焦るように声を上げる。


「このままじゃ負けちゃう……!」

「監督! 何か手はないんですか!? 瑞貴先輩も、何か気づいたこととか!」

「…………」

「ごめん……。まだつかめていないの……」


春奈は鬼道と瑞貴に助けを求めるが、二人は攻略の糸口すら見つけられていない。


「ここか」


……空港からやってきた白スーツでサングラスをかけた男が、観客席の出入り口でグラウンドを見降ろしていた。


「河宮!」

《木戸川清修、大きくセンタリング!》

「渡すもんか!」


ザバァンッ!!


「えっ?」

「信助!」


和泉が自分たちのエリアから大きく河宮幸多にセンタリングしたので、信助もそれに伴ってジャンプした。しかしすぐ下でピッチダウンが始まったため、天馬は声を上げる。


(今の動き……!)

「有人……使えないかな、私たちが十年前の韓国戦に使用した必殺タクティクス」

「いや、それでは……――待てよ。地上ではなく空中でということか」

「うん。試してみる価値はあるよ、きっと!」


信助の動きを見て鬼道と瑞貴はハッと目を見開いた。当の本人の信助はギリギリの位置で着地したので堕ちるのを免れてホッとし、河宮はピッチダウンによってボールを取りこぼしてラインの外へ出てしまった。

瑞貴に何かを書いたボードを見せてもらった鬼道は頷くと、一瞬だけ笑みを浮かべてベンチから立ち上がった。


「神童!」

(来たな……)


二人が動き出したのでアフロディは何か仕掛けて来ると警戒する。鬼道から指示を受けた神童は錦龍馬や他のメンバーに伝えた。

雷門のゴールキックで試合再開。三国からボールをもらった神童が取った行動とは――!


「行くぞ! 必殺タクティクス……フライングルートパス!」


神童の合図で天馬と錦と霧野と車田が走り出した。初めて使う必殺タクティクスに貴志部は驚く。


「『フライングルートパス』!?」

「何をするつもりだ?」


総介も訝しげな表情をすると、神童はジャンプした霧野にボールを回した。


「霧野!」

「車田さん!」


空中で受け取った霧野は続けて同じようにジャンプした車田にパスをする。それからも狩屋、信助、錦へとどんどんパスが繋がっていった。いきなりよくなった動きに貴志部は戸惑いをカk吸えない。


(何が起こってるんだ……!?)


ザバァンッ!!


「うわあっ!」

「!」

「錦先輩!」

「オウッ!」


自分の横でピッチダウンが起こって浜野海士は驚くと、次にパスを出す予定だったのか錦は空中で驚いた。そこへジャンプした天馬がカバーしてくれたのでパスを回す。


(これは!)

「なるほど……そうきたか」


貴志部と同じようにアフロディも気づいたようで、口元に笑みを浮かべる。

雷門はパスに合わせてジャンプするのではなく、ジャンプを合わせた相手にパスを出している。しかも、自らが着地する前に。そうやって空中でパスを繋いで行けば、ピッチダウンに邪魔されることはない。

しかも木戸川清修は三人一組のフォーメーション……勝手に固まっているのでパスを出すコースには困らないというわけだ。
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