キャプテンの資格
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「守、あれって……!」
「ああ。天馬のあきらめない気持ちが生み出したんだ……!」
「絶対抜いてやる!」
「練習のときより速くなってる!」
今までと段違いのスピードだと信助も気づいた。そして神童と対峙する直前、天馬の周辺に風が吹き荒れる。
「そよかぜステップ!」
ターンしつつ風のようにすり抜け、神童は軽風にフワリと飛ばされた。本当に天馬自身が風になったような必殺技だ。
「キャプテンを抜いた……!」
「やったねー! ずーっと練習してた甲斐があったじゃん!」
「できた……そよかぜステップ!」
「そよかぜステップか……いいオフェンスだ」
「スゴいよ! まんま風みたいだった!」
「風かぁ……」
第三者っして見ていた信助も興奮して、神童も小声だが天馬の必殺技を褒め称えた。
「キャプテン! これで俺、今年のホーリーロードを戦えます。相手チームにドリブルで突っ込んで行きます!」
「オー! 盛り上がってきたー!」
「今度は信助の必殺技だな!」
「うん! がんばるよ!」
ハイタッチして無邪気に笑う天馬と信助。それを見て神童は目に涙を溜めていたことに気づく。
「お前たちのがんばりに比べて、俺は……。これじゃやっぱり、キャプテンの資格なんかないな……」
「そんな――」
「「資格はあるさ/よ!」」
否定しようとする天馬に代わって声を上げたのは、グラウンドに降りて来た円堂と瑞貴だ。三人も気づいて顔を向ける。
「監督! 瑞貴さん!」
「監督……? 井上コーチ……?」
「神童くんは充分資格を持っている。それも大切なモノをね」
「お前が流している涙こそ、キャプテンの資格だ」
瑞貴と共にそう言った円堂が懐(フトコロ)から取り出したのは、神童が提出した退部届。それを円堂は真っ二つに破いた。
「サッカーが好きで好きでたまらない気持ちが、その涙になったんだ」
「そうじゃなかったら、そんな純粋な涙を流せないよ」
瑞貴は優しく神童の涙を指で拭うと、円堂は神童の肩にポンッと手を置いた。
「お前はやっぱり、神のタクトだ」
「?」
「優れた指揮者が演奏者のポテンシャルを引き出すように、天馬の力を開花させたんだ」
「それは誰もできることじゃない。神童くんだからこそできたんだよ」
「監督…コーチ…俺だって……! 俺だって本当は勝ちたいです! これ以上、無様なサッカーはやりたくないんです!」
拳を握って体を震わせながらも真っ直ぐな瞳でそう告げた神童に、円堂はニカッと笑い、瑞貴は嬉しそうに微笑む。
「その言葉を待ってたよ、キャプテン!」
「私たちはフィフスセクターに屈さない。だから全力でがんばろう!」
一連の様子で神童がフィフスセクターに従うのをやめるとわかり、天馬と信助は大いに喜ぶ。
「俺、がんばります!」
「絶対に勝ちましょう!」
「オウッ! 負けていい試合なんて絶対にないぞ!」
「「はい!」」
(俺は、この笑顔を見たかったのかもしれない……。だから、こいつを部屋に入れたんだ……)
天馬の笑顔を見て、神童は心のどこかでそう思っていたことに気づいた。……その様子を全て、剣城に見られていたなど誰も気づかなかった。
――天馬と信助が明日に備えて先に帰ると、円堂と共に歩いていた瑞貴に神童が声をかける。
「あの、井上コーチ……」
「ん?」
「えっと……」
チラッと円堂を見たので、察した瑞貴は円堂に顔を向ける。
「守、先に行っててくれる?」
「ん? ああ、わかった」
「ああ。天馬のあきらめない気持ちが生み出したんだ……!」
「絶対抜いてやる!」
「練習のときより速くなってる!」
今までと段違いのスピードだと信助も気づいた。そして神童と対峙する直前、天馬の周辺に風が吹き荒れる。
「そよかぜステップ!」
ターンしつつ風のようにすり抜け、神童は軽風にフワリと飛ばされた。本当に天馬自身が風になったような必殺技だ。
「キャプテンを抜いた……!」
「やったねー! ずーっと練習してた甲斐があったじゃん!」
「できた……そよかぜステップ!」
「そよかぜステップか……いいオフェンスだ」
「スゴいよ! まんま風みたいだった!」
「風かぁ……」
第三者っして見ていた信助も興奮して、神童も小声だが天馬の必殺技を褒め称えた。
「キャプテン! これで俺、今年のホーリーロードを戦えます。相手チームにドリブルで突っ込んで行きます!」
「オー! 盛り上がってきたー!」
「今度は信助の必殺技だな!」
「うん! がんばるよ!」
ハイタッチして無邪気に笑う天馬と信助。それを見て神童は目に涙を溜めていたことに気づく。
「お前たちのがんばりに比べて、俺は……。これじゃやっぱり、キャプテンの資格なんかないな……」
「そんな――」
「「資格はあるさ/よ!」」
否定しようとする天馬に代わって声を上げたのは、グラウンドに降りて来た円堂と瑞貴だ。三人も気づいて顔を向ける。
「監督! 瑞貴さん!」
「監督……? 井上コーチ……?」
「神童くんは充分資格を持っている。それも大切なモノをね」
「お前が流している涙こそ、キャプテンの資格だ」
瑞貴と共にそう言った円堂が懐(フトコロ)から取り出したのは、神童が提出した退部届。それを円堂は真っ二つに破いた。
「サッカーが好きで好きでたまらない気持ちが、その涙になったんだ」
「そうじゃなかったら、そんな純粋な涙を流せないよ」
瑞貴は優しく神童の涙を指で拭うと、円堂は神童の肩にポンッと手を置いた。
「お前はやっぱり、神のタクトだ」
「?」
「優れた指揮者が演奏者のポテンシャルを引き出すように、天馬の力を開花させたんだ」
「それは誰もできることじゃない。神童くんだからこそできたんだよ」
「監督…コーチ…俺だって……! 俺だって本当は勝ちたいです! これ以上、無様なサッカーはやりたくないんです!」
拳を握って体を震わせながらも真っ直ぐな瞳でそう告げた神童に、円堂はニカッと笑い、瑞貴は嬉しそうに微笑む。
「その言葉を待ってたよ、キャプテン!」
「私たちはフィフスセクターに屈さない。だから全力でがんばろう!」
一連の様子で神童がフィフスセクターに従うのをやめるとわかり、天馬と信助は大いに喜ぶ。
「俺、がんばります!」
「絶対に勝ちましょう!」
「オウッ! 負けていい試合なんて絶対にないぞ!」
「「はい!」」
(俺は、この笑顔を見たかったのかもしれない……。だから、こいつを部屋に入れたんだ……)
天馬の笑顔を見て、神童は心のどこかでそう思っていたことに気づいた。……その様子を全て、剣城に見られていたなど誰も気づかなかった。
――天馬と信助が明日に備えて先に帰ると、円堂と共に歩いていた瑞貴に神童が声をかける。
「あの、井上コーチ……」
「ん?」
「えっと……」
チラッと円堂を見たので、察した瑞貴は円堂に顔を向ける。
「守、先に行っててくれる?」
「ん? ああ、わかった」