氷上格闘! VS白恋中!!
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「これが今の白恋なの……」
「っ!」
フィフスセクターの傘下に入った白恋の現状を、瑞貴と共に見た吹雪は悔しそうに歯を食いしばった。次いで円堂は三国に指示を出す。
「三国、交代だ」
「大丈夫です! やれます!」
「その状態ではムリだ」
「でも、俺の他のGKはいないんです!」
「そうだ、雷門のGKはお前しかいない。――これからもな」
「だったら!」
「ホーリーロード優勝まで、まだまだ戦いが続く。そのゴールを守るためにも、今はムリをするな」
「!」
「わかったな」
「はい……」
円堂の言い分に理解した三国は了承した。これからの戦いに自分が必要だからこそ休むべきだと。
「天馬、キーパーのユニフォームを着ろ」
「えっ」
「キーパー経験者はお前だけだ。頼んだぞ」
「はい!」
予選決勝で天馬はGKとしてゴールに立ったことがある。今この場で経験があるのは天馬だけだと円堂は選んだ。
「天馬ならやれる! がんばれ!」
「そうだ! 俺たちも全力で守るからな!」
「はい!」
信助や霧野の後押しもあり、天馬は頷くとGKのユニフォームに着替えに行った。そのうしろ姿を見て瑞貴は思わず微笑む。
「フフッ」
「どうした?」
「いや、今の光景を見てると昔を思い出してね。誰かさんも怪我をしてまでゴールに立とうとしたなぁって」
「あっ……」
十年前のフットボールフロンティア一回戦――負傷した円堂は後半も出ると言ったが、瑞貴がそれを制してゴールに立ったのだ。
「経験者だからこそ、次代に向けて言える言葉がある。あんたは今、太一くんのキーパー生命を守ったんだよ」
「いや……お前やみんながいてくれたから、俺は今ここにいるんだ。GKとしても、監督としてもな」
感謝も込めて二カッと笑った円堂に、瑞貴は微笑み返した。
「オーケー。よくやった」
「ウッス」
「――何がいいもんか!」
石のプレーに褒める白咲だが、雪村を始め他の白恋中サッカー部は二人を非難するように睨みつけていた。
「よけられたはずだぞ」
「命令だ。――『潰せ』ってな」
「何っ!?」
「フッ。フィフスのサッカーをやるということはこういうことだ」
「「「「「!?」」」」」
白咲と石は熊崎と共にフィフスセクターから来たので、シードと言っても過言ではない。むしろこれが当たり前というプレーに白恋中サッカー部たちは驚きを隠せない。
「フィフスセクターは、こんなことまでやらせるのか……!」
ただ勝敗指示に従えばいいというだけじゃなかった。初めてフィフスセクターの『潰すサッカー』を目の当たりにした雪村は熊崎や黒木を見ながら歯を食いしばるのだった。
雷門は三国をベンチに下げて車田を投入し、天馬をGKに入れた。ボールを置いて少し下がった天馬は深呼吸するように呟く。
「大丈夫……なんとかなるさ。――いきます!」
ホイッスルが鳴って試合再開。天馬のゴールキックは浜野に繋がれた。
(形はどうでもいい……ゴールラインを割らせなければいいんだ。気持ちで負けるな!)
(少しでも負けを認めたら、本当の『負け』に繋がってしまう……。『勝つ』という気持ちを強く持って!)
円堂と瑞貴は祈りと共に、ピッチを走る天馬たちを見守るのだった。
浜野は倉間にパスを送ろうとしたが、間から石がボールを奪ってそのままゴールへ向かって行く。
「ザ・ミスト!」
「うおおぉぉおおお! 邪魔なんだよ!」
無理矢理に石は霧野の必殺技を突破した。だが、続いて車田が走り込む。
「行かせるかー!」
「なっ!?」
スライディングした車田が見事に石からボールを離した。続いて自身も立ち上がって走り出す。
「雷門のゴールは俺たちが守る!」
「ふざけんな! ぶっ倒してやる!」
こぼれたボールを拾ったのは雪村だ。そこへ輝がすかさず雪村の前へ立ち塞がる。
「行かせないぞ! うっぎー!」
「何っ!?」
輝は見事にボールを高く上げた。しかしまたも石が落ちてくるボールに向かって走り出している。
「俺がいただく!」
「させんぜよ!」
今度は錦が守った。ディフェンスに下がってまでの二人のプレーに、空野葵も瀬戸水鳥も山菜茜も嬉しそうに声を上げる。
「やったー! 守りましたよ!」
「やるじゃねぇか、あいつら!」
「カッコよく取れた……!」
雷門中サッカー部はキーパーに慣れない天馬のためにも、全員で必死のディフェンスをする。そして天馬自身もがんばってゴールを守っていた。
「っ!」
フィフスセクターの傘下に入った白恋の現状を、瑞貴と共に見た吹雪は悔しそうに歯を食いしばった。次いで円堂は三国に指示を出す。
「三国、交代だ」
「大丈夫です! やれます!」
「その状態ではムリだ」
「でも、俺の他のGKはいないんです!」
「そうだ、雷門のGKはお前しかいない。――これからもな」
「だったら!」
「ホーリーロード優勝まで、まだまだ戦いが続く。そのゴールを守るためにも、今はムリをするな」
「!」
「わかったな」
「はい……」
円堂の言い分に理解した三国は了承した。これからの戦いに自分が必要だからこそ休むべきだと。
「天馬、キーパーのユニフォームを着ろ」
「えっ」
「キーパー経験者はお前だけだ。頼んだぞ」
「はい!」
予選決勝で天馬はGKとしてゴールに立ったことがある。今この場で経験があるのは天馬だけだと円堂は選んだ。
「天馬ならやれる! がんばれ!」
「そうだ! 俺たちも全力で守るからな!」
「はい!」
信助や霧野の後押しもあり、天馬は頷くとGKのユニフォームに着替えに行った。そのうしろ姿を見て瑞貴は思わず微笑む。
「フフッ」
「どうした?」
「いや、今の光景を見てると昔を思い出してね。誰かさんも怪我をしてまでゴールに立とうとしたなぁって」
「あっ……」
十年前のフットボールフロンティア一回戦――負傷した円堂は後半も出ると言ったが、瑞貴がそれを制してゴールに立ったのだ。
「経験者だからこそ、次代に向けて言える言葉がある。あんたは今、太一くんのキーパー生命を守ったんだよ」
「いや……お前やみんながいてくれたから、俺は今ここにいるんだ。GKとしても、監督としてもな」
感謝も込めて二カッと笑った円堂に、瑞貴は微笑み返した。
「オーケー。よくやった」
「ウッス」
「――何がいいもんか!」
石のプレーに褒める白咲だが、雪村を始め他の白恋中サッカー部は二人を非難するように睨みつけていた。
「よけられたはずだぞ」
「命令だ。――『潰せ』ってな」
「何っ!?」
「フッ。フィフスのサッカーをやるということはこういうことだ」
「「「「「!?」」」」」
白咲と石は熊崎と共にフィフスセクターから来たので、シードと言っても過言ではない。むしろこれが当たり前というプレーに白恋中サッカー部たちは驚きを隠せない。
「フィフスセクターは、こんなことまでやらせるのか……!」
ただ勝敗指示に従えばいいというだけじゃなかった。初めてフィフスセクターの『潰すサッカー』を目の当たりにした雪村は熊崎や黒木を見ながら歯を食いしばるのだった。
雷門は三国をベンチに下げて車田を投入し、天馬をGKに入れた。ボールを置いて少し下がった天馬は深呼吸するように呟く。
「大丈夫……なんとかなるさ。――いきます!」
ホイッスルが鳴って試合再開。天馬のゴールキックは浜野に繋がれた。
(形はどうでもいい……ゴールラインを割らせなければいいんだ。気持ちで負けるな!)
(少しでも負けを認めたら、本当の『負け』に繋がってしまう……。『勝つ』という気持ちを強く持って!)
円堂と瑞貴は祈りと共に、ピッチを走る天馬たちを見守るのだった。
浜野は倉間にパスを送ろうとしたが、間から石がボールを奪ってそのままゴールへ向かって行く。
「ザ・ミスト!」
「うおおぉぉおおお! 邪魔なんだよ!」
無理矢理に石は霧野の必殺技を突破した。だが、続いて車田が走り込む。
「行かせるかー!」
「なっ!?」
スライディングした車田が見事に石からボールを離した。続いて自身も立ち上がって走り出す。
「雷門のゴールは俺たちが守る!」
「ふざけんな! ぶっ倒してやる!」
こぼれたボールを拾ったのは雪村だ。そこへ輝がすかさず雪村の前へ立ち塞がる。
「行かせないぞ! うっぎー!」
「何っ!?」
輝は見事にボールを高く上げた。しかしまたも石が落ちてくるボールに向かって走り出している。
「俺がいただく!」
「させんぜよ!」
今度は錦が守った。ディフェンスに下がってまでの二人のプレーに、空野葵も瀬戸水鳥も山菜茜も嬉しそうに声を上げる。
「やったー! 守りましたよ!」
「やるじゃねぇか、あいつら!」
「カッコよく取れた……!」
雷門中サッカー部はキーパーに慣れない天馬のためにも、全員で必死のディフェンスをする。そして天馬自身もがんばってゴールを守っていた。