立ちはだかる白い悪魔!
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雷門のキックオフで試合開始。剣城からボールを受け取った倉間典人がドリブルするも、思うように動けない。
「走り辛いな……! っ、しまった!」
「フフッ」
倉間は木瀧常緒をよけようとしたが、氷のフィールドに足を取られて逆にボールが相手に渡ってしまった。
《倉間、ドリブルのミスからボールを奪われたー!》
「くっそー!」
スライディングで木瀧からボールを離した倉間。しかしラインの外に出たので白恋ボールになってしまう。
木瀧のスローイングが射月冬馬に向かうと、神童が前に出てボールを奪った。
「速水!」
「はい! あっ……!」
神童からのパスを受け取ろうとした速水だが、またしてもラインの外へ出てしまった。
「パスミス……!?」
「いや、タイミングが合わなくなってる……。ボールが滑ってスピードが増してるんだ」
「足場が悪くて対応しきれてないようだな」
「今は自分が倒れないようにするのが精一杯ってとこだね」
驚く一乃七助に原因を気づく青山俊介。円堂と瑞貴も雷門がいつも以上に力を発揮できないことを感じる。
「これが、ホーリーロードの戦いか……!」
テレビで見るのと実際にフィールドのベンチで見るのとは違うと、輝はよくわかった。自分もこのフィールドに立つ者の一人なのだから。
「なんとかしなくちゃ……!」
「そんな走りじゃ、何もできないぜ!」
「取られるもんか! ――うわっ!」
「もらった!」
おぼつかないドリブルをする天馬は滑ってしまい、浮いたボールへ雪村がジャンプして奪った。そのまま雷門エリアへ攻め込んで行く。
(あいつ、一段と速くなってる……)
まるで風と共に駆け抜ける雪のように速水を抜く雪村に、吹雪は自分が離れている間も成長していると思った。
「行かせるものか!」
霧野がスライディングして雪村からボールをラインの外へと離した。雪村は最初は悔しそうに歯を食いしばるが、吹雪を目にした途端に顔をしかめた。
(あのとき、俺はあんたと出会った……!)
☆☆☆☆☆
――白恋中のグラウンドで練習をする中、ドリブルする雪村は横から来る王鹿角を振り切ってシュートを撃った。
『よし!』
『「よし」じゃねぇよ!』
『何?』
『やり過ぎだろ。練習なんだぞ』
『それがどうした』
『なんだと?』
非難する王鹿や伊富寅太に、雪村は怯むことなく真っ向から否定した。
『練習だって関係ない!どんなときだって本気でやらなきゃ、先へは進めない!』
『……そうかよ! 勝手にしろ』
志向が違うことで雪村はチームから孤立して行った。しかしそれでも雪村は信念を曲げることはない。
――それから一人でも雪村が本気で練習をしてゴールへ撃ち込んだ。そのボールが転がると足で止めたのは――吹雪だ。
『君、スゴいシュートを蹴るね』
それが雪村と吹雪の初めての出会いだった。
「走り辛いな……! っ、しまった!」
「フフッ」
倉間は木瀧常緒をよけようとしたが、氷のフィールドに足を取られて逆にボールが相手に渡ってしまった。
《倉間、ドリブルのミスからボールを奪われたー!》
「くっそー!」
スライディングで木瀧からボールを離した倉間。しかしラインの外に出たので白恋ボールになってしまう。
木瀧のスローイングが射月冬馬に向かうと、神童が前に出てボールを奪った。
「速水!」
「はい! あっ……!」
神童からのパスを受け取ろうとした速水だが、またしてもラインの外へ出てしまった。
「パスミス……!?」
「いや、タイミングが合わなくなってる……。ボールが滑ってスピードが増してるんだ」
「足場が悪くて対応しきれてないようだな」
「今は自分が倒れないようにするのが精一杯ってとこだね」
驚く一乃七助に原因を気づく青山俊介。円堂と瑞貴も雷門がいつも以上に力を発揮できないことを感じる。
「これが、ホーリーロードの戦いか……!」
テレビで見るのと実際にフィールドのベンチで見るのとは違うと、輝はよくわかった。自分もこのフィールドに立つ者の一人なのだから。
「なんとかしなくちゃ……!」
「そんな走りじゃ、何もできないぜ!」
「取られるもんか! ――うわっ!」
「もらった!」
おぼつかないドリブルをする天馬は滑ってしまい、浮いたボールへ雪村がジャンプして奪った。そのまま雷門エリアへ攻め込んで行く。
(あいつ、一段と速くなってる……)
まるで風と共に駆け抜ける雪のように速水を抜く雪村に、吹雪は自分が離れている間も成長していると思った。
「行かせるものか!」
霧野がスライディングして雪村からボールをラインの外へと離した。雪村は最初は悔しそうに歯を食いしばるが、吹雪を目にした途端に顔をしかめた。
(あのとき、俺はあんたと出会った……!)
☆☆☆☆☆
――白恋中のグラウンドで練習をする中、ドリブルする雪村は横から来る王鹿角を振り切ってシュートを撃った。
『よし!』
『「よし」じゃねぇよ!』
『何?』
『やり過ぎだろ。練習なんだぞ』
『それがどうした』
『なんだと?』
非難する王鹿や伊富寅太に、雪村は怯むことなく真っ向から否定した。
『練習だって関係ない!どんなときだって本気でやらなきゃ、先へは進めない!』
『……そうかよ! 勝手にしろ』
志向が違うことで雪村はチームから孤立して行った。しかしそれでも雪村は信念を曲げることはない。
――それから一人でも雪村が本気で練習をしてゴールへ撃ち込んだ。そのボールが転がると足で止めたのは――吹雪だ。
『君、スゴいシュートを蹴るね』
それが雪村と吹雪の初めての出会いだった。