あいつが帰ってくる!
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自宅にいることで左手の薬指に嵌めている指輪を見ると、自分は本当の意味でも瑞貴の隣に立つ存在になれたと実感もした。それが数多のライバルたちから打ち勝ったという証明にも。
「だからと言って、ウカウカしていたら瑞貴ちゃんを取られちゃうよ。例えば僕とか」
「おい……お前ら、本当に俺に託す気があるのか?」
☆☆☆☆☆
それからも連日で必殺タクティクス完成に向けて練習する日々が続いていた。ラインを越しかけたり、ディフェンスに止められたりその繰り返しばかりだ。それでも選手の他にマネージャー組や大人組が気づいたこともあって話し合った結果、着実に成果は出ているようだ。
今日の練習場である屋内グラウンドで、ドリブルする天馬と少し離れた隣で剣城が走っている。
「来たぞ! 止めろ!」
三国の合図で、実際の絶対障壁のように三角形の陣になるディフェンス陣。天馬はタイミングを見極めた。
「今だ!」
天馬が剣城にパスを出すと、剣城もスピードを上げながらドリブルして突破口を見極める。そして空いているサイドを見つけた。
「行かせねぇ!」
「はああっ!」
「何っ!?」
「えっ!」
即座に車田が駆け込むが、剣城がさらにスピードを上げて速水が加勢する間もなく突破した。二人は剣城のうしろを追いかけるが、剣城のスピードに追い付けない。
「剣城! いっけー!」
「はああっ! でやっ!」
天馬もかけ声を上げて剣城はシュートを撃つが、正面となり三国に取られてしまった。
「あ~あ……」
「惜しかったね、剣城。もうちょっとだったのに」
「――いや、全然ダメだ」
「「えっ?」」
天馬と信助に否定の声を上げたのは剣城ではなく、シュートを受けた三国だった。
「ディフェンス陣を振り切ることに気を取られて、しっかりとした体勢でシュートが撃てていない。この程度じゃあ、ゴールは破れないだろうな」
「「!」」
ゴールにいるから全体を見渡せる三国ならではのアドバイスだ。まだまだ課題は山積みだと剣城も天馬も歯を食いしばった。
――休憩時間となり、選手たちはライン際の敷居を背に座ったり寝転がったりなどして、葵たちマネージャーからドリンクをもらって休んでいた。
「ドリンク、みなさん回りましたー? まだの人言ってくださーい!」
「俊足と決定力の両立か……」
「はいよ。これ飲んで元気だしな」
「ああ、ありがとう」
「これも」
「えっ?」
課題について神童が考えていると、瀬戸水鳥が敷居の反対側からドリンクを渡したので、ありがたく受け取った。続いて山菜茜が一枚の手紙を差し出す。
「エアメール!」
「エアメール? 『Ryouma』……まさか、錦か!」
「「「「「えっ!?」」」」」
「錦?」
「「「「「?」」」」」
神童が言った名前に二年と三年組と水鳥は反応し、天馬たち一年は不思議に思った。
便箋の中から手紙を取り出すと、代表として読み上げる三国の周りに三年と二年の一部が覗き込んできた。
「『皆の衆、まっことご無沙汰ぜよ! 錦龍馬じゃ!』だってよ」
「相変わらず『ぜよぜよ』言ってんのかよ、あいつ」
まさか水鳥が知っていると思わず、霧野は少し驚いて声を上げる。
「だからと言って、ウカウカしていたら瑞貴ちゃんを取られちゃうよ。例えば僕とか」
「おい……お前ら、本当に俺に託す気があるのか?」
☆☆☆☆☆
それからも連日で必殺タクティクス完成に向けて練習する日々が続いていた。ラインを越しかけたり、ディフェンスに止められたりその繰り返しばかりだ。それでも選手の他にマネージャー組や大人組が気づいたこともあって話し合った結果、着実に成果は出ているようだ。
今日の練習場である屋内グラウンドで、ドリブルする天馬と少し離れた隣で剣城が走っている。
「来たぞ! 止めろ!」
三国の合図で、実際の絶対障壁のように三角形の陣になるディフェンス陣。天馬はタイミングを見極めた。
「今だ!」
天馬が剣城にパスを出すと、剣城もスピードを上げながらドリブルして突破口を見極める。そして空いているサイドを見つけた。
「行かせねぇ!」
「はああっ!」
「何っ!?」
「えっ!」
即座に車田が駆け込むが、剣城がさらにスピードを上げて速水が加勢する間もなく突破した。二人は剣城のうしろを追いかけるが、剣城のスピードに追い付けない。
「剣城! いっけー!」
「はああっ! でやっ!」
天馬もかけ声を上げて剣城はシュートを撃つが、正面となり三国に取られてしまった。
「あ~あ……」
「惜しかったね、剣城。もうちょっとだったのに」
「――いや、全然ダメだ」
「「えっ?」」
天馬と信助に否定の声を上げたのは剣城ではなく、シュートを受けた三国だった。
「ディフェンス陣を振り切ることに気を取られて、しっかりとした体勢でシュートが撃てていない。この程度じゃあ、ゴールは破れないだろうな」
「「!」」
ゴールにいるから全体を見渡せる三国ならではのアドバイスだ。まだまだ課題は山積みだと剣城も天馬も歯を食いしばった。
――休憩時間となり、選手たちはライン際の敷居を背に座ったり寝転がったりなどして、葵たちマネージャーからドリンクをもらって休んでいた。
「ドリンク、みなさん回りましたー? まだの人言ってくださーい!」
「俊足と決定力の両立か……」
「はいよ。これ飲んで元気だしな」
「ああ、ありがとう」
「これも」
「えっ?」
課題について神童が考えていると、瀬戸水鳥が敷居の反対側からドリンクを渡したので、ありがたく受け取った。続いて山菜茜が一枚の手紙を差し出す。
「エアメール!」
「エアメール? 『Ryouma』……まさか、錦か!」
「「「「「えっ!?」」」」」
「錦?」
「「「「「?」」」」」
神童が言った名前に二年と三年組と水鳥は反応し、天馬たち一年は不思議に思った。
便箋の中から手紙を取り出すと、代表として読み上げる三国の周りに三年と二年の一部が覗き込んできた。
「『皆の衆、まっことご無沙汰ぜよ! 錦龍馬じゃ!』だってよ」
「相変わらず『ぜよぜよ』言ってんのかよ、あいつ」
まさか水鳥が知っていると思わず、霧野は少し驚いて声を上げる。