あいつが帰ってくる!
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「心配していたぞ」
「「「えっ?」」」
「白恋中のコーチを外され、行方がわからなくなったと聞いていたからな」
「「「ええっ!?」」」
「…………」
鬼道から聞いた情報に他の三人は驚いた。そして吹雪も眉を下げて弱々しく笑っていたので、只事じゃないのは察する。
「何があったんだ?」
「白恋中は……――白恋中は、フィフスセクターの手に堕ちた」
「「「「「ええっ!?」」」」」
吹雪から事情を聞くために練習を中断し、ベンチに座る吹雪の周りにみんなが集まった。
「フィフスセクターのサッカーは間違っていると、僕たち白恋中も勝つことでそれを証明しようとしたんだ。だけど……」
……フィフスセクターは密かに白恋中を侵食していて、気づいたときにはほとんどのメンバーがフィフスセクターに取り込まれていた。そして吹雪は聖帝に歯向かう反乱分子として、白恋中を追放されてしまったのだ。
「だけど、白恋中にはまだフィフスセクターに取り込まれていない選手たちがいる。彼らと、そして白恋中をなんとかして救いたい」
吹雪はベンチから立ち上がると、真剣な表情で雷門中サッカー部の選手たちを見る。
「お願いだ、雷門中のみんな! 白恋中を、フィフスセクターから解放してほしい!」
「「「「「!」」」」」
「吹雪……」
「君たちの力が必要なんだ。革命の風を起こしている、君たちの力が!」
深々と頭を下げた吹雪にみんなは驚く。そして同時に白恋中を本気で救いたいという想いが、円堂や瑞貴たち全員に伝わっていた。
「俺たち、やります! 必ず勝って白恋中を解放します!」
「ありがとう、みんな! だけど……」
神童を始め選手のみんなの表情で、吹雪は心からの感謝を述べる。しかし次いで何かを危惧しているように眉をしかめたので、それに気づいた瑞貴が尋ねる。
「まだ何かあるの? 士郎」
「うん……。今の雷門では恐らく、白恋中に勝つのは難しい。あの『絶対障壁』を破らない限り」
「絶対障壁?」
吹雪の口から出た名前に、天馬はなんなのかと不思議に思いながら呟いた。
――ミーティングルームに全員が移動して席に座ると、前にいる吹雪はモニターに表示しながら説明をする。
「絶対障壁とは、中央に選手たちを集中的に配置することで極限までディフェンス力を高めた必殺タクティクスなんだ。テレビで見せてもらったけど、君たちのアルティメットサンダーも恐らくは通用しない」
「っ……」
吹雪の言葉に剣城は顔をしかめた。アルティメットサンダーで鍵になる最後のキッカーだからこそだろう。強力なディフェンスを破る必殺タクティクスも通用しないことで、速水に焦りが生じる。
「そんなのにどうやって戦えばいいって言うんですか?」
「絶対障壁を破るためには、より強力な必殺タクティクスが必要なんだ」
「一つだけ手がある」
そう発言した鬼道が吹雪とは反対側でモニターの前に立つと、ペンの赤外線でモニターの駒を移動しながら説明する。
「絶対障壁は中央に選手を集めるから、必然的に両サイドは手薄になる。ならば、左右から攻め上がることができれば勝機はある」
「うん」
「絶対障壁を破るための、必殺タクティクスってことね!」
「だが……」
春奈が名案と言うように声を上げるが、鬼道の表情は思わしくなかったことに瑞貴と円堂は気づく。
「有人?」
「どうしたんだ?」
「絶対障壁を振り切るほどの俊足と、突破する決定力を兼ね備えた選手が、二人必要なんだ」
「それが破るための鍵ということか」
「俊足と、決定力……」
弱点は見つけても攻略する鍵の存在を吹雪も鬼道も気づくが、それが両方兼ね備えると難しい。神童も呟きながら思い当たる選手を考えようとすると――。
「「「えっ?」」」
「白恋中のコーチを外され、行方がわからなくなったと聞いていたからな」
「「「ええっ!?」」」
「…………」
鬼道から聞いた情報に他の三人は驚いた。そして吹雪も眉を下げて弱々しく笑っていたので、只事じゃないのは察する。
「何があったんだ?」
「白恋中は……――白恋中は、フィフスセクターの手に堕ちた」
「「「「「ええっ!?」」」」」
吹雪から事情を聞くために練習を中断し、ベンチに座る吹雪の周りにみんなが集まった。
「フィフスセクターのサッカーは間違っていると、僕たち白恋中も勝つことでそれを証明しようとしたんだ。だけど……」
……フィフスセクターは密かに白恋中を侵食していて、気づいたときにはほとんどのメンバーがフィフスセクターに取り込まれていた。そして吹雪は聖帝に歯向かう反乱分子として、白恋中を追放されてしまったのだ。
「だけど、白恋中にはまだフィフスセクターに取り込まれていない選手たちがいる。彼らと、そして白恋中をなんとかして救いたい」
吹雪はベンチから立ち上がると、真剣な表情で雷門中サッカー部の選手たちを見る。
「お願いだ、雷門中のみんな! 白恋中を、フィフスセクターから解放してほしい!」
「「「「「!」」」」」
「吹雪……」
「君たちの力が必要なんだ。革命の風を起こしている、君たちの力が!」
深々と頭を下げた吹雪にみんなは驚く。そして同時に白恋中を本気で救いたいという想いが、円堂や瑞貴たち全員に伝わっていた。
「俺たち、やります! 必ず勝って白恋中を解放します!」
「ありがとう、みんな! だけど……」
神童を始め選手のみんなの表情で、吹雪は心からの感謝を述べる。しかし次いで何かを危惧しているように眉をしかめたので、それに気づいた瑞貴が尋ねる。
「まだ何かあるの? 士郎」
「うん……。今の雷門では恐らく、白恋中に勝つのは難しい。あの『絶対障壁』を破らない限り」
「絶対障壁?」
吹雪の口から出た名前に、天馬はなんなのかと不思議に思いながら呟いた。
――ミーティングルームに全員が移動して席に座ると、前にいる吹雪はモニターに表示しながら説明をする。
「絶対障壁とは、中央に選手たちを集中的に配置することで極限までディフェンス力を高めた必殺タクティクスなんだ。テレビで見せてもらったけど、君たちのアルティメットサンダーも恐らくは通用しない」
「っ……」
吹雪の言葉に剣城は顔をしかめた。アルティメットサンダーで鍵になる最後のキッカーだからこそだろう。強力なディフェンスを破る必殺タクティクスも通用しないことで、速水に焦りが生じる。
「そんなのにどうやって戦えばいいって言うんですか?」
「絶対障壁を破るためには、より強力な必殺タクティクスが必要なんだ」
「一つだけ手がある」
そう発言した鬼道が吹雪とは反対側でモニターの前に立つと、ペンの赤外線でモニターの駒を移動しながら説明する。
「絶対障壁は中央に選手を集めるから、必然的に両サイドは手薄になる。ならば、左右から攻め上がることができれば勝機はある」
「うん」
「絶対障壁を破るための、必殺タクティクスってことね!」
「だが……」
春奈が名案と言うように声を上げるが、鬼道の表情は思わしくなかったことに瑞貴と円堂は気づく。
「有人?」
「どうしたんだ?」
「絶対障壁を振り切るほどの俊足と、突破する決定力を兼ね備えた選手が、二人必要なんだ」
「それが破るための鍵ということか」
「俊足と、決定力……」
弱点は見つけても攻略する鍵の存在を吹雪も鬼道も気づくが、それが両方兼ね備えると難しい。神童も呟きながら思い当たる選手を考えようとすると――。