あいつが帰ってくる!
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三国は受けた衝撃の摩擦熱でグローブが少し焦げていた。それは威力が強い証明なので、輝に向かって声を上げる。
「やるじゃないか、影山!」
「ホントですか!?」
「輝、もう一度撃ってみろ」
「えっ!? あっ、はい!」
円堂に言われて輝は了承するが、三国が軽く転がしたボールを足で止められず後方に転がってしまった。それを見た狩屋は「やーっぱ初心者じゃん」と先ほどはマグレのように言った。
それから一年生もピッチに入って練習に加わると、それを見ながら神童や蘭丸は感慨深げだった。
「いつの間にか、ずいぶん部員が増えたな」
「ああ。一時はサッカー部がなくなりかけたのに……」
「なんだか、俺たちの一年のときを見ているみたいだ」
「あいつが――『錦』がいた頃の俺たちを?」
「ああ……」
☆☆☆☆☆
翌日、大会本部から次の対戦相手の連絡が来た。瑞貴はそれを空野葵に選手のみんなへ伝えるように資料を渡すと、彼女が退出したのと同時に円堂と鬼道と春奈に体を向ける。
「次の対戦相手は白恋中か……」
「吹雪さんの母校ですね。懐かしいな~」
円堂が対戦校の名前を上げると、春奈は十年前のことを思い出した。あの頃は大会に出るのもままならなかったが、今や名門校とも言われている。……フィフスセクターのこともあるので、本当かどうかは定かではないが。
「おっ、コーチの欄の名前が『吹雪士郎』だと。久々に会えるな」
「じゃあ、士郎の教え子と戦えるってわけだね」
かつてのイナズマジャパンの一員・吹雪士郎。FWやDF共に高い実力を持ち、『雪原の王子(プリンス)』とも呼ばれている瑞貴たちの親友である。日本プロリーグの選手だが、今はプロから離れて白恋中のコーチをしているようだ。
「楽しい試合になるといいですね! 瑞貴先輩!」
「うん!」
「よし。それじゃあ今日から対白恋戦に向けて練習だな」
盛り上がる三人は気づかなかった。……鬼道が吹雪の名前を見て、何か思うように眉をしかめていることを。
――葵からの伝達も聞いていたので、選手たちもグラウンドでさっそく練習に入った。
「みんなー! がんばってくださいねー!」
二チームに分かれて実戦的な練習により、人数の都合で輝もベンチで見学することになった。
ドリブルする天馬は前線へ向かって走っている倉間にパスを出す。
「倉間先輩!」
「っ!」
「撃たせないド!」
天馬のパスを受け取った倉間だが、天城が持ち前の巨体を生かしてコースを塞いできた。しかし倉間はボールを軽く上げて突破するとシュートを撃つ。
「負けるかよ! でらあ!」
しかしムリな状況でシュートを撃ったせいか、ボールはゴールから大きく逸れて土手の上にいる男性に向かって行く。
「危ない!」
天馬が声を上げるも……――なんと彼は軽くジャンプして優雅にトラップする。威力のなくなったボールは地面からバウンドすると、男性の手に治まった。
「うん。気持ちの込もった、いいシュートだったね」
「――吹雪?」
謎の男性に部員たちは不思議に思ったが、円堂の言葉に全員が振り向くと大人たちが驚いた顔をしていた。
「吹雪じゃないか!」
「士郎!」
「久しぶりだね、みんな」
「「「ああ/うん/はい!」」」
「吹雪……って! ええっ!?」
「この人が、吹雪士郎さん!?」
男性――吹雪士郎が微笑むと、円堂と瑞貴と春奈は嬉しそうに頷いた。そして天馬や葵たちはミーティングのときに話題になった彼が目の前に現れて驚く。
「やるじゃないか、影山!」
「ホントですか!?」
「輝、もう一度撃ってみろ」
「えっ!? あっ、はい!」
円堂に言われて輝は了承するが、三国が軽く転がしたボールを足で止められず後方に転がってしまった。それを見た狩屋は「やーっぱ初心者じゃん」と先ほどはマグレのように言った。
それから一年生もピッチに入って練習に加わると、それを見ながら神童や蘭丸は感慨深げだった。
「いつの間にか、ずいぶん部員が増えたな」
「ああ。一時はサッカー部がなくなりかけたのに……」
「なんだか、俺たちの一年のときを見ているみたいだ」
「あいつが――『錦』がいた頃の俺たちを?」
「ああ……」
☆☆☆☆☆
翌日、大会本部から次の対戦相手の連絡が来た。瑞貴はそれを空野葵に選手のみんなへ伝えるように資料を渡すと、彼女が退出したのと同時に円堂と鬼道と春奈に体を向ける。
「次の対戦相手は白恋中か……」
「吹雪さんの母校ですね。懐かしいな~」
円堂が対戦校の名前を上げると、春奈は十年前のことを思い出した。あの頃は大会に出るのもままならなかったが、今や名門校とも言われている。……フィフスセクターのこともあるので、本当かどうかは定かではないが。
「おっ、コーチの欄の名前が『吹雪士郎』だと。久々に会えるな」
「じゃあ、士郎の教え子と戦えるってわけだね」
かつてのイナズマジャパンの一員・吹雪士郎。FWやDF共に高い実力を持ち、『雪原の王子(プリンス)』とも呼ばれている瑞貴たちの親友である。日本プロリーグの選手だが、今はプロから離れて白恋中のコーチをしているようだ。
「楽しい試合になるといいですね! 瑞貴先輩!」
「うん!」
「よし。それじゃあ今日から対白恋戦に向けて練習だな」
盛り上がる三人は気づかなかった。……鬼道が吹雪の名前を見て、何か思うように眉をしかめていることを。
――葵からの伝達も聞いていたので、選手たちもグラウンドでさっそく練習に入った。
「みんなー! がんばってくださいねー!」
二チームに分かれて実戦的な練習により、人数の都合で輝もベンチで見学することになった。
ドリブルする天馬は前線へ向かって走っている倉間にパスを出す。
「倉間先輩!」
「っ!」
「撃たせないド!」
天馬のパスを受け取った倉間だが、天城が持ち前の巨体を生かしてコースを塞いできた。しかし倉間はボールを軽く上げて突破するとシュートを撃つ。
「負けるかよ! でらあ!」
しかしムリな状況でシュートを撃ったせいか、ボールはゴールから大きく逸れて土手の上にいる男性に向かって行く。
「危ない!」
天馬が声を上げるも……――なんと彼は軽くジャンプして優雅にトラップする。威力のなくなったボールは地面からバウンドすると、男性の手に治まった。
「うん。気持ちの込もった、いいシュートだったね」
「――吹雪?」
謎の男性に部員たちは不思議に思ったが、円堂の言葉に全員が振り向くと大人たちが驚いた顔をしていた。
「吹雪じゃないか!」
「士郎!」
「久しぶりだね、みんな」
「「「ああ/うん/はい!」」」
「吹雪……って! ええっ!?」
「この人が、吹雪士郎さん!?」
男性――吹雪士郎が微笑むと、円堂と瑞貴と春奈は嬉しそうに頷いた。そして天馬や葵たちはミーティングのときに話題になった彼が目の前に現れて驚く。