キャプテンの資格
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「オウッ、おはよう! 来たな!」
「おはよう、みんな!」
円堂も瑞貴も集まって来て嬉しく思った。しかし人数が足りないと天馬は思って周りを見渡すと尋ねる。
「あれ……キャプテンは?」
「「「「「…………」」」」」
その問いに誰も答えることなく顔をうつむけたり眉を下げていた。神童拓人はまだ栄都戦のことを引き摺っているのだろう。そして倉間典人も剣城京介も来ていない。
パンッ!
空気を切り替えるように円堂が両手を叩くと、ポスターに手を当ててみんなに言う。
「みんな、ホーリーロード地区予選はもうすぐだぞ! 朝練開始だ!」
「「「「「はい!」」」」」
――それから瀬戸水鳥も山菜茜もやって来て、全員で外のグラウンドで練習を始めた。まずはウォーミングアップとしてペアでパスしたりドリブルの練習をしていく。
「あっ」
茜がふと見上げた先は、階段の上にいるユニフォーム姿の神童だ。
「神さま登場……!」
パシャパシャパシャパシャ!
「茜、早っ!?」
憧れの人が登場して茜はカメラを連写すると、普段おっとりしているのとは反対の素早さに水鳥も驚いた。
「キャプテン!」
「「「「「!」」」」」
「守」
「おっ」
その会話が聞こえたのか天馬が神童を見つけて声を上げると他のメンバーも気づき、瑞貴も円堂を呼んで顔を見上げると笑った。
天馬は嬉しそうに階段ではなく土手を使って登るが、神童は天馬が近づくと背を向けて歩き出した。しかもグラウンドではなく校舎のほうへ。
「っ、おはようございます!」
「…………」
「!」
避けられたと天馬は思ったがしっかりお辞儀をして挨拶する。しかし神童から返って来たのは挨拶ではなく、自分を強い目で睨みつける視線だけだった。
その様子はグラウンドにいる全員にも見えており、速水は眼鏡を上げながら呟く。
「神童くん、やめるんでしょうかね?」
その言葉に肯定も否定も返って来なかった。
☆☆☆☆☆
朝練が終わったあと円堂は予定通り理事長室に向かった。中には金山郷造と冬海卓がいる。
「フィフスセクターからの指示を伝えます。今年のホーリーロード、我が雷門は地区予選一回戦・2対0で――敗退です」
「うちは0点ですか……」
「フィフスセクターの決定は絶対ですよ」
「そうですか……。失礼します」
冬海からも釘を刺されたが、用件は終わりだろうと円堂は礼をして理事長室から出ようとすると――。
「ああ、待ちなさい」
「?」
金山が急に呼び止めたので円堂は不思議に思い足を止めて振り向いた。すると金山も冬海も先ほどと違ってニヤニヤしている。
「書類によると、君と井上コーチは夫婦だそうですね」
「それが何か?」
「フィフスセクターの決定ですから就任は認めます。ですが、校内でふしだらな行動を見つけたら――」
「俺も瑞貴も仕事と私情は別物だと決めています。もちろん――彼女に何かしようなどと思わないでください」
「「!」」
「では、失礼します」
円堂はもう一度礼をして今度こそ出て行った。しかし金山と冬海は、先ほど円堂が目を細めてとてつもないオーラを出した姿が忘れられず、しばらく冷や汗を流した。釘を刺すつもりが逆に刺されてしまったのである。
円堂が理事長室から出ると、廊下には瑞貴と春奈がいた。
「やっぱりホーリーロードの件だった?」
「ああ。負けだそうだ」
「えっ!?」
「みんなに知らせるつもりはない」
ニカッと円堂はイタズラっ子のようにウィンクした。
「おはよう、みんな!」
円堂も瑞貴も集まって来て嬉しく思った。しかし人数が足りないと天馬は思って周りを見渡すと尋ねる。
「あれ……キャプテンは?」
「「「「「…………」」」」」
その問いに誰も答えることなく顔をうつむけたり眉を下げていた。神童拓人はまだ栄都戦のことを引き摺っているのだろう。そして倉間典人も剣城京介も来ていない。
パンッ!
空気を切り替えるように円堂が両手を叩くと、ポスターに手を当ててみんなに言う。
「みんな、ホーリーロード地区予選はもうすぐだぞ! 朝練開始だ!」
「「「「「はい!」」」」」
――それから瀬戸水鳥も山菜茜もやって来て、全員で外のグラウンドで練習を始めた。まずはウォーミングアップとしてペアでパスしたりドリブルの練習をしていく。
「あっ」
茜がふと見上げた先は、階段の上にいるユニフォーム姿の神童だ。
「神さま登場……!」
パシャパシャパシャパシャ!
「茜、早っ!?」
憧れの人が登場して茜はカメラを連写すると、普段おっとりしているのとは反対の素早さに水鳥も驚いた。
「キャプテン!」
「「「「「!」」」」」
「守」
「おっ」
その会話が聞こえたのか天馬が神童を見つけて声を上げると他のメンバーも気づき、瑞貴も円堂を呼んで顔を見上げると笑った。
天馬は嬉しそうに階段ではなく土手を使って登るが、神童は天馬が近づくと背を向けて歩き出した。しかもグラウンドではなく校舎のほうへ。
「っ、おはようございます!」
「…………」
「!」
避けられたと天馬は思ったがしっかりお辞儀をして挨拶する。しかし神童から返って来たのは挨拶ではなく、自分を強い目で睨みつける視線だけだった。
その様子はグラウンドにいる全員にも見えており、速水は眼鏡を上げながら呟く。
「神童くん、やめるんでしょうかね?」
その言葉に肯定も否定も返って来なかった。
☆☆☆☆☆
朝練が終わったあと円堂は予定通り理事長室に向かった。中には金山郷造と冬海卓がいる。
「フィフスセクターからの指示を伝えます。今年のホーリーロード、我が雷門は地区予選一回戦・2対0で――敗退です」
「うちは0点ですか……」
「フィフスセクターの決定は絶対ですよ」
「そうですか……。失礼します」
冬海からも釘を刺されたが、用件は終わりだろうと円堂は礼をして理事長室から出ようとすると――。
「ああ、待ちなさい」
「?」
金山が急に呼び止めたので円堂は不思議に思い足を止めて振り向いた。すると金山も冬海も先ほどと違ってニヤニヤしている。
「書類によると、君と井上コーチは夫婦だそうですね」
「それが何か?」
「フィフスセクターの決定ですから就任は認めます。ですが、校内でふしだらな行動を見つけたら――」
「俺も瑞貴も仕事と私情は別物だと決めています。もちろん――彼女に何かしようなどと思わないでください」
「「!」」
「では、失礼します」
円堂はもう一度礼をして今度こそ出て行った。しかし金山と冬海は、先ほど円堂が目を細めてとてつもないオーラを出した姿が忘れられず、しばらく冷や汗を流した。釘を刺すつもりが逆に刺されてしまったのである。
円堂が理事長室から出ると、廊下には瑞貴と春奈がいた。
「やっぱりホーリーロードの件だった?」
「ああ。負けだそうだ」
「えっ!?」
「みんなに知らせるつもりはない」
ニカッと円堂はイタズラっ子のようにウィンクした。