キャプテンの資格
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雷門中サッカー部に円堂守が監督に、円堂瑞貴がコーチに就任した翌日。管理サッカーに支配されつつある雷門中サッカー部を変えるには課題が山積みだ。それに大人の自分たちが全てを変えるのではなく、現世代の選手たちが現状を変えようという気持ちと行動がなければならない。
今日の練習メニューのチェックを終えた瑞貴がボードや資料を準備すると、円堂が丸めた大きな紙を持っていたことに気づいた。
「それは?」
「ホーリーロードのポスターだ。部室の控え室に貼っておこうと思ってな」
「部室にポスターかぁ……懐かしいね」
当時の自分たちの部室にも中学サッカー日本一を決める大会のポスターが貼ってあった。母校に戻ってきたせいもあるのか懐かしいと思うことがいっぱいある。
「そうそう、さっき春奈ちゃんから連絡もらったんだけど、朝練が終わったあとに理事長室へ来てほしいって」
「わかった。きっとホーリーロード地区予選のことだな」
「向こうはどんな指示を出してくるのやら……」
「勝ちにしろ、負けにしろ、俺は本当のサッカーをあいつらにやってほしい」
「フフッ、そうだね。得点も勝敗も関係ないね」
二人はロッカールームに入ると中には顧問の音無春奈の他に、松風天馬と西園信助と空野葵がいた。
「おおっ! おはよう!」
「おはよう、みんな。早いね」
「「「おはようございます!」」」
元気よく挨拶する一年の三人組。しかし他の学年のメンバーが見当たらないことに瑞貴も円堂も気づく。
「ずいぶん少ないね……」
「お前たちだけか?」
「はい……」
「昨日、みんな河川敷に来てくれたのにね……」
「みんなじゃないけど……」
「うん……。キャプテンとか来なかったしね……」
天馬と葵と信助は、昨日行った円堂と瑞貴が初めて指示した河川敷の特訓を思い出していた。
最初に来た天馬と信助がそれぞれ練習し、集まったメンバーでシュートを一本撃って終了した。この特訓の真意は『本気のサッカーをしたいという仲間の顔』を見せるためだったが、効果はあまりないように見える。
「なーに。すぐに集まるよ」
「もともと時間的にも天馬たちが早く着いてたしね」
円堂がポスターを貼りながら言うと、瑞貴は天馬たちに向かって苦笑した。
そして貼り終えたポスターにはホーリーロードスタジアムを舞台に、上に『HOLY ROAD』と表示され左端に並ぶのはフィフスセクターの旗が、右端には旗に忠誠を誓う少年たちが並んでいる。
「ホーリーロード……」
「俺たちがお前たちの歳の頃は、『フットボールフロンティア』という大会だった」
「大会の名前も変わっちゃったけどね……」
天馬たちもポスターを見に来ると円堂と瑞貴はそう言った。変わったのは大会の名前だけではないが……。
ガラッ。
「おはようございます」
「はざーっす」
扉が開くと三国太一と浜野海士を始め、次々と先輩組が入って来た。その姿に天馬たちは嬉しそうに声を上げる。
「先輩!」
「「おはようございます!」」
「よかったね、天馬」
「うん!」
天馬と信助はお辞儀して元気に挨拶した。一時は来ないかと思っていたが、少しでも来てくれて葵が言うと天馬は嬉しそうに頷いた。そして葵も続けて挨拶する。
「おはようございます!」
「「「「おはよう!」」」」
「早いじゃん、一年!」
天城大地も霧野蘭丸も速水鶴正も返し、車田剛一は早く着いた一年組に感心する。……ただ一人、南沢篤志だけは黙って入って言葉も交わさなかった。
今日の練習メニューのチェックを終えた瑞貴がボードや資料を準備すると、円堂が丸めた大きな紙を持っていたことに気づいた。
「それは?」
「ホーリーロードのポスターだ。部室の控え室に貼っておこうと思ってな」
「部室にポスターかぁ……懐かしいね」
当時の自分たちの部室にも中学サッカー日本一を決める大会のポスターが貼ってあった。母校に戻ってきたせいもあるのか懐かしいと思うことがいっぱいある。
「そうそう、さっき春奈ちゃんから連絡もらったんだけど、朝練が終わったあとに理事長室へ来てほしいって」
「わかった。きっとホーリーロード地区予選のことだな」
「向こうはどんな指示を出してくるのやら……」
「勝ちにしろ、負けにしろ、俺は本当のサッカーをあいつらにやってほしい」
「フフッ、そうだね。得点も勝敗も関係ないね」
二人はロッカールームに入ると中には顧問の音無春奈の他に、松風天馬と西園信助と空野葵がいた。
「おおっ! おはよう!」
「おはよう、みんな。早いね」
「「「おはようございます!」」」
元気よく挨拶する一年の三人組。しかし他の学年のメンバーが見当たらないことに瑞貴も円堂も気づく。
「ずいぶん少ないね……」
「お前たちだけか?」
「はい……」
「昨日、みんな河川敷に来てくれたのにね……」
「みんなじゃないけど……」
「うん……。キャプテンとか来なかったしね……」
天馬と葵と信助は、昨日行った円堂と瑞貴が初めて指示した河川敷の特訓を思い出していた。
最初に来た天馬と信助がそれぞれ練習し、集まったメンバーでシュートを一本撃って終了した。この特訓の真意は『本気のサッカーをしたいという仲間の顔』を見せるためだったが、効果はあまりないように見える。
「なーに。すぐに集まるよ」
「もともと時間的にも天馬たちが早く着いてたしね」
円堂がポスターを貼りながら言うと、瑞貴は天馬たちに向かって苦笑した。
そして貼り終えたポスターにはホーリーロードスタジアムを舞台に、上に『HOLY ROAD』と表示され左端に並ぶのはフィフスセクターの旗が、右端には旗に忠誠を誓う少年たちが並んでいる。
「ホーリーロード……」
「俺たちがお前たちの歳の頃は、『フットボールフロンティア』という大会だった」
「大会の名前も変わっちゃったけどね……」
天馬たちもポスターを見に来ると円堂と瑞貴はそう言った。変わったのは大会の名前だけではないが……。
ガラッ。
「おはようございます」
「はざーっす」
扉が開くと三国太一と浜野海士を始め、次々と先輩組が入って来た。その姿に天馬たちは嬉しそうに声を上げる。
「先輩!」
「「おはようございます!」」
「よかったね、天馬」
「うん!」
天馬と信助はお辞儀して元気に挨拶した。一時は来ないかと思っていたが、少しでも来てくれて葵が言うと天馬は嬉しそうに頷いた。そして葵も続けて挨拶する。
「おはようございます!」
「「「「おはよう!」」」」
「早いじゃん、一年!」
天城大地も霧野蘭丸も速水鶴正も返し、車田剛一は早く着いた一年組に感心する。……ただ一人、南沢篤志だけは黙って入って言葉も交わさなかった。