集え! 革命の旗に!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
☆☆☆☆☆
ユニフォームに着替えてグラウンドへ入場する雷門中サッカー部。スタジアムは観客席が満員になっており、実況の角間王将も準備万端のようだ。
《雷門対月山国光! 試合会場は――サイクロンスタジアムだ!!》
「なんでしょう……?」
「空調……にしちゃ、デカ過ぎるな」
「ちゅーか、巨大扇風機?」
速水や倉間や浜野が注目するのは、天井と四方に設置してある巨大な扇風機だ。
《円堂監督率いる雷門中! そして近藤監督率いる月山国光! いよいよ試合開始だ――っ!!》
「月山国光……」
「一糸乱れぬフォーメーションチェンジが決め手のチームだ。監督の近藤啓二は『策士』として知られている」
「そしてそれに応える選手たちも、相当な訓練をされてきたんだね」
「フッフッフッフッ。このサイクロンスタジアムの恐ろしさを知ったとき――雷門中は崩壊する」
円堂と鬼道と瑞貴が警戒するとき、近藤は変わらずに不敵に笑っていた。まるで秘策があるかのように――。
――両チームがポジションに着き、審判のホイッスルが鳴り響く。先攻は雷門中からだ。
剣城からボールを受け取った倉間がドリブルすると、近藤とアイコンタクトを取った兵頭は早速指示を出す。
「壱の構え!」
「「「「「はっ!」」」」」
兵頭の指示で他の選手が動き始めたが……なんとゴール前がガラ空きにして、選手たちは両脇に立っているのだ。何を仕掛けてくるのかと倉間も剣城も思わず止まって周りを見る。
天馬だけでなく葵も水鳥も茜も、月山国光のフォーメーションに戸惑っていた。
「これは……!」
「真ん中がガラ空き?」
「どうして……?」
「隙だらけじゃねぇか」
「敢えて中央を開ける……そんなフォーメーション、あったかな?」
「罠じゃないといいけど……」
青山や一乃は何か狙いがあるのではと警戒している。
「いくぞ!」
しかし動かないと始まらないため、神童が合図を出して天馬も続いて上がって行く。……その際に甲斐信武を始め、月山国光の選手が笑っていたことに気づかなかった。
「これが月山国光、不動の陣……」
「そろそろだな」
「備えよ!」
近藤がタブレットを見て再びアイコンタクトを取ると、兵頭の合図にフィールド選手は片膝を着いた。
「何が起きる……?」
ゴオオォ――……。
「風?」
鬼道が眉を寄せる中、瑞貴は屋根も覆われた室内で風が吹き始めたことに気づいた。見れば巨大扇風機が回り出して竜巻を作り出したのだ。
さらに竜巻はドリブルする倉間のうしろから追ってきている。近藤はタブレットで両チームの選手の位置も竜巻も、しっかり把握しているのだ。
「なんだ!? ぐっ……うわあっ!」
「倉間先輩!」
飲み込まれて吹っ飛ばされた倉間に天馬は声を上げた。
「竜巻!?」
「マジかよ!」
「倉間!」
《竜巻が倉間を巻き込んだ――っ!! 恐るべし、サイクロンスタジアム!!》
まさかの竜巻の出現に葵も水鳥も驚き、円堂も珍しく声を上げた。