集え! 革命の旗に!!
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「どんなフィールドで戦うことになるか……」
「まさにルーレットというわけか」
「フィールドによって監督やコーチの采配も試されるんだよね。私までドキドキしてきたよ~」
「私がギュッと抱きついて緊張を止めましょう!」
「いや、教え子の前だからよそうね。つか、しているし……」
止める前に春奈はすでに瑞貴に抱きついていた。しかも部員たちはいつものことと認識しているのか、ホーリーライナーへ乗り込み始めている。
「ワクワクするね!」
「うん! あっ……」
信助と楽しみにしている天馬は、ガラス張りの壁の向かい側で乗り込んで来たチームに気づく。彼らが雷門中サッカー部の初戦の相手――月山国光サッカー部なのだ。
しかしその中で、見覚えのある――いや、よく知る選手がいたことに三国や天馬たちは気づいた。
「南沢!?」
「ええっ!?」
元雷門中サッカー部の南沢篤志だったのだ。彼は退部したあと転校したと聞いていたが、まさか月山国光だと誰も思わなかった。
「南沢さん!」
「どうしてお前が、月山国光に!?」
神童や三国が驚きの声を上げても、南沢はフッと笑うだけだった。
――ホーリーライナーが目的のスタジアムがある駅に到着し、両チームはそれぞれのホームへ降りた。ホーリーライナーが去れば線路越しに再び対面することになる。
「貴殿らが雷門か」
「…………」
月山国光の監督・近藤啓二が一瞥すると、円堂は微笑んで一礼をした。
大人同士が向かい合っても、雷門中にとって一番気がかりなのは南沢の存在である。さっそく神童が声をかけた。
「南沢さん……雷門と戦うと知って、月山国光に入ったんですか?」
「お前たちに現実ってものを教えてやろうと思ってな」
ハッキリとは言わなかったが『対立する』と言う意味で答えたと、同じ三年である三国も車田も天城もわかって声を上げる。
「お前……!」
「何考えてんだ!」
「訳わからないド!」
「大きな流れに逆らって叩き潰される……雷門も哀れなモンだ」
「貴様!」
「許さないド!」
「――やめい!」
「「!」」
肩をすくめる南沢に車田や天城が突っかかると、静止の声が上げられた。それは雷門ではなく月山国光からだ。
「なんだお前は?」
「兵頭司……月山国光のキャプテンを務めている。南沢は素晴らしいサッカーセンスを持っている、その才能は月山国光――そしてフィフスセクターのサッカーをさらに実りあるものとするだろう」
「それは、俺たちのサッカーということか!」
「どっちが正しいかは明らかだがな」
「クッ……!」
当時の自分たちもそうだが、南沢は天馬の求める『本当のサッカー』に反対していた。フィフスセクターに逆らって将来をムダにすることを嫌っていたことを、三国たちもよく知っている。
「ゆくぞ、南沢」
「お互い、ベストを尽くそうぜ。――……っ」
「?」
兵頭司に肩に手を置かれた南沢は、雷門中にそう言って移動する月山国光に着いて行く。その際に瑞貴を一瞬だけ一瞥したので、視線に気づいた瑞貴は目をパチクリするだけだった。
月山国光が完全に去って行くと、車田と天城は歯を食いしばり、三国は顔をしかめてていた。その様子に天馬も神童も心配する。
「「っ……!」」
「三国先輩たち、大丈夫でしょうか?」
「南沢さんとは、ずっと一緒だったからな……」
部活が同じだけでなく学年も同じで、しかも敵対するとなれば心中穏やかではないだろう。しかし倉間典人は後頭部に両手を組んでニヤリと笑っている。
「フンッ。南沢さんのスタイルならわかってるし、むしろやりやすいさ」
「あっ、でも!」
「「――ベストを尽くせ!」」
「「「「「!」」」」」
三年組の気持ちを察して天馬が止めようとすると、円堂と瑞貴から声がかかって天馬たちは振り向いた。
「円堂監督……瑞貴さん……」
「思想が違えばどちらが正しいか自分しかわからない。だからこそぶつかり合って答えを出すの」
「そして、南沢にもわかってもらうんだ。俺たちのサッカーを!」
「「「「「はい!」」」」」
心得たと言わんばかりの選手たちの返事に、円堂も瑞貴も満足して笑った。
「よし、行くぞ!」
「まさにルーレットというわけか」
「フィールドによって監督やコーチの采配も試されるんだよね。私までドキドキしてきたよ~」
「私がギュッと抱きついて緊張を止めましょう!」
「いや、教え子の前だからよそうね。つか、しているし……」
止める前に春奈はすでに瑞貴に抱きついていた。しかも部員たちはいつものことと認識しているのか、ホーリーライナーへ乗り込み始めている。
「ワクワクするね!」
「うん! あっ……」
信助と楽しみにしている天馬は、ガラス張りの壁の向かい側で乗り込んで来たチームに気づく。彼らが雷門中サッカー部の初戦の相手――月山国光サッカー部なのだ。
しかしその中で、見覚えのある――いや、よく知る選手がいたことに三国や天馬たちは気づいた。
「南沢!?」
「ええっ!?」
元雷門中サッカー部の南沢篤志だったのだ。彼は退部したあと転校したと聞いていたが、まさか月山国光だと誰も思わなかった。
「南沢さん!」
「どうしてお前が、月山国光に!?」
神童や三国が驚きの声を上げても、南沢はフッと笑うだけだった。
――ホーリーライナーが目的のスタジアムがある駅に到着し、両チームはそれぞれのホームへ降りた。ホーリーライナーが去れば線路越しに再び対面することになる。
「貴殿らが雷門か」
「…………」
月山国光の監督・近藤啓二が一瞥すると、円堂は微笑んで一礼をした。
大人同士が向かい合っても、雷門中にとって一番気がかりなのは南沢の存在である。さっそく神童が声をかけた。
「南沢さん……雷門と戦うと知って、月山国光に入ったんですか?」
「お前たちに現実ってものを教えてやろうと思ってな」
ハッキリとは言わなかったが『対立する』と言う意味で答えたと、同じ三年である三国も車田も天城もわかって声を上げる。
「お前……!」
「何考えてんだ!」
「訳わからないド!」
「大きな流れに逆らって叩き潰される……雷門も哀れなモンだ」
「貴様!」
「許さないド!」
「――やめい!」
「「!」」
肩をすくめる南沢に車田や天城が突っかかると、静止の声が上げられた。それは雷門ではなく月山国光からだ。
「なんだお前は?」
「兵頭司……月山国光のキャプテンを務めている。南沢は素晴らしいサッカーセンスを持っている、その才能は月山国光――そしてフィフスセクターのサッカーをさらに実りあるものとするだろう」
「それは、俺たちのサッカーということか!」
「どっちが正しいかは明らかだがな」
「クッ……!」
当時の自分たちもそうだが、南沢は天馬の求める『本当のサッカー』に反対していた。フィフスセクターに逆らって将来をムダにすることを嫌っていたことを、三国たちもよく知っている。
「ゆくぞ、南沢」
「お互い、ベストを尽くそうぜ。――……っ」
「?」
兵頭司に肩に手を置かれた南沢は、雷門中にそう言って移動する月山国光に着いて行く。その際に瑞貴を一瞬だけ一瞥したので、視線に気づいた瑞貴は目をパチクリするだけだった。
月山国光が完全に去って行くと、車田と天城は歯を食いしばり、三国は顔をしかめてていた。その様子に天馬も神童も心配する。
「「っ……!」」
「三国先輩たち、大丈夫でしょうか?」
「南沢さんとは、ずっと一緒だったからな……」
部活が同じだけでなく学年も同じで、しかも敵対するとなれば心中穏やかではないだろう。しかし倉間典人は後頭部に両手を組んでニヤリと笑っている。
「フンッ。南沢さんのスタイルならわかってるし、むしろやりやすいさ」
「あっ、でも!」
「「――ベストを尽くせ!」」
「「「「「!」」」」」
三年組の気持ちを察して天馬が止めようとすると、円堂と瑞貴から声がかかって天馬たちは振り向いた。
「円堂監督……瑞貴さん……」
「思想が違えばどちらが正しいか自分しかわからない。だからこそぶつかり合って答えを出すの」
「そして、南沢にもわかってもらうんだ。俺たちのサッカーを!」
「「「「「はい!」」」」」
心得たと言わんばかりの選手たちの返事に、円堂も瑞貴も満足して笑った。
「よし、行くぞ!」