荒れ狂う海王の牙!
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「速水くんがサッカーを好きな気持ちは本物だってわかるよ。でも彼は周りに流されるままで、自分の意思で戦おうとしても周りが大きくなれば不安も大きくなっている」
「確かに最初はみんな怖がっていたもんな。だけど勝ち続けることで勇気も出て前向きになっていたが……やはり全員というには難しいか」
「それとね、私も一つだけ不満があるの」
「えっ?」
瑞貴は肘を立てて両手を組むと、その手の上に顎を載せて真剣な表情で言う。
「レジスタンスに会って話を聞く内に、私はこう思ったんだ。――『大人たちの勝手な都合で、子供たちを巻き込んでいる』ってね」
「!」
「フィフスセクターを作ったのも大人、レジスタンスを作ったのも大人……子供たちはただ巻き込まれていく。もちろん天馬たちのように自分の意思でやるというけど、根本的なことは違うでしょ」
エイリア学園も創始者を慕う子供たちが様々な事件を起こした。本来なら警察など大人たちがなんとかしないといけないのに、年端もいかない子供たち――すなわち自分たちが戦うことになった。
今の世の中は自分たちが世界一になったことでサッカーブームが起こった。それがいつの間にかサッカーが立場も地位も決める道具になってしまい、廃校などを阻止するために勝敗を管理しようとフィフスセクターが生まれたのだ。
「本当なら、サッカーブームを起こした私たちイナズマジャパンがなんとかしないといけないことなのに、雷門に前線を託してしまった。だからこそ速水くんは怖がっている」
瑞貴は白い紙を取り出し、ペンで一本の線を引くと先端に『革命』と書いた。そして線の横からいくつも書いて円堂に見せる。
「たくさんある情報の中で天馬たちは『革命』というルートしか見えていない。前向きで余所見をせず突き進むという点ではいいことだよ。でも速水くんは他のルートも全て見て『ムリ』という結論に至ったの」
「確かに、それはごく自然なことだな。鬼道だってゲームメイクするときは『あらゆる局面を予想して指示を出す』と言ってた。あいつらはまだ子供だ、不安だってある」
「うん。たぶん、あと一歩なんだ。速水くんがみんなに続いて一本のルートに進むのは。だからこそ、天馬たちが手を取って引っ張って、私たち大人が他のルートを防がなくてはならない『気にせず前に行け』ってね」
横に引いていた線を次々とバツ印を書く瑞貴。それを見た円堂が苦笑したので瑞貴は顔を上げた。
「どうしたの?」
「いや、瑞貴が相棒で本当によかったなって」
「えっ?」
何を今更というように瑞貴は目をパチクリすると、円堂は昔を懐かしむように優しく微笑む。
「俺はいつも前しか見えない……他のことを考えたことなんてなかった。もちろん考えたときは不安で仕方なくて、どうすればいいって立ち止まってしまった。そうなったときは……いつも瑞貴が手を引いて支えてくれた」
「守……」
「今回の監督だって俺もフィールドで戦えないことに負い目を感じていた。うしろに立って構えるのはGKとは違って不安もある。一人で……いや、瑞貴と二人であいつらを支えられる土台になれるのかなって。他のことを考える余裕もあまりなかった」
円堂が机の上に目にしている資料には、これだけでも充分にわかるほど詳しく書かれているのに、瑞貴が赤線を引いたりポイントを加えて書いている。おかげでさらに読みやすくて考えることもできた。
「ありがとな、瑞貴。お前がいてくれてスゴく助かっている」
「私は真っ直ぐ見ることができないだけだよ。速水くんのように他のことも見てしまうし、守がいなかったら不安に押し潰される。自分にないモノを仲間が補い、仲間にないモノを自分が補う。そうやってできるも絆もあるってこと」
「そうだな。じゃあ俺たちは、尚更あいつらが安心して戦えるようがんばらないと」
「うん!」
「確かに最初はみんな怖がっていたもんな。だけど勝ち続けることで勇気も出て前向きになっていたが……やはり全員というには難しいか」
「それとね、私も一つだけ不満があるの」
「えっ?」
瑞貴は肘を立てて両手を組むと、その手の上に顎を載せて真剣な表情で言う。
「レジスタンスに会って話を聞く内に、私はこう思ったんだ。――『大人たちの勝手な都合で、子供たちを巻き込んでいる』ってね」
「!」
「フィフスセクターを作ったのも大人、レジスタンスを作ったのも大人……子供たちはただ巻き込まれていく。もちろん天馬たちのように自分の意思でやるというけど、根本的なことは違うでしょ」
エイリア学園も創始者を慕う子供たちが様々な事件を起こした。本来なら警察など大人たちがなんとかしないといけないのに、年端もいかない子供たち――すなわち自分たちが戦うことになった。
今の世の中は自分たちが世界一になったことでサッカーブームが起こった。それがいつの間にかサッカーが立場も地位も決める道具になってしまい、廃校などを阻止するために勝敗を管理しようとフィフスセクターが生まれたのだ。
「本当なら、サッカーブームを起こした私たちイナズマジャパンがなんとかしないといけないことなのに、雷門に前線を託してしまった。だからこそ速水くんは怖がっている」
瑞貴は白い紙を取り出し、ペンで一本の線を引くと先端に『革命』と書いた。そして線の横からいくつも書いて円堂に見せる。
「たくさんある情報の中で天馬たちは『革命』というルートしか見えていない。前向きで余所見をせず突き進むという点ではいいことだよ。でも速水くんは他のルートも全て見て『ムリ』という結論に至ったの」
「確かに、それはごく自然なことだな。鬼道だってゲームメイクするときは『あらゆる局面を予想して指示を出す』と言ってた。あいつらはまだ子供だ、不安だってある」
「うん。たぶん、あと一歩なんだ。速水くんがみんなに続いて一本のルートに進むのは。だからこそ、天馬たちが手を取って引っ張って、私たち大人が他のルートを防がなくてはならない『気にせず前に行け』ってね」
横に引いていた線を次々とバツ印を書く瑞貴。それを見た円堂が苦笑したので瑞貴は顔を上げた。
「どうしたの?」
「いや、瑞貴が相棒で本当によかったなって」
「えっ?」
何を今更というように瑞貴は目をパチクリすると、円堂は昔を懐かしむように優しく微笑む。
「俺はいつも前しか見えない……他のことを考えたことなんてなかった。もちろん考えたときは不安で仕方なくて、どうすればいいって立ち止まってしまった。そうなったときは……いつも瑞貴が手を引いて支えてくれた」
「守……」
「今回の監督だって俺もフィールドで戦えないことに負い目を感じていた。うしろに立って構えるのはGKとは違って不安もある。一人で……いや、瑞貴と二人であいつらを支えられる土台になれるのかなって。他のことを考える余裕もあまりなかった」
円堂が机の上に目にしている資料には、これだけでも充分にわかるほど詳しく書かれているのに、瑞貴が赤線を引いたりポイントを加えて書いている。おかげでさらに読みやすくて考えることもできた。
「ありがとな、瑞貴。お前がいてくれてスゴく助かっている」
「私は真っ直ぐ見ることができないだけだよ。速水くんのように他のことも見てしまうし、守がいなかったら不安に押し潰される。自分にないモノを仲間が補い、仲間にないモノを自分が補う。そうやってできるも絆もあるってこと」
「そうだな。じゃあ俺たちは、尚更あいつらが安心して戦えるようがんばらないと」
「うん!」