「世宇子中のゴールを破るには、きっと円堂センパイの力が必要なんです!!　ゴールはみんなできっと守ってみせますから……!!　さあ!!」

「!!」


栗松も、影野も、壁山も、誰一人引き止めずに強く頷いている。


「よーし、わかった……!!　頼んだぞ、みんな!!!」

｢｢｢｢オウッ!!｣｣｣｣


円堂がゴールを離れて上がったことに、世宇子は驚きを隠せない。逆に松野と目金は歓声を上げる。


「おおー！　これはもしや……」

「イナズマ１号か!?」

「……いや、瑞貴の動きは攻めよりサポートに入っている。こ…これは……豪炎寺、円堂、鬼道の三人でシュートを撃つつもりだ!!」

｢｢｢ええ!?｣｣｣

「そうか！　あの三人のキックが合わされば、つなみウォールもきっと破れる!!」


風丸の推測に、秋も三人なら破ってくれると確信する。円堂、鬼道、豪炎寺、瑞貴……このチャンスを四人に託される。


「ボールを奪えばこっちのモンだ!!」

「うおおお!!　フェアリーダンス!!」


ディオを始めとするＤＦ陣が瑞貴に襲いかかるが、瑞貴はフェアリーダンスで蹴散らして円堂にパスする。


「死守だ!!　なんとしてでもゴールを守れー!!」

「影山！　お前の思い通りにはさせない!!　見せてやるぞ！　イナズマイレブンを目指してきた俺たちのサッカーを!!」


円堂が空中にボールを上げると、それを中心に三人はそれぞれジャンプをする。


「フッ、こざかしい!!　全力のつなみウォールは誰にも破られん!!　つなみウォール!!」


今までで一番デカいつなみウォールが襲いかかる。だけど雷門はあきらめていない。


「破ってみせるさ!!!」

「みんなから託されたボール」

「絶対に決めてやる!!!」

｢｢｢｢｢いけぇえぇぇ――ッ!!｣｣｣｣｣

｢｢｢おぉおぉぉお!!｣｣｣


円堂、豪炎寺、鬼道、そして仲間の思いがボールに集まる。


｢｢｢イナズマブレイク!!｣｣｣

「何ィー!?　ぐぁあぁあ――ッ!!」


三人のイナズマブレイクが、全力のつなみウォールを真っ二つに割り、ポセイドンも弾いてゴールに向かう。


｢｢や…やった……!!｣｣

「逆転だ……」


ラストチャンスを決めた雷門中の逆転ゴール……。雷門中がとうとう、フットボールフロンティアで優……。


「残念だが……我々は敗北など認めない!!」

｢｢｢｢｢なんだって――っ!?｣｣｣｣


なんとアフロディがゴールまで下がっていた。


「ハハハ。シュートをしに上がってきたのもムダだったようだな、円堂……!!!」

「おおお。いいぞアフロディ!!　そのまま１点を奪え!!!　我らにふさわしきは勝利のみ……!!」


影山の狂気、そしてアフロディが翼を広げて構える。