激突!! 雷門VS世宇子
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「どうにかしてあげたいでヤンス……」
「オレたち、いつも励ましてもらってばかりで……」
栗松鉄平と壁山塀吾郎はなんとかしようと思っているが……。
「だけど、何ができる? 立ち場を変われるわけでもなし……。かける言葉もない……」
「「う……」」
半田真一の言葉に二人は怯む。染岡も「そっとしておくしかないのか……」と悔しそうに呟く。
ガチャッ!
「「「「「!!!」」」」」
部室のドアノブが開かれる音がした。ここにいないメンバーはただ一人。
「どうしよ…キャプテンだ……!!」
良い案も出ないで、本人が現れることに全員が慌て始める、が……。
「え?」
「お――っ!! みんな早いな!!! やる気満々じゃないか!!!」
なんと円堂はいつもの笑顔で『必勝』のハチマキを付け、『打倒ゼウス』というタスキをかけ、雷門のミニ旗や『かち』というミニくす玉を頭に差し、挙げ句の果てにタイヤまで背負っている。どこか突拍子のある、いつもの円堂の姿だ。
全員想像していた円堂の姿と違うので、唖然とする。
「…………」
「あれ……? キャプテン、落ち込んでいたんじゃ……」
「何言ってんだ、試合は明日だぞ! 張り切って練習だ――っ!!! お――っ!!!」
「キャ、キャプテン……」
「立ち直ったでヤンスか……?」
円堂のテンションに、全員ますます呆気にとられた。
グラウンドに場所を移して、明日の決勝戦に向けて練習を始める。
「いいぞ、みんなー!! 打倒・世宇子!! 明日の決勝もその調子だー!!」
いつもの練習風景。円堂を気にかけた雷門の生徒も、円堂の様子に「あのバカを心配するだけムダだったな」と言う。
「守?」
「キャプテン?」
だが、時々円堂は暗い表情をする。それに気づいたのは瑞貴と、壁山と栗松だけだった。
☆☆☆☆☆
夜――。瑞貴は円堂のことが気になって家に向かうと、前方から壁山と栗松がいた。
「あっ……」
「瑞貴さん……」
「二人共、もしかして守のとこに?」
「「はい……」」
DFとして、一番円堂のそばでプレーしてるからこそ、わかることもあるんだろう。しかし、彼らの様子からして話してもらえなかったのだ。阻止したつもりだが、他から噂を聞いて気にしているのかもしれない。
「私も一応行ってみる。このままじゃ試合に影響するし、二人は試合のとき守の助けになってあげて」
瑞貴は栗松と壁山の肩に、それぞれ手を置く。
「――守の立場に変わることはできないけど、支えることはできるんだから!!」
「「……はい!」」
壁山と栗松と別れ、瑞貴は円堂家に着くとインターフォンを鳴らす。
「はーい。……って、瑞貴!」
「!!」
円堂は「どうしたんだ?」と首を傾げるが、瑞貴は気づいた。いつも一緒にいる相棒だからか無理して笑っていると、ハッキリわかる。
「瑞貴?」
「……泣いてたの?」
「えっ……!?」
気づいてると思わなかったのか、円堂は驚く。瑞貴は円堂の両肩をつかんだ。
「塀吾郎や鉄平はムリでも、私には話せない!? 尾刈斗中のときみたいに、ぶつけてもいいんだよ!」
「瑞貴……」
壁山や栗松のときと同じように真っ直ぐ見つめてくる、強い瞳。そして……彼女の優しさに、甘えたくなる。
『あんなキャプテンじゃ勝てっこないよ』
「っ!」
脳裏に浮かぶ雷門の生徒の言葉。キャプテンは自分だ。だから……!
「……俺は平気だ!」
「守!?」
「だからさ、お前も明日に備えろよ。副キャプテンが体調崩しちゃカッコつかないぜ!」
「で、でも――」
「じゃあな、おやすみ!」
円堂は両肩にある瑞貴の手を離し、家の中に入った。
残った瑞貴は再び声をかけることができず、それから帰宅するべく、足を進めているが――。
「あ――っ!! もどかしい!!」
夜だというのに瑞貴は頭を抱えて叫んだ。……正直髪をグシャグシャにしたい気分だが。
原作を覚えているから、瑞貴は大介がどこで何をしてるか知っている。
だが何よりも、瑞貴は相棒として、チームメイトとして、円堂にかける言葉が思いつかなかった自分にイライラしているのだ。
「オレたち、いつも励ましてもらってばかりで……」
栗松鉄平と壁山塀吾郎はなんとかしようと思っているが……。
「だけど、何ができる? 立ち場を変われるわけでもなし……。かける言葉もない……」
「「う……」」
半田真一の言葉に二人は怯む。染岡も「そっとしておくしかないのか……」と悔しそうに呟く。
ガチャッ!
「「「「「!!!」」」」」
部室のドアノブが開かれる音がした。ここにいないメンバーはただ一人。
「どうしよ…キャプテンだ……!!」
良い案も出ないで、本人が現れることに全員が慌て始める、が……。
「え?」
「お――っ!! みんな早いな!!! やる気満々じゃないか!!!」
なんと円堂はいつもの笑顔で『必勝』のハチマキを付け、『打倒ゼウス』というタスキをかけ、雷門のミニ旗や『かち』というミニくす玉を頭に差し、挙げ句の果てにタイヤまで背負っている。どこか突拍子のある、いつもの円堂の姿だ。
全員想像していた円堂の姿と違うので、唖然とする。
「…………」
「あれ……? キャプテン、落ち込んでいたんじゃ……」
「何言ってんだ、試合は明日だぞ! 張り切って練習だ――っ!!! お――っ!!!」
「キャ、キャプテン……」
「立ち直ったでヤンスか……?」
円堂のテンションに、全員ますます呆気にとられた。
グラウンドに場所を移して、明日の決勝戦に向けて練習を始める。
「いいぞ、みんなー!! 打倒・世宇子!! 明日の決勝もその調子だー!!」
いつもの練習風景。円堂を気にかけた雷門の生徒も、円堂の様子に「あのバカを心配するだけムダだったな」と言う。
「守?」
「キャプテン?」
だが、時々円堂は暗い表情をする。それに気づいたのは瑞貴と、壁山と栗松だけだった。
☆☆☆☆☆
夜――。瑞貴は円堂のことが気になって家に向かうと、前方から壁山と栗松がいた。
「あっ……」
「瑞貴さん……」
「二人共、もしかして守のとこに?」
「「はい……」」
DFとして、一番円堂のそばでプレーしてるからこそ、わかることもあるんだろう。しかし、彼らの様子からして話してもらえなかったのだ。阻止したつもりだが、他から噂を聞いて気にしているのかもしれない。
「私も一応行ってみる。このままじゃ試合に影響するし、二人は試合のとき守の助けになってあげて」
瑞貴は栗松と壁山の肩に、それぞれ手を置く。
「――守の立場に変わることはできないけど、支えることはできるんだから!!」
「「……はい!」」
壁山と栗松と別れ、瑞貴は円堂家に着くとインターフォンを鳴らす。
「はーい。……って、瑞貴!」
「!!」
円堂は「どうしたんだ?」と首を傾げるが、瑞貴は気づいた。いつも一緒にいる相棒だからか無理して笑っていると、ハッキリわかる。
「瑞貴?」
「……泣いてたの?」
「えっ……!?」
気づいてると思わなかったのか、円堂は驚く。瑞貴は円堂の両肩をつかんだ。
「塀吾郎や鉄平はムリでも、私には話せない!? 尾刈斗中のときみたいに、ぶつけてもいいんだよ!」
「瑞貴……」
壁山や栗松のときと同じように真っ直ぐ見つめてくる、強い瞳。そして……彼女の優しさに、甘えたくなる。
『あんなキャプテンじゃ勝てっこないよ』
「っ!」
脳裏に浮かぶ雷門の生徒の言葉。キャプテンは自分だ。だから……!
「……俺は平気だ!」
「守!?」
「だからさ、お前も明日に備えろよ。副キャプテンが体調崩しちゃカッコつかないぜ!」
「で、でも――」
「じゃあな、おやすみ!」
円堂は両肩にある瑞貴の手を離し、家の中に入った。
残った瑞貴は再び声をかけることができず、それから帰宅するべく、足を進めているが――。
「あ――っ!! もどかしい!!」
夜だというのに瑞貴は頭を抱えて叫んだ。……正直髪をグシャグシャにしたい気分だが。
原作を覚えているから、瑞貴は大介がどこで何をしてるか知っている。
だが何よりも、瑞貴は相棒として、チームメイトとして、円堂にかける言葉が思いつかなかった自分にイライラしているのだ。