雷門中にかけられた呪縛!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
着いた場所はグラウンド。円堂がゴール前に構え、瑞貴は足元にボールを構えていた。
「さあ瑞貴! いつでも蹴って来い!!」
「あー……うん」
「ど…どうするつもりなんだ……?」
ゴーストロックを破る方法に、染岡竜吾たちは緊張感を漂わせる。
(いきなりは無理な気がするんだけどなぁ~……)
唯一円堂の真理を知っている瑞貴は、頬を一つかくとボールを蹴った。
「えっ!?」
「な……?」
「何~~っ!?」
なんと円堂は目を閉じていた。当然前は見えないので、円堂の顔面に見事ボールが当たる。
あまりの大胆な行動に瑞貴以外の部員がポカーンとし、次いで円堂の元へ全員駆け寄る。
「大丈夫ですか円堂さん!」
「何考えてんですか――っ!?」
「何って、幽谷の術にかからないための攻略法だよ」
「とりあえず、ティッシュどうぞ」
円堂は鼻血を出しながらも体を起こす。瑞貴はティッシュを差し出すと、円堂はそれを受け取って鼻血を拭いた。
「ギリギリまで目をつぶってシュートの瞬間に反応するんだ。練習するぞ!!」
「え…え――っ!! 本気ですか!?」
「そりゃムチャですよ円堂センパイ~!!」
「ホントにできると思ってるでヤンスか?」
「!!」
栗松の呆れた声に円堂は反応する。
「バカヤロー! やってみなくちゃわかんないだろ――っ!!」
「それくらいわかれ。大バカ野郎!!」
反論したのは栗松ではなく染岡だった。
「そんなやり方でゴーストロックを破るのは不可能だ!! ムダな時間を使う前にDFと対策を練るなり現実的に行動しろ!!」
「むぐ…染岡……」
染岡の言葉は的確だった。こんなムチャなことをするより、どう攻略すれば勝てるか考えたほうがいいだろう。
「なんだよ……。ゴーストロックを破るっていうから、どんな秘策かと思ったら、目をつぶるだけなんて」
「み、みんな……」
「ふざけすぎだよ……」
みんな円堂の秘策に呆れてグラウンドから離れていく。期待していたのに結果がこれじゃ無理はないだろう。円堂は顔をうつむける。
そして残ったのは、円堂、瑞貴、五郎だけだった。
「円堂センパイ……」
「なーに沈んでいるんだよ」
「瑞貴さん!?」
五郎は瑞貴の意外な発言に驚く。
「やるんでしょ? 私も付き合うから」
「……瑞貴にはお見通しか」
円堂は顔を上げ、ニッと笑う。
「特訓だ!!!」
「!!」
「やっぱりね」
☆☆☆☆☆
特訓を始めるのは、辺りが暗くなった夜だった。体育館の裏で円堂は端が欠けた塀に線を描いてゴールに真似て、その周りを照らす照明を一つセットした。
「どうするんですか? こんな暗がりで……」
質問したのは私服姿の五郎。円堂と瑞貴はユニホーム姿だ。
「昼間はチャレンジしたけど、いきなり目をつぶるのはムリだ! だからこの特訓でコツをつかもうと思ってさ」
「こうすれば暗闇のせいで半径3メートルまで、どこにボールが来るか見えないね」
「ああ! まずはギリギリの視界でなんとかボールに反応してみせる!」
「え~~っ!! そ…それでもムチャな気が……」
五郎の続きの言葉は、円堂の「ムチャジャナイデス」という威圧感のせいで言えなかった。
「なんとしてもゴーストロックをぶち破るんだ!! 来い、瑞貴!! 五郎!!」
「オーケー!」
「は…はい……!!」
手始めに蹴るのは瑞貴。円堂は全神経を使って集中する。
ドシュッ!
ボールが蹴られた音に円堂は反応する。だが、それを探る前にボールは円堂の目の前まで来ていた。
「ぐっ!」
そしてボールはそのまま円堂の頬に当たってしまう。五郎は慌てて円堂の元へ駆け寄った。
「やっぱりムチャです! やめましょう」
「大丈夫気にすんな!! 試合まであと十日! この感じで特訓だ!!」
「センパイ…やるんですね……」
「私も夜なら手伝うよ。昼間は他のみんなの練習の指示を出しとくから。五郎、そのときは守をよろしくね」
この特訓が成功したとしても、ボールをつないでいくDFやMFがや、シュートを決めるFWが機能しなくては意味がない。
「サンキュー瑞貴!」
「はい!」
「よーし来い!!」
こうして円堂の特訓は始まった。
「さあ瑞貴! いつでも蹴って来い!!」
「あー……うん」
「ど…どうするつもりなんだ……?」
ゴーストロックを破る方法に、染岡竜吾たちは緊張感を漂わせる。
(いきなりは無理な気がするんだけどなぁ~……)
唯一円堂の真理を知っている瑞貴は、頬を一つかくとボールを蹴った。
「えっ!?」
「な……?」
「何~~っ!?」
なんと円堂は目を閉じていた。当然前は見えないので、円堂の顔面に見事ボールが当たる。
あまりの大胆な行動に瑞貴以外の部員がポカーンとし、次いで円堂の元へ全員駆け寄る。
「大丈夫ですか円堂さん!」
「何考えてんですか――っ!?」
「何って、幽谷の術にかからないための攻略法だよ」
「とりあえず、ティッシュどうぞ」
円堂は鼻血を出しながらも体を起こす。瑞貴はティッシュを差し出すと、円堂はそれを受け取って鼻血を拭いた。
「ギリギリまで目をつぶってシュートの瞬間に反応するんだ。練習するぞ!!」
「え…え――っ!! 本気ですか!?」
「そりゃムチャですよ円堂センパイ~!!」
「ホントにできると思ってるでヤンスか?」
「!!」
栗松の呆れた声に円堂は反応する。
「バカヤロー! やってみなくちゃわかんないだろ――っ!!」
「それくらいわかれ。大バカ野郎!!」
反論したのは栗松ではなく染岡だった。
「そんなやり方でゴーストロックを破るのは不可能だ!! ムダな時間を使う前にDFと対策を練るなり現実的に行動しろ!!」
「むぐ…染岡……」
染岡の言葉は的確だった。こんなムチャなことをするより、どう攻略すれば勝てるか考えたほうがいいだろう。
「なんだよ……。ゴーストロックを破るっていうから、どんな秘策かと思ったら、目をつぶるだけなんて」
「み、みんな……」
「ふざけすぎだよ……」
みんな円堂の秘策に呆れてグラウンドから離れていく。期待していたのに結果がこれじゃ無理はないだろう。円堂は顔をうつむける。
そして残ったのは、円堂、瑞貴、五郎だけだった。
「円堂センパイ……」
「なーに沈んでいるんだよ」
「瑞貴さん!?」
五郎は瑞貴の意外な発言に驚く。
「やるんでしょ? 私も付き合うから」
「……瑞貴にはお見通しか」
円堂は顔を上げ、ニッと笑う。
「特訓だ!!!」
「!!」
「やっぱりね」
☆☆☆☆☆
特訓を始めるのは、辺りが暗くなった夜だった。体育館の裏で円堂は端が欠けた塀に線を描いてゴールに真似て、その周りを照らす照明を一つセットした。
「どうするんですか? こんな暗がりで……」
質問したのは私服姿の五郎。円堂と瑞貴はユニホーム姿だ。
「昼間はチャレンジしたけど、いきなり目をつぶるのはムリだ! だからこの特訓でコツをつかもうと思ってさ」
「こうすれば暗闇のせいで半径3メートルまで、どこにボールが来るか見えないね」
「ああ! まずはギリギリの視界でなんとかボールに反応してみせる!」
「え~~っ!! そ…それでもムチャな気が……」
五郎の続きの言葉は、円堂の「ムチャジャナイデス」という威圧感のせいで言えなかった。
「なんとしてもゴーストロックをぶち破るんだ!! 来い、瑞貴!! 五郎!!」
「オーケー!」
「は…はい……!!」
手始めに蹴るのは瑞貴。円堂は全神経を使って集中する。
ドシュッ!
ボールが蹴られた音に円堂は反応する。だが、それを探る前にボールは円堂の目の前まで来ていた。
「ぐっ!」
そしてボールはそのまま円堂の頬に当たってしまう。五郎は慌てて円堂の元へ駆け寄った。
「やっぱりムチャです! やめましょう」
「大丈夫気にすんな!! 試合まであと十日! この感じで特訓だ!!」
「センパイ…やるんですね……」
「私も夜なら手伝うよ。昼間は他のみんなの練習の指示を出しとくから。五郎、そのときは守をよろしくね」
この特訓が成功したとしても、ボールをつないでいくDFやMFがや、シュートを決めるFWが機能しなくては意味がない。
「サンキュー瑞貴!」
「はい!」
「よーし来い!!」
こうして円堂の特訓は始まった。