真の力を呼びおこせ!!
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それから練習が始まった。風丸の作戦は――壁山の武器は体の大きさ。接近することで相手のシュートコースを完全に消すことができる。
あとはそれをいかにキープするかだ。その内に隙が生まれる。いくら豪炎寺でも必ずチャンスはあり、そこでボールを奪うのだ。
「だけど壁山に任せて大丈夫かなぁ……」
「鉄平、塀吾郎を信じようよ」
「ああ。大丈夫さ」
円堂は瑞貴が転校する前の試合をみんなに話す。
あの試合もボロ負けで観客からブーイングが上がっていた。帰宅中、次こそは勝とうと円堂が意気込んでいると、壁山が足がボロボロになるまで練習をしているのを見つけた。
『おい! もうやめろ!! 足がボロボロじゃないか!! バカ!!!』
『バカでいいんス……。オレはサッカーが好きだから!! その気持ちに恥じないくらい、うまくなりたいっス……。サッカーバカになりたいっス!』
壁山の言葉に円堂は胸を打たれ、共に練習に励んだと言う。――知られざる事実に栗松と秋は驚いた。
「サッカーバカ……。あいつそんなことを……」
「壁山くん、ホントにサッカー好きなんだね」
「うん。守のサッカーバカが移るくらい」
「なんだとー!?」
これなら明日はきっと大丈夫だろう、誰もがそう思った。
☆☆☆☆☆
しかし翌日のグラウンドでは……。
「遅い!! 何やってるの壁山くんは!?」
審判の夏未はイラついていた。約束の時間を過ぎても壁山が一向に姿を表さないからだ。サッカー部の一部も壁山を探しに行っていると、染岡竜吾が壁山を連れてきた。
「あっ、竜吾。塀吾郎見つかったんだ」
「ああ。ロッカーに隠れてた」
「壁山……!!」
アニメといいゲームといい、壁山は何故ロッカーに隠れるんだろう、と瑞貴は思った。
「お前、不戦敗で廃部にする気か!?」
「ごめんなさい……。緊張して、つい……」
壁山は栗松に怒られるが、風丸は「自信を持て!!」と励まされる。それでも不安な壁山に、栗松も不安になる。
それからホイッスルが鳴り、勝負が始まった。
「「「「「がんばれ壁山/塀吾郎ー!!」」」」」
サッカー部が応援する中、壁山は風丸の作戦通りピッタリ豪炎寺にマークする。
「いいぞ! そのままコースを消せ!」
だが、豪炎寺が一睨みすると壁山は尻餅を付き、その隙に豪炎寺はシュートを決めた。容姿ない。
(ダメだ、やっぱり豪炎寺さんの気迫に圧倒されちゃう)
「ま…まだまだいけるさ、頑張れ壁山!!!」
「一郎太の言う通りだよ塀吾郎! まだ1点だ!!」
――しかし次々とゴールは決まっていくばかりだ。
「6点…7点。どんどん点が決まっていくわ。やっぱり臆病なDFじゃ話にならないようね!」
そして9点目が入るとサッカー部員の顔が絶望に変わった。これでは廃部は確実だ。
「がんばるんだ! ビビらず昨日の練習通りやれば、きっといける!!」
(風丸さん、ごめんなさい……。わかっていても足がすくんでしまうっス。やっぱりオレにはムリなんス……。こんな臆病者はサッカーには向いてない……)
「ラストだ」
立ち上がらないままの壁山。豪炎寺はボールを構え、最後の1点を取ろうとすると――。
「ご…豪炎寺さん。オ…オレが部をやめたら、ここに残ってくれますか……?」
その発言は風丸たちだけでなく豪炎寺も驚いた。壁山は泣きながら必死に豪炎寺のユニホームにしがみつく。
「お願いです豪炎寺さん! オレが部をやめますから……」
「何を言い出すんだ!?」
一番衝撃を受けたのは共に練習をした風丸だ。驚くように叫ぶが、壁山は豪炎寺に向けて土下座をする。
「オレは部をやめます! 足を引っ張るオレがやめて豪炎寺さんが残るなら、チームにとってそれが一番いい!!」
壁山の行動は全てチームのためを思ってやってること。その必死さが全員に伝わる。
「壁山……」
「アハハハハッ。確かに賢明な選択だわ! そこまで頼むなら条件を飲むわ。クズはやめるが一番よ!! あら、そうなるとホントは全員やめなきゃならないけど……クスッ」
夏未が高笑いすると、壁山は本格的に泣き出して走り出す。
「みんなごめん!!!」
「壁山!」
「壁山くん!!」
なんとか廃部はなくなったものの、逆に仲間を失う悔しさが込み上げてくる。壁山が走る先に、顔をうつむける円堂と瑞貴の姿があった。
(さよなら……!!)
壁山は二人の間を通り過ぎる。
あとはそれをいかにキープするかだ。その内に隙が生まれる。いくら豪炎寺でも必ずチャンスはあり、そこでボールを奪うのだ。
「だけど壁山に任せて大丈夫かなぁ……」
「鉄平、塀吾郎を信じようよ」
「ああ。大丈夫さ」
円堂は瑞貴が転校する前の試合をみんなに話す。
あの試合もボロ負けで観客からブーイングが上がっていた。帰宅中、次こそは勝とうと円堂が意気込んでいると、壁山が足がボロボロになるまで練習をしているのを見つけた。
『おい! もうやめろ!! 足がボロボロじゃないか!! バカ!!!』
『バカでいいんス……。オレはサッカーが好きだから!! その気持ちに恥じないくらい、うまくなりたいっス……。サッカーバカになりたいっス!』
壁山の言葉に円堂は胸を打たれ、共に練習に励んだと言う。――知られざる事実に栗松と秋は驚いた。
「サッカーバカ……。あいつそんなことを……」
「壁山くん、ホントにサッカー好きなんだね」
「うん。守のサッカーバカが移るくらい」
「なんだとー!?」
これなら明日はきっと大丈夫だろう、誰もがそう思った。
☆☆☆☆☆
しかし翌日のグラウンドでは……。
「遅い!! 何やってるの壁山くんは!?」
審判の夏未はイラついていた。約束の時間を過ぎても壁山が一向に姿を表さないからだ。サッカー部の一部も壁山を探しに行っていると、染岡竜吾が壁山を連れてきた。
「あっ、竜吾。塀吾郎見つかったんだ」
「ああ。ロッカーに隠れてた」
「壁山……!!」
アニメといいゲームといい、壁山は何故ロッカーに隠れるんだろう、と瑞貴は思った。
「お前、不戦敗で廃部にする気か!?」
「ごめんなさい……。緊張して、つい……」
壁山は栗松に怒られるが、風丸は「自信を持て!!」と励まされる。それでも不安な壁山に、栗松も不安になる。
それからホイッスルが鳴り、勝負が始まった。
「「「「「がんばれ壁山/塀吾郎ー!!」」」」」
サッカー部が応援する中、壁山は風丸の作戦通りピッタリ豪炎寺にマークする。
「いいぞ! そのままコースを消せ!」
だが、豪炎寺が一睨みすると壁山は尻餅を付き、その隙に豪炎寺はシュートを決めた。容姿ない。
(ダメだ、やっぱり豪炎寺さんの気迫に圧倒されちゃう)
「ま…まだまだいけるさ、頑張れ壁山!!!」
「一郎太の言う通りだよ塀吾郎! まだ1点だ!!」
――しかし次々とゴールは決まっていくばかりだ。
「6点…7点。どんどん点が決まっていくわ。やっぱり臆病なDFじゃ話にならないようね!」
そして9点目が入るとサッカー部員の顔が絶望に変わった。これでは廃部は確実だ。
「がんばるんだ! ビビらず昨日の練習通りやれば、きっといける!!」
(風丸さん、ごめんなさい……。わかっていても足がすくんでしまうっス。やっぱりオレにはムリなんス……。こんな臆病者はサッカーには向いてない……)
「ラストだ」
立ち上がらないままの壁山。豪炎寺はボールを構え、最後の1点を取ろうとすると――。
「ご…豪炎寺さん。オ…オレが部をやめたら、ここに残ってくれますか……?」
その発言は風丸たちだけでなく豪炎寺も驚いた。壁山は泣きながら必死に豪炎寺のユニホームにしがみつく。
「お願いです豪炎寺さん! オレが部をやめますから……」
「何を言い出すんだ!?」
一番衝撃を受けたのは共に練習をした風丸だ。驚くように叫ぶが、壁山は豪炎寺に向けて土下座をする。
「オレは部をやめます! 足を引っ張るオレがやめて豪炎寺さんが残るなら、チームにとってそれが一番いい!!」
壁山の行動は全てチームのためを思ってやってること。その必死さが全員に伝わる。
「壁山……」
「アハハハハッ。確かに賢明な選択だわ! そこまで頼むなら条件を飲むわ。クズはやめるが一番よ!! あら、そうなるとホントは全員やめなきゃならないけど……クスッ」
夏未が高笑いすると、壁山は本格的に泣き出して走り出す。
「みんなごめん!!!」
「壁山!」
「壁山くん!!」
なんとか廃部はなくなったものの、逆に仲間を失う悔しさが込み上げてくる。壁山が走る先に、顔をうつむける円堂と瑞貴の姿があった。
(さよなら……!!)
壁山は二人の間を通り過ぎる。