全てをかけろ! FFI決勝戦!!
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「まさかと思って調べてみたけど、やっぱりそうだったのね……。伝えなくちゃ……円堂くんに……!!」
雷門夏未がライオコット島にやってきた理由――それは、独自で調べた調査結果を円堂守に伝えるためだ。
☆☆☆☆☆
ジャパンエリアの浜辺で、井上瑞貴がランニングしていた。明日はいよいよFFI決勝戦。最終調整に入るため、瑞貴も気合いがいつもより増している。
「瑞貴! おはよう!」
「あっ、守。おはよう!」
すると正面から、タイヤを腰に巻いているロープに繋いでランニングする円堂に出会った。
「いよいよ、明日はロココのいるチームと戦うんだね。会うのはライオコット島に初めて来たとき以来かな」
「そうだな。あのゴッドハンドXはスゴかった! でもオレたちだってレベルアップしてんだ」
あのときは実力の差があっただろう。しかし円堂も間違いなくレベルアップし、瑞貴たちイナズマジャパンと共にここまで来たのだ。相棒として瑞貴も誇らしく思う。
(この世界に来て、守が相棒で……よかった)
元の世界のサッカー部も楽しかった。だが、こうして唯一無二の相棒が――それも別世界にいる憧れの相手とできるなど、思ってもみなかった。
フットボールフロンティア全国大会終了後、瑞貴は全国へ修業の旅へと出た。上を目指すため、性別故に有り得ないに等しい日本代表になるために。そして、円堂の最高の相棒と自分でも納得したくて――。
(守の隣にいるのに、ふさわしい相手になりたいから……)
いつから惹かれたのかわからないが、恐らく最初からだろう。無鉄砲で熱い心を持つ、仲間想いな円堂に瑞貴は好意を持っていた。
選考試合でも自分の挑戦を遥かに驚く力で返し、韓国戦で決裂しかけたが最高のキャプテンとしてフィールドに戻った。そんな円堂だからこそ、瑞貴も女子としてもサッカープレーヤーとしても努力し続ける。
「守、私も絶対ロココからゴールを奪ってみせるよ!」
「オウッ、頼んだぜ!」
「うん!」
拳を握り締めて気合いを入れる瑞貴。そんな彼女の姿を見て、円堂は心が温かくなっていた。
「な、なあ……瑞貴」
「ん?」
「オレ…お前のことが――」
ガサッ!
「「!」」
木々の揺れる音に二人は振り向くと、そこには夏未がいた。
「円堂くん、瑞貴、ここにいたのね」
「な、夏未!?」
「夏未ちゃん! 久しぶり!」
顔を赤くして慌てふためく円堂と違い、瑞貴は久しく会う親友に抱きついた。
「久しぶりね。瑞貴、あなたとイナズマジャパンの活躍はいつもチェックしてたわ」
「ホント!? ありがとう! もしかして決勝戦の応援に?」
「それもあるけど、円堂くんに伝えなくちゃいけないことがあるの」
「オレに?」
夏未は全てを話した。死んだと思われた円堂の祖父・円堂大介が――なんと生きていることを。
「え――っ!?」
「じいちゃんが生きているのを確認した!?」
「ええ。しかも荒矢大介と名乗り、決勝の相手コトアールの監督をしているわ!!」
(やっぱりじいちゃんは生きていた……。オレの憧れのじいちゃんは、やっぱり頂上で待っていたんだ!!)
円堂は手紙の通りに大介が世界の頂上にいると知り、嬉しさのあまり目尻に涙を浮かべた。
「私、みんなに知らせてくる! 決勝戦の監督なら尚更だもん!」
「あっ、瑞貴!」
円堂が止める間もなく、瑞貴は驚きと嬉しさも含まれたせいか全速力で駆けて行った。残ったのは円堂と夏未のみ。
「……お邪魔だったかしら?」
「ななななっ、なんのことだ!? オ、オレも特訓の続きしてくる! 夏未は宿舎に行っててくれ!」
瑞貴同様に円堂もタイヤに繋がれたままにも関わらず、全速力で駆けて行った。
「たまたまとはいえ……悪いことしちゃったわね」
夏未の小さな呟きは、風に乗っていった。
雷門夏未がライオコット島にやってきた理由――それは、独自で調べた調査結果を円堂守に伝えるためだ。
☆☆☆☆☆
ジャパンエリアの浜辺で、井上瑞貴がランニングしていた。明日はいよいよFFI決勝戦。最終調整に入るため、瑞貴も気合いがいつもより増している。
「瑞貴! おはよう!」
「あっ、守。おはよう!」
すると正面から、タイヤを腰に巻いているロープに繋いでランニングする円堂に出会った。
「いよいよ、明日はロココのいるチームと戦うんだね。会うのはライオコット島に初めて来たとき以来かな」
「そうだな。あのゴッドハンドXはスゴかった! でもオレたちだってレベルアップしてんだ」
あのときは実力の差があっただろう。しかし円堂も間違いなくレベルアップし、瑞貴たちイナズマジャパンと共にここまで来たのだ。相棒として瑞貴も誇らしく思う。
(この世界に来て、守が相棒で……よかった)
元の世界のサッカー部も楽しかった。だが、こうして唯一無二の相棒が――それも別世界にいる憧れの相手とできるなど、思ってもみなかった。
フットボールフロンティア全国大会終了後、瑞貴は全国へ修業の旅へと出た。上を目指すため、性別故に有り得ないに等しい日本代表になるために。そして、円堂の最高の相棒と自分でも納得したくて――。
(守の隣にいるのに、ふさわしい相手になりたいから……)
いつから惹かれたのかわからないが、恐らく最初からだろう。無鉄砲で熱い心を持つ、仲間想いな円堂に瑞貴は好意を持っていた。
選考試合でも自分の挑戦を遥かに驚く力で返し、韓国戦で決裂しかけたが最高のキャプテンとしてフィールドに戻った。そんな円堂だからこそ、瑞貴も女子としてもサッカープレーヤーとしても努力し続ける。
「守、私も絶対ロココからゴールを奪ってみせるよ!」
「オウッ、頼んだぜ!」
「うん!」
拳を握り締めて気合いを入れる瑞貴。そんな彼女の姿を見て、円堂は心が温かくなっていた。
「な、なあ……瑞貴」
「ん?」
「オレ…お前のことが――」
ガサッ!
「「!」」
木々の揺れる音に二人は振り向くと、そこには夏未がいた。
「円堂くん、瑞貴、ここにいたのね」
「な、夏未!?」
「夏未ちゃん! 久しぶり!」
顔を赤くして慌てふためく円堂と違い、瑞貴は久しく会う親友に抱きついた。
「久しぶりね。瑞貴、あなたとイナズマジャパンの活躍はいつもチェックしてたわ」
「ホント!? ありがとう! もしかして決勝戦の応援に?」
「それもあるけど、円堂くんに伝えなくちゃいけないことがあるの」
「オレに?」
夏未は全てを話した。死んだと思われた円堂の祖父・円堂大介が――なんと生きていることを。
「え――っ!?」
「じいちゃんが生きているのを確認した!?」
「ええ。しかも荒矢大介と名乗り、決勝の相手コトアールの監督をしているわ!!」
(やっぱりじいちゃんは生きていた……。オレの憧れのじいちゃんは、やっぱり頂上で待っていたんだ!!)
円堂は手紙の通りに大介が世界の頂上にいると知り、嬉しさのあまり目尻に涙を浮かべた。
「私、みんなに知らせてくる! 決勝戦の監督なら尚更だもん!」
「あっ、瑞貴!」
円堂が止める間もなく、瑞貴は驚きと嬉しさも含まれたせいか全速力で駆けて行った。残ったのは円堂と夏未のみ。
「……お邪魔だったかしら?」
「ななななっ、なんのことだ!? オ、オレも特訓の続きしてくる! 夏未は宿舎に行っててくれ!」
瑞貴同様に円堂もタイヤに繋がれたままにも関わらず、全速力で駆けて行った。
「たまたまとはいえ……悪いことしちゃったわね」
夏未の小さな呟きは、風に乗っていった。