なんとか凌いだが、オルフェウスの攻撃も守りも一枚上手なため、イナズマジャパンは披露が溜まっていた。


「フンッ、あとひと息か」


アンジェロたちオルフェウスはまだ余裕だ。オルフェウスは世界の頂上に一番近いチームかもしれない。


「にわかリベロはもう通じない。君たちの世界への挑戦はここで終わりだ」

「～～っ！」

「っ！」


アンジェロの言葉に歯を食いしばる円堂や瑞貴たが……。


「いや、世界の頂上に行くのはオレたちさ」

「何ー？」

｢｢ヒロト……｣｣

「円堂くん……瑞貴ちゃん……。ズババーンとがんばろう!!」


なんとヒロトは円堂の持ち前の台詞とポーズで叫んだ。その姿に瑞貴も円堂も目を見開いたが、すぐに笑った。


「うん!!」

「だけどそれ、オレの台詞だぞー!!　コラー！」

「ハハハッ」


円堂はヒロトの首に腕を回して笑い合った。


「それじゃ、二人で」

｢｢ズバババーン！｣｣

「なんかバカが二人に増えてるな……。おい瑞貴。ヒロト、あんな性格だったか？」

「うーん……守のバカが移っちゃったかも」


前例(という名の五郎)がいるので瑞貴は不動の言葉になんとも言えなかった。


「お前もやろうぜ、不動!!　ズバババーン！」

「やなこった!!」

「アハハ！」

「テメー！　笑うな虎丸！」

「わーい。ごめんなさーい！」

｢｢｢｢｢アッハッハッ！｣｣｣｣｣


円堂が誘ってみたが不動は当然断固拒否。それを虎丸が笑うと不動は彼を追い回す。その様子に他のみんなが笑っていた。


「フフッ。『あんな性格だったか？』なんて人のこと言えないね」


最初の頃に比べて瑞貴は不動もチームに溶け込んでいると思った。こんなバカをやれるくらいに。

いつもの雰囲気を取り戻せたことにより、円堂と瑞貴は顔を見合わせて頷き、みんなに向かって叫ぶ。


｢｢よーし、みんなで逆転しようぜ!!｣｣

｢｢｢｢｢オオッ!!｣｣｣｣｣


残り時間が少なくなってきた。攻守共に巧みなオルフェウスに対し、イナズマジャパンも食い下がる。

イナズマジャパンはなんとしても前線にボールを送ろうとしている。あと１点を取って――世界の頂上へ行くために!!


「みんな……。なんだかより絆が強くなったみたいだね……」

「ええ。さすが円堂センパイがキャプテンで瑞貴さんが副キャプテンのチーム。いつの間にかみんなに、二人の闘志が乗り移ったみたい！」


その気迫はベンチにいる木野秋や五郎にまで伝わるほどだ。

必死にパスを繋ぐイナズマジャパン。不動はＦＷにボールを渡そうとドリブルする。


「残念だがここは通さん!!」

｢｢バーバリアンの盾!!!｣｣


オルフェウスのアントンとオットリーノ＝ノビリが、二枚のバーバリアンの盾で止めに入った。しかし不動は怯まず、目をギランと光らせて強行突破にかかる。


「何枚の盾だろうと関係ねぇ――っ!!」

「愚かな」

「ぐあっ!!」


アントンとオットリーノは不動を跳ね返した。