真の力を呼びおこせ!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
事の始まりはここからだった。雷門中に登校する豪炎寺修也の前に一台の車が止まり、その中から男が出てきた。
「再びサッカーを始めたようだね豪炎寺くん」
差し出された名刺には、こう書いてある。
『明紋FC(フットボールクラブ)スカウトマン 須賀宇土夫』
「スカウト? オレを?」
「君のような才能は弱小チームではなく、もっとハイレベルな環境でサッカーをやるべきだ。最高の設備を備えた、うちのチームでぜひプロを目指そう!!」
その言葉に豪炎寺は動揺して目を見開いた。
――次に雷門中。
「瑞貴ちゃん! 聞いたよ。この間のテスト学年トップだって」
朝から木野秋が井上瑞貴の元へ駆け付けると、当の本人は苦笑いする。
「たまたまだよ。得意分野にあたっただけ」
「でもスゴいよ! 今度私にも勉強教えてくれるかな?」
「いいよー」
その二つの出来事を陰から雷門夏未が見ていたことは、誰も知らなかった。
☆☆☆☆☆
放課後――。下校する生徒の一部がグラウンドを見て呆れていた。
「見ろよ。サッカー部のバカがまた変な特訓やってるぜ」
そのバカことサッカー部のキャプテン・円堂守はタイヤにチーム一の巨漢・壁山塀吾郎を乗せ、ロープで体とタイヤを繋いで走ろうとしている。
「大丈夫ですか? オレ150キロあるんスけど……」
「ふんぬぅ~~っ!! 目指せイナズマイレブン!!」
……一向に進んでない。しかも重さでロープが切れ、円堂は豪快に転んでしまった。
「ぐおっ!!」
「アハハハッ。バカだなぁ、キャプテン」
豪炎寺を除き、栗松鉄平を始めとする部員から笑い声が響き渡る。
「瑞貴ー! お前も自然の(ナチュラル)プレーヤーを目指すならやろーぜ!」
「私をアンタの二の舞になれと言うのか!」
スパ――ンッ!!
瑞貴はどこからともなく出したハリセンで円堂を叩いた。これもまた日常茶飯事である。
「よーし次はミニゲームだ~~っ!! 瑞貴と豪炎寺のボールを奪え――っ!!!」
「その前に守は鼻血を拭け」
瑞貴は円堂にポケットティッシュを容赦なく叩きつけた。ゴールに向かって瑞貴と豪炎寺は絶妙のパスワークとテクニックで止めようとする栗松を抜く。
「いけー! 壁山~!! 必殺技だ」
「ムチャ言わないでくださいっス」
それでも壁山は二人を止めようと前に出るが、豪炎寺が睨むとビビって尻餅をついてしまった。瑞貴は苦笑いするのと対象に豪炎寺は呆れて溜息を吐いた。
「相変わらずヘボいな。サッカー部」
「特にあの腰抜けDF!!」
見学していた男子生徒がその様子を見てゲラゲラと笑うと、円堂がいち早く反応する。
「ヘボとはなんだ! オレたちは、あの帝国に勝ったんだぞ!!」
「向こうが勝手に試合放棄しただけじゃないか」
「オレたちの真の実力にビビって逃げたんだな。ハッハッハッ」
おめでたい頭をしている円堂に瑞貴は額に手を当てて溜息をつくと、円堂の肩を軽く叩く。
「どうした瑞貴?」
「その試合のことなんだけど――」
「フンッ、あんなの勝ったとは言えないわ」
「何!?」
瑞貴が説明する前に誰かが言うと円堂は勢いよく振り向き瑞貴も続く。
「またお前か、雷門夏未!!」
現れたのは夏未だった。
「井上さんも感づいている通り、どうやら帝国学園は目的を果たしたから帰っただけのようよ」
「目的?」
「そう。あの試合はスーパーストライカー、豪炎寺のデータをとることだけが目的だったのよ」
「「「「「えっ!?」」」」」
衝撃的な事実に瑞貴以外の部員は驚いた声を上げた。だが、多摩野五郎には心当たりがある。
「そんな……。どうもおかしいとは思ったけど」
「ええっ!? 思ってたのか!?」
「いや、普通思うでしょ」
弱小クラブとはいえ、スーパーストライカーの豪炎寺に点を取られたから帰るなんて有り得ない。夏未は「ホホホホホホ」と高笑いしながらグラウンドに降りてくる。
「おわかり? あなたたちのことなんか眼中になかったの。実際ゴッドハンドは一度きりのまぐれ。デスゾーンは止められず、スコアは21対2……」
夏未はチラッと瑞貴を見る。
「シューティングアローは……まあ及第点ね。つまりこのチームは井上さんと豪炎寺くん以外、何も変わっていない……! クズはやっぱり廃部よ!!」
「再びサッカーを始めたようだね豪炎寺くん」
差し出された名刺には、こう書いてある。
『明紋FC(フットボールクラブ)スカウトマン 須賀宇土夫』
「スカウト? オレを?」
「君のような才能は弱小チームではなく、もっとハイレベルな環境でサッカーをやるべきだ。最高の設備を備えた、うちのチームでぜひプロを目指そう!!」
その言葉に豪炎寺は動揺して目を見開いた。
――次に雷門中。
「瑞貴ちゃん! 聞いたよ。この間のテスト学年トップだって」
朝から木野秋が井上瑞貴の元へ駆け付けると、当の本人は苦笑いする。
「たまたまだよ。得意分野にあたっただけ」
「でもスゴいよ! 今度私にも勉強教えてくれるかな?」
「いいよー」
その二つの出来事を陰から雷門夏未が見ていたことは、誰も知らなかった。
☆☆☆☆☆
放課後――。下校する生徒の一部がグラウンドを見て呆れていた。
「見ろよ。サッカー部のバカがまた変な特訓やってるぜ」
そのバカことサッカー部のキャプテン・円堂守はタイヤにチーム一の巨漢・壁山塀吾郎を乗せ、ロープで体とタイヤを繋いで走ろうとしている。
「大丈夫ですか? オレ150キロあるんスけど……」
「ふんぬぅ~~っ!! 目指せイナズマイレブン!!」
……一向に進んでない。しかも重さでロープが切れ、円堂は豪快に転んでしまった。
「ぐおっ!!」
「アハハハッ。バカだなぁ、キャプテン」
豪炎寺を除き、栗松鉄平を始めとする部員から笑い声が響き渡る。
「瑞貴ー! お前も自然の(ナチュラル)プレーヤーを目指すならやろーぜ!」
「私をアンタの二の舞になれと言うのか!」
スパ――ンッ!!
瑞貴はどこからともなく出したハリセンで円堂を叩いた。これもまた日常茶飯事である。
「よーし次はミニゲームだ~~っ!! 瑞貴と豪炎寺のボールを奪え――っ!!!」
「その前に守は鼻血を拭け」
瑞貴は円堂にポケットティッシュを容赦なく叩きつけた。ゴールに向かって瑞貴と豪炎寺は絶妙のパスワークとテクニックで止めようとする栗松を抜く。
「いけー! 壁山~!! 必殺技だ」
「ムチャ言わないでくださいっス」
それでも壁山は二人を止めようと前に出るが、豪炎寺が睨むとビビって尻餅をついてしまった。瑞貴は苦笑いするのと対象に豪炎寺は呆れて溜息を吐いた。
「相変わらずヘボいな。サッカー部」
「特にあの腰抜けDF!!」
見学していた男子生徒がその様子を見てゲラゲラと笑うと、円堂がいち早く反応する。
「ヘボとはなんだ! オレたちは、あの帝国に勝ったんだぞ!!」
「向こうが勝手に試合放棄しただけじゃないか」
「オレたちの真の実力にビビって逃げたんだな。ハッハッハッ」
おめでたい頭をしている円堂に瑞貴は額に手を当てて溜息をつくと、円堂の肩を軽く叩く。
「どうした瑞貴?」
「その試合のことなんだけど――」
「フンッ、あんなの勝ったとは言えないわ」
「何!?」
瑞貴が説明する前に誰かが言うと円堂は勢いよく振り向き瑞貴も続く。
「またお前か、雷門夏未!!」
現れたのは夏未だった。
「井上さんも感づいている通り、どうやら帝国学園は目的を果たしたから帰っただけのようよ」
「目的?」
「そう。あの試合はスーパーストライカー、豪炎寺のデータをとることだけが目的だったのよ」
「「「「「えっ!?」」」」」
衝撃的な事実に瑞貴以外の部員は驚いた声を上げた。だが、多摩野五郎には心当たりがある。
「そんな……。どうもおかしいとは思ったけど」
「ええっ!? 思ってたのか!?」
「いや、普通思うでしょ」
弱小クラブとはいえ、スーパーストライカーの豪炎寺に点を取られたから帰るなんて有り得ない。夏未は「ホホホホホホ」と高笑いしながらグラウンドに降りてくる。
「おわかり? あなたたちのことなんか眼中になかったの。実際ゴッドハンドは一度きりのまぐれ。デスゾーンは止められず、スコアは21対2……」
夏未はチラッと瑞貴を見る。
「シューティングアローは……まあ及第点ね。つまりこのチームは井上さんと豪炎寺くん以外、何も変わっていない……! クズはやっぱり廃部よ!!」