「クククッ、自滅か」

「ハハハッ」

「不動さん……!!　鬼道さん……!!」


またも衝突することを涼野や南雲は予想して笑い、五郎は顔を真っ青にする。だが、円堂と瑞貴は二人の今までとどこか違う雰囲気に気づいた。


（いや…違う……）

（二人の動きはまるで……）

「っ!!　あいつら、何か企んでいる!!」


アフロディも何かに気づいたようだがもう遅かった。鬼道と不動は向き合ってニヤリと笑う。


「フンッ!!　貴様と手を組むことになるとはな」

「ヘッ。こっちの台詞だ!!」

「ま…まさか……。気をつけろ!!　チェ＝チャンスウ!!」


声を上げるアフロディだが、チャンスウたちはボールに向かって足を伸ばしていた。同時に、鬼道と不動もボールを挟むように蹴る。


｢｢うぉぉおおお!!　キラーフィールズ!!!｣｣


反発し合うエネルギーが激突し、衝撃波となってチャンスウたちを吹き飛ばした。


「ぐぁっ!!　バカな!!　有り得ない……!!」

「ス…スゴい!!　なんて力だ……」

「こ…これが……これが二人の連携!!」


五郎も秋も意外性の連携に驚いた。鬼道と不動が手を組んで見事ゾーンを突破した。今までの二人の衝突はこの技のためだたったのだ。

土方たちは驚きながらも喜び、瑞貴は感極まってガッツポーズをする。


「あいつら、やりやがったな……」

「よっしゃ――っ!!」

「どうだ!!　オレたちのチームワークはそんなにヤワじゃないぜ――っ!!」

「むう……」


円堂の言葉に南雲と涼野は今まで侮って何もしなかったことに後悔した。

ついにゴール前、どちらが蹴るかわかる前にジョンスが飛び出した。


「どっちがどんな強烈なシュートを撃とうと絶対に止めてみせる!!」


ジョンスは両手に炎をまとい、シュートコースを完全に消した。だが――。


「暑苦しいな……」

「頭を冷やしな……」


トンッ。


「えっ？」


不動と鬼道は同時にヒールリフトでボールを上げた。呆気に取られるジョンスが上空を見ると、ニッと笑う瑞貴がいた。


「絆が深まったイナズマの威力を見せてあげる！　獅子王雷!!!」


雷が獅子をかたどる瑞貴の新必殺技が一直線にゴールへ入った。


「そ…そんな……」

「ゴールだ――っ!!」


信じられない光景にジョンスは驚いた。そして五郎たちが歓声を上げる。不動と鬼道の間に瑞貴が着地すると三人は嘆くジョンスに同時に背を向けてハイタッチをする。


「ケッ！　スかした野郎だ」

「お前がな」

「どっちもどっちだと思うけど」

「うおおおおぉっ!!」


土壇場で同点に追いついた。２対２……次の得点で勝者が決まる！