円堂、究極の試練!
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さらに数日後。
「よーし、今日からは倍のメニューだ!!」
「ええ!? 円堂センパイ。いくらなんでも……」
止めようと五郎は声をかけるが、円堂は何も言わず特訓を始める。頭の中は『じいちゃんに会うために頂上に行くんだ!!』だけしかない。
振り下ろされるタイヤが襲いかかり、円堂は構える。
「うおおぉぉおおおお……!!」
ドッ!!
円堂が拳を思い切りぶつけると、タイヤが繋いでいた鎖も切れて吹っ飛んだ。
「うおーっ! あの重いタイヤを吹っ飛ばした――っ!! やっぱりキャプテンはスゴいでヤンス――っ!!」
「よしッ!!」
栗松鉄平が歓声を上げると、他の者も円堂のパワーが上がっていることに喜ぶ。円堂自身も確実にパワーアップしていることを実感している。
しかし、誰もが同じ気持ちでいるわけではなかった。
「鬼道。円堂のあの様子、どう思う?」
「特訓の成果が出ればチームの士気が上がるのは確かだ。……だが、キャプテンを経験した者から言えば意味がない。キャプテンとしても、一人の選手としても、大切なことに気づいていないな」
豪炎寺修也と鬼道有人は厳しい顔をしながら、円堂から瑞貴に目線を移す。
「士郎、雷電。どう? 新必殺技の調子は」
「バッチリだよ」
「あとは試合にどう生かすかやパワーの精度を上げるかだけだ」
「なるほど。チャンスがあったら遠慮なく撃ってね。二人のシュートならゴールを奪えるよ!」
「うん! 僕もがんばるよ!」
「みぎゃ!?」
感極まって抱きつく吹雪士郎。瑞貴は驚きながらも受け止めて可愛い反応に頭を撫でる。もう見慣れた土方雷電は苦笑していた。
「……鬼道、とりあえず」
「吹雪を瑞貴から引き離すか」
そのあとの二人の行動は早く吹雪を瑞貴から引っ剥がす。その際一悶着が少しあったが、瑞貴は空気を察した土方が連れ出したので無事だった。
――土方たちと別れた瑞貴は決勝戦について五郎に用事があったが、何故か雷門中のどこを探してもいなかった。
「どこ行ったんだろう……」
外にでも行ったのかと思い、瑞貴は探しがてらランニングする。河川敷を通りがかると、基山ヒロトと緑川リュウジを見つけた。自主練でもしているのかと思っていると、ゴールには円堂もいた。
(あの場所は真っ直ぐフィールド全体を見れるのに、当たり前すぎて気づかなくなったのかな……)
円堂は『一人』で特訓に打ち込んでいる。初めは様子見として好きにやらせていたが、最近度が過ぎていくので止めたが聞かない。瑞貴自身は円堂と離れていっていることに気づいた。練習を一緒にやれないだけじゃなく、相棒としても。
(……なんだろう。胸がチクチクする)
「――お前がそんな表情するなんて珍しいな」
「――その原因は、あの円堂守という奴か」
「えっ!?」
突然背後から聞こえた声に振り向くと、ローブを着てフードを深く被っている少年が二人いた。さらに驚く間もなく、河川敷のグラウンドに降りてヒロトと緑川からボールを奪った。
「突然何をする!?」
「ボールを返せ!!」
ヒロトも緑川もボールを奪い返そうとするが、相手の二人組のテクニックが高く、なかなかボールに触れることもできない。
「「このぉ!!」」
「フレイムベール!!!」
「ウォーターベール!!!」
「な…何ぃ!?」
「リュウジ! ヒロト!」
二人の必殺技が緑川とヒロトを跳ね返した。強力な必殺技に円堂は驚き、瑞貴は慌ててグラウンドに降りる。
瑞貴の登場にも円堂は驚いたが、今は目の前の二人の正体が最優先だ。
「何をするんだ! お前ら何者だ!?」
「フッ。テクニックが落ちたんじゃないのか」
「基山、緑川!」
「クッ…この技は……」
「まさか…お前ら……」
先ほどの必殺技はヒロトと緑川は相手の正体に心当たりがある。そして二人はローブを脱ぐと赤を強調したユニフォームを着ていた。彼らの名は南雲晴矢と涼野風介だ。
「「久しぶりだな」」
「知り合いなのか?」
「……ああ。こいつらもエイリア学園だ!!」
「えっ!?」
初対面の円堂はわからなかったが、緑川が告げたことに驚いた。この世界でのエイリア学園はサッカーの強豪校で有名なのだ。
「元エイリアだ。今は韓国でプレーしている」
「お前ら韓国代表に入ったのか」
「その通りだ」
南雲とヒロトと涼野はエイリア学園のトップだ。三人のレベルに至っていない緑川は気圧されているのに円堂も気づく。