円堂、究極の試練!
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カタールに勝利したイナズマジャパンがアジア予選決勝戦に進出した。勝てば本戦に出場できるので選手たちは張り切っている。
(決勝戦か……)
もちろん井上瑞貴も例外ではないが、原作を思い出して不安なこともあった。どう対処するか考えながら宿舎を出ると、それに気づいた響木正剛が声をかける。
「どうした瑞貴。考えごとか?」
「響木監督。ええ……少し……」
「うわぁああ!! こ、これを見てください、響木監督――っ!!」
さすがに原作のことを教えるわけにはいかないので、誤魔化そうとする瑞貴の言葉を遮って叫び声が上がった。二人共振り向くと、円堂守が慌ててこちらに来る。
「オレに手紙が来たんです!!」
円堂が渡した手紙を響木は受け取って広げると瑞貴も横から覗き込む。手紙には『頂上にて待ってる!!』と書かれていた。だが、響木が特に注目したのは内容ではなく筆跡だった。
「『頂上にて待ってる』……こ…この文字は……」
「似てるでしょう。じいちゃんの字そっくりなんだ!!」
「守のおじいさん……亡くなったって言ってた円堂大介さん?」
「ああ! イタズラかな。それともまさか…生きているのかな……!?」
「うーむ……。実はオレのところにも世界のどこかで生きているという噂が伝わっていた……。確証がないので黙っていたが……」
「!! そ…そんな……じいちゃんが生きている!?」
今まで亡くなったと思った祖父・円堂大介が生きているという情報に、円堂は目を見開く。
「とにかくFFIに勝ち続ければ答えはわかる。目指すんだ頂上を!!」
「頂上!!」
響木からも告げられると、円堂は両拳を握り締めて体を震わせ始める。
「守?」
瑞貴が声をかけても円堂は反応しない。円堂のサッカーの原点…かつての日本代表…そしてイナズマイレブンの監督でもあった憧れの祖父に会えるということに頭がいっぱいになって瑞貴の声も届いていないのだ。
「頂上に行けば、じいちゃんに会える!!! うおおお――っ!! そうと決まれば特訓だ――っ!!」
そう言ってグラウンドに走り出す円堂を見送ると瑞貴は溜息を吐いた。
「響木監督。今が一番大切な時期なのに、焚きつけてどうするんですか」
「特訓に精を出すのはいいことだろ?」
「……逆効果って言葉、知ってますか?」
――瑞貴が心配した通り、グラウンドで円堂はランニング10キロ、ダッシュ百本、タイヤ打ち百回、筋トレ百セット、キャッチ百本とハードな特訓をやっている。
それを見て溜息を吐いた瑞貴に風丸一郎太と多摩野五郎が駆け寄って円堂を見ながら訊く。
「おい瑞貴。円堂の奴どうしたんだ?」
「なんか急に特訓メニューを増やして……」
「頂上に行けば死んだと言われてた大介さんに会えるかもしれないって。だから頂上に行こうと必死になってるの」
「おじいさんに!? それが本当なら喜ばしいことだが……」
「うおおぉぉおおお!!」
風丸も五郎も円堂の様子がおかしいことに心配している。特訓はいつものことだが今回は尋常じゃないのだ。
「……自分の立場を忘れ始めてる」
「瑞貴?」
「なんでもない。とりあえず今は様子見にしよう。一郎太、練習に付き合って」
「あ、ああ」
☆☆☆☆☆
それから一週間が経った。初日と同じメニューを毎日しているのでボロボロだ。
「よーし! 今日もランニングからだ!!」
「守。ムチャはダメ!! もうあのメニューを一週間だよ……」
「邪魔するな瑞貴!!」
ドンッ!
「瑞貴!」
「「「「「!!」」」」」
さすがに見てられなくなった瑞貴が止めに入る。だけど円堂は瑞貴を突き飛ばし、倒れそうになる瑞貴を風丸が支える。普段の円堂なら信じられない行動にその場にいた者たちは驚いた。
「世界の頂上を目指してるんだ! このくらいなんともない!!」
「円堂……」
「なんだかいつもの円堂センパイらしくないですね……」
「「…………」」
狂うように特訓に打ち込む円堂。瑞貴も久遠道也も彼の様子を険しい表情で見ていた。
「とりあえずお前は瑞貴を離したらどうだ」
「えっ」
不動明王から指摘され、風丸は腕の中を見ると、身長差で少し上目遣いになっている瑞貴と目が合う。反動で受け止めた際に抱きしめる形になったのだ。
想いを寄せる相手が腕の中にいて、さらに近距離で目が合ってるので風丸は顔が赤くなって瑞貴を離す。
「ごごごごごめん!!」
「ううん。こちらこそ受け止めてくれてありがとう」
「っ!」
ニコッと礼の意味を込めて微笑む瑞貴に、風丸はトドメを刺されたように赤くを通り越して真っ赤になって硬直する。
「……相変わらず罪作りだな」
「明王~。暇なら一緒に練習しよう」
「へいへい」
……この時点で円堂と瑞貴の距離がだんだんと開いているのを、感じたのは何人くらいだろうか。
(決勝戦か……)
もちろん井上瑞貴も例外ではないが、原作を思い出して不安なこともあった。どう対処するか考えながら宿舎を出ると、それに気づいた響木正剛が声をかける。
「どうした瑞貴。考えごとか?」
「響木監督。ええ……少し……」
「うわぁああ!! こ、これを見てください、響木監督――っ!!」
さすがに原作のことを教えるわけにはいかないので、誤魔化そうとする瑞貴の言葉を遮って叫び声が上がった。二人共振り向くと、円堂守が慌ててこちらに来る。
「オレに手紙が来たんです!!」
円堂が渡した手紙を響木は受け取って広げると瑞貴も横から覗き込む。手紙には『頂上にて待ってる!!』と書かれていた。だが、響木が特に注目したのは内容ではなく筆跡だった。
「『頂上にて待ってる』……こ…この文字は……」
「似てるでしょう。じいちゃんの字そっくりなんだ!!」
「守のおじいさん……亡くなったって言ってた円堂大介さん?」
「ああ! イタズラかな。それともまさか…生きているのかな……!?」
「うーむ……。実はオレのところにも世界のどこかで生きているという噂が伝わっていた……。確証がないので黙っていたが……」
「!! そ…そんな……じいちゃんが生きている!?」
今まで亡くなったと思った祖父・円堂大介が生きているという情報に、円堂は目を見開く。
「とにかくFFIに勝ち続ければ答えはわかる。目指すんだ頂上を!!」
「頂上!!」
響木からも告げられると、円堂は両拳を握り締めて体を震わせ始める。
「守?」
瑞貴が声をかけても円堂は反応しない。円堂のサッカーの原点…かつての日本代表…そしてイナズマイレブンの監督でもあった憧れの祖父に会えるということに頭がいっぱいになって瑞貴の声も届いていないのだ。
「頂上に行けば、じいちゃんに会える!!! うおおお――っ!! そうと決まれば特訓だ――っ!!」
そう言ってグラウンドに走り出す円堂を見送ると瑞貴は溜息を吐いた。
「響木監督。今が一番大切な時期なのに、焚きつけてどうするんですか」
「特訓に精を出すのはいいことだろ?」
「……逆効果って言葉、知ってますか?」
――瑞貴が心配した通り、グラウンドで円堂はランニング10キロ、ダッシュ百本、タイヤ打ち百回、筋トレ百セット、キャッチ百本とハードな特訓をやっている。
それを見て溜息を吐いた瑞貴に風丸一郎太と多摩野五郎が駆け寄って円堂を見ながら訊く。
「おい瑞貴。円堂の奴どうしたんだ?」
「なんか急に特訓メニューを増やして……」
「頂上に行けば死んだと言われてた大介さんに会えるかもしれないって。だから頂上に行こうと必死になってるの」
「おじいさんに!? それが本当なら喜ばしいことだが……」
「うおおぉぉおおお!!」
風丸も五郎も円堂の様子がおかしいことに心配している。特訓はいつものことだが今回は尋常じゃないのだ。
「……自分の立場を忘れ始めてる」
「瑞貴?」
「なんでもない。とりあえず今は様子見にしよう。一郎太、練習に付き合って」
「あ、ああ」
☆☆☆☆☆
それから一週間が経った。初日と同じメニューを毎日しているのでボロボロだ。
「よーし! 今日もランニングからだ!!」
「守。ムチャはダメ!! もうあのメニューを一週間だよ……」
「邪魔するな瑞貴!!」
ドンッ!
「瑞貴!」
「「「「「!!」」」」」
さすがに見てられなくなった瑞貴が止めに入る。だけど円堂は瑞貴を突き飛ばし、倒れそうになる瑞貴を風丸が支える。普段の円堂なら信じられない行動にその場にいた者たちは驚いた。
「世界の頂上を目指してるんだ! このくらいなんともない!!」
「円堂……」
「なんだかいつもの円堂センパイらしくないですね……」
「「…………」」
狂うように特訓に打ち込む円堂。瑞貴も久遠道也も彼の様子を険しい表情で見ていた。
「とりあえずお前は瑞貴を離したらどうだ」
「えっ」
不動明王から指摘され、風丸は腕の中を見ると、身長差で少し上目遣いになっている瑞貴と目が合う。反動で受け止めた際に抱きしめる形になったのだ。
想いを寄せる相手が腕の中にいて、さらに近距離で目が合ってるので風丸は顔が赤くなって瑞貴を離す。
「ごごごごごめん!!」
「ううん。こちらこそ受け止めてくれてありがとう」
「っ!」
ニコッと礼の意味を込めて微笑む瑞貴に、風丸はトドメを刺されたように赤くを通り越して真っ赤になって硬直する。
「……相変わらず罪作りだな」
「明王~。暇なら一緒に練習しよう」
「へいへい」
……この時点で円堂と瑞貴の距離がだんだんと開いているのを、感じたのは何人くらいだろうか。