「うおぉぉおおおっ!!」


虎丸の渾身のシュートがデザートライオンＤＦの壁の上を超える。だが……ボールはゴールの遙か上に飛んでいる。


「ハハハッ！　所詮臆病者！　緊張して失敗だ!!　この試合、我らカタールがもらった!!!」

「フッ……どうかな」

「!!!　何っ!?」


豪炎寺の笑みにナセルは飛んだボールを見ると、なんと回転でボールが急降下し始めた。狙った獲物は逃がさない……それが虎、それが……タイガードライブだ!!!

ナセルは予想外のことで慌てながら手を思い切り伸ばし、瑞貴と円堂も叫ぶ。


「おおおおお……!!」

｢｢いけぇ――っ!!!｣｣


タイガードライブは見事ゴールに突き刺さった。


「やった……。また得点を…試合中にシュートを…蹴れた……!!!　やったぁあ――っ!!!」


過去の事件以来シュートを撃てずにいたが、とうとう自らシュートを撃って得点を取れたことに虎丸は嬉しさのあまり笑顔を浮かべながら涙を流した。


「まさかこんなシュートを持っていたとは……」

「フフ……。どうやら眠れる虎を起こしたようだな」


今まで臆病者と称していた虎丸に決められてナセルはうなだれ、豪炎寺は虎丸の真の力を目の当たりにして微笑んだ。

そして試合終了のホイッスルが鳴り、１対０でイナズマジャパンが勝利した。