非情の紅白戦、決着!!
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バキィッ!!
「「「「「!!!」」」」」
ボールは嫌な音を出して顔に直撃した。重力に沿って地にボールが落ちていくと……なんとぶつかったショックで涙目になって鼻血を出したのは不動ではなく五郎だった。
一番貶された五郎が不動をかはったことに全員驚き、栗松は憤慨する。
「お前! なんでかばうでヤンスか――っ!?」
「ダメだよ栗松……もう不動さんとは仲間じゃないか……」
「「!!!」」
五郎の口から出た『仲間』という言葉に円堂と栗松は驚く。瑞貴はすぐ五郎にティッシュとハンカチを渡した。
「五郎、ティッシュで鼻血拭いて。涙はハンカチでね」
「瑞貴さん、ありがとうございます……」
ティッシュとハンカチを受け取った五郎は瑞貴の言う通りに鼻血と涙を拭き、不動が落としたユニフォームを拾うとパンパンッと汚れを落とす。
「……これが代表のユニフォームか……」
ユニフォームを眺めながら五郎は今までのことを思い出す。
(円堂センパイや瑞貴さんたちと一緒に、このユニフォームを着たかったな……。今まで一緒にサッカーやってこれて本当に楽しかった……)
雷門中サッカー部が弱小と呼ばれた頃から円堂と一緒に過ごし、瑞貴たちと共に特訓して必殺技が完成したりフットボールフロンティアで優勝した。
「ううう……。でも……もう……」
「五郎……」
「「「「「…………」」」」」
再び涙を流す五郎の気持ちが瑞貴たちに伝わる。初めて会った立向居たちにも伝わるほどだった。
「……だけど、これを着るのはボクじゃダメだ……」
「!!!」
突然五郎の口から否定の言葉が出て円堂は目を見開く。
「世界にはたくさんの強豪がいる。そのためにはボクよりうまい不動さんの力が必要なんだ……。だから不動さん……だから…だから…だから……! よろじくお願いじます……」
「「五郎……!!!」」
悔しさや悲しさが入り混じって大量に涙を流す五郎は不動にユニフォームを手渡す。その思いは全員にビリビリと衝撃が伝わった。不動までもだ。
すると瑞貴が自分のユニフォームをギュッと握ると涙を流し出した。その姿に円堂は驚く。
「瑞貴……!?」
「……私ね、約束したんだ。全国で私と同じようにサッカーする女子選手たちに」
漫画版では出演しなかった財前塔子や浦部リカという女子選手に、瑞貴は旅の途中に出会って一緒にサッカーして友達になった。
そして響木から代表候補に選ばれた連絡が入り、一番仲良くなった塔子とリカに話すと、二人共自分のことのように喜んでくれた。
『瑞貴、絶対代表に選ばれて思いっきりサッカーしてくれ! あたしたちの分まで!!!』
『ウチら女子選手の思い、ハニーに託すで!!!』
本当なら二人も世界と戦いたかっただろうに、心から自分を応援してくれたことが嬉しかった。
円堂もそれを聞いて、さらに五郎の気持ちを感じ取ったので、同じようにユニフォームをギュッと握って涙を流した。
「そうだな。このユニフォームは自分だけのモノじゃない……」
「うん……。私たちはみんなの……日本みんなの代表なんだ……!!!」
「「このユニフォームの重み、しっかり受け止めたぞ/よ!!!」」
「円堂センパイッ!!! 瑞貴さん!!!」
二人の言葉に五郎は笑顔を浮かべた。思いを託すことができて、さらに力に変えてくれた。
――そして代表に選ばれた円堂や瑞貴たちは全員ユニフォームに着替えてグラウンドに再び集合する。円堂はキャプテンマークを左腕に、瑞貴は副キャプテンマークを左手首に付けて。
「「イナズマジャパン始動だ!!!」」
「「「「「オウッ!!!」」」」」
円堂と瑞貴を始め、イナズマジャパン全員は世界に向けて気を引き締めた。