「うおおっ！　いくよ守――っ!!」

「きた――っ!!」


凄まじいオーラを放つ瑞貴に、五郎は瑞貴が撃つシュートが何かすぐわかった。


「スプリングキャノン!!!」


とうとう放たれたスプリングキャノン。ダメ押しとなる容赦のない攻撃が襲いかかり、このまま決まったら円堂の代表落ちは決定的だ。


「クッソォオ――ッ!!　負けるか瑞貴ぃぃ――っ!!」


円堂の新必殺技が出るのか――!?

だが、円堂は構えも変えずオーラを手に集めて上へ掲げる。これはゴッドハンドの体勢だ。


「ハハハッ、円堂は結局ゴッドハンドを越える新技はナシか!!　どうやらこれで終わりのようだな!!」

（守――……）

「そんな……」

「円堂――っ!!」


不動が高笑いする中、瑞貴は顔を歪め、五郎や染岡は円堂に声を上げる。

しかし……なんと円堂は広げていた手を握った。その行動に五郎や不動を始め誰もが驚く。


「な……」

「なんだー!?」

「瑞貴……オレだってさらなる上を目指したい!!　まだ見ぬ強敵と戦いたい!!　オレだって……世界への思いは負けちゃいないんだ!!」


ゴッドハンドが拳を握り、さらにパワーが集まっていく。


「見せてやるぜ、特訓の成果……」

「!!」


ニッと笑う円堂に瑞貴は目を見開く。円堂は拳をうしろに引き左足を高く上げる。


「代表のゴールは……ズババーンと任せとけ!!　正義の鉄拳!!!」

「何――っ!?」

｢｢｢｢｢!!｣｣｣｣｣


ゴッドハンドとは違うパンチングの必殺技が放たれた。パワーが溜まった拳がスプリングキャノンとぶつかる。不動だけでなく、ここにいる誰もがその威力を感じ取った。


「んがぁあぁ――っ!!」


勝負は円堂が勝った。跳ね返ったボールは空高く飛んで歓声が上がる。


「スゴいや!!　さすが円堂さんだ!!」

「クッ…そんな…なんて奴らだ……」

（これが、円堂守くんか……。瑞貴ちゃんが相棒と認めたのも納得だ……）


憧れの円堂が出した新必殺技を目にした立向居は喜び、不動は驚きで目を見開き、ヒロトは円堂の実力を認める。


「いい必殺技だね、守!!」

「お前もな、瑞貴!!」


瑞貴と円堂は笑い合っていた。初めて出会ったときから、二人はお互いに刺激し合って成長してきた。だからこそ本気で対決しながらも信じて合っていたのだ。


「大した奴らだ！　オレたちも負けてられないな」

「はい!!」


染岡も五郎も二人の勝負に刺激されていた。それは風丸や栗松たち他の選手もそうだろう。

行こうぜ、世界のステージへ!!