美食神の超食宝(スペシャルメニュー)
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……ここは美食會本部のとある部屋。そこにはいくつもの瓶の中にはそれぞれ虫が入っている。珍しい食材を手に入れるため、またはその虫自体が珍しいモノだったりするのだ。
その中には以前美食會第二支部支部長・ユーが捕獲してきた、お尻が光る蜂のインフィニ・ビーもいるが何者かの手によって持ち出される。
カチャン、カチャン――……。
男が廊下を歩き続けていると、身に纏っている鎧の音が鳴り響く。腰には先ほど持ち出したインフィニ・ビーの入った瓶があった。
「――ねぇ、ちょっと。どこ行く気?」
「もう美食會に用はない」
「――裏切りか~? 美食會最古参・特別料理顧問のあんたが、何故?」
ボォ……!
廊下の角から美食會の副料理長・トミーロッドとグリンパーチが出て来ると、廊下の灯りとなる蝋燭が一斉に灯った。その先にはシバの兜を付けていないスタージュンがいる。
「それを手に入れるために美食會に入った……そうでしょう、ギリム様」
「だとしたら?」
「渡すわけにはいかない」
男――ギリムを中心に副料理長たちは三角形のように囲む。トミーロッドはいつでも虫を出せるようにし、グリンパーチもストローを構え、スタージュンもバーナーナイフを取り出す。
「「「はあっ!」」」
「ふんっ!」
一斉に襲いかかって来るトミーロッドとグリンパーチとスタージュンを、ギリムは動じることなく弾き飛ばした。副料理長たちは間合いを取ると、ギリムは手から青い炎を出す。
ボオオオッ!
「「「!」」」
ドオオオンッ!!
その火力は凄まじく、四人がいた美食會本部の一部はあっという間に燃えて崩れてしまった。
炎が放たれたときにそれぞれ防御を取っていたおかげか、スタージュンもトミーロッドも無事だ。崩れた瓦礫の中から出てきたがグリンパーチももちろん無事である。
「マトモにくらってたらヤバかったぜ」
「「…………!」」
グリンパーチの言葉は、スタージュンもトミーロッドも同意だろう。この実力主義の美食會で最古参と呼べるほどの実力を持っているのだ。一筋縄ではいかない。
――副料理長たちから逃れて遠く離れた場所に移動したギリムは、腰に付けていたインフィニ・ビーの入った瓶を手に取った。
「誘(イザナ)え、インフィニ・ビー。彼の食材の元へ」
パアアァァアア――……!
瓶から出てきたインフィニ・ビーは、上空で方角を確かめるために八の字ダンスをすると真っ直ぐどこかへと向かっていく。お尻の赤い光が目印となっているので、ギリムもマントを変形させて翼にすると、後を追って行った。
「あの野郎~!」
「ムカつくな」
「…………」
インフィニ・ビーの光でギリムがこの地を去ったのを確認した、グリンパーチとトミーロッドとスタージュン。裏切り者をこのままにしておくわけにはいかないし、自分たちにも立場がある。
――同時刻キラキラと光輝くヒマワリのような花畑の中で、一人の老婆が夜空に煌めく満天の星空を見ていた。まるで遠い過去を思い出しているかのように。
☆☆☆☆☆
私の名前は瑞貴。孤児だけど周りには温かい人々ばかりだからおかげで幸せだ。だけど十三歳のある日、私は四神を身に宿し『トリコ』という物語の世界にトリップして美食屋兼料理人となり、時には『舞獣姫』って名前で世界中の貧困な土地に寄付活動をしている。
私というイレギュラーのせいで何か悪いことが起こるんじゃないかって心配で原作には関わるつもりはなかったけど、美食四天王・トリコや料理人・小松さんや、出会って来たみんなは私を受け入れて尚も一緒に過ごしたいと言ってくれた。私も本当は物語とかキャラクターとか関係なく、みんなが大好きになったから共に過ごしたいと心から思っている。
そんなある日、グルメ建築士・スマイルさんが設計した新しい遊園地・スウィーツランドのチケットを手に入れたということで、私と小松さんと、IGOの猛獣使い・リンちゃんと、スカイディア・フィルと、バトルウルフ・テリーも含め四人と二頭で行くことに。オープンしたばかりなのに賑やかで、有名アーティストのミニライブまでやっているし、何よりこの光景がスゴい! ……あれ? 今一瞬、元の世界の物語で見た某なんでも屋の三人組がいたような?
「お~!」
「メルヘンですよ! ファンタジーですよ!」
「可愛い! 綺麗!」
「スウィーツ!」
「最高だな、スウィーツランド!」
トリコと小松さんと私とリンちゃんはスウィーツランドの景色に感激した。だって全てがお菓子でできていて、まるで絵本の世界にいるような感じ!
アトラクションの調子や確認するためにスマイルさんも回るということで、せっかくだからと合流し、さっそくコーヒーカップに乗った。私はリンちゃんと、トリコは一人で、小松さんはスマイルさんと乗っている。
「トリコと甘~いスウィーツランドでデートできるなんて、最高だし~!」
「いや、私たちもいるからね!?」
「ティーカップ最高! はぐっ!」
「無視だし!?」
「てか、食うなよトリコ!」
相変わらず一人妄想で酔いしれているリンちゃんにツッコミを入れていたら、トリコがティーカップを食べ始めた。
「一番来てほしくない奴が……」
「スマイルさん、全部お菓子でできてるなんてスゴいテーマパークですね。さすがカリスマグルメ建築士!」
「でもオープン早々閉園かも……」
スマイルさんが項垂れているのもムリはない。このスウィーツランドはさっき小松さんも言った通り、全部がお菓子でできている。トリコのスウィーツハウスみたいにね。だから消費期限もあるため食べてもいいんだけど、こいつの場合は度が過ぎている。
トリコはさっそくコーヒーカップを全て食べてしまった! 人が乗っていないカップを片っ端から食べる姿は最早あっという間の出来事だったので小松さんも驚く。
「うめ~!」
「アトラクション、一つ消失!?」
「ウヒョヒョ、ハハハヒヒ……」
「笑い方、おかしくなってるし」
「丸ごと食べられるアトラクション、最高~!」
「ハァ~……」
もう笑うしかないって顔をするスマイルさんにリンちゃんは半目を向ける中、私は溜息を吐いてトリコに近づくと……。
バシイインッ!!
「イッテェ! 何すんだよ!」
「おバカ! ここはあんたの家じゃないんだよ!? みんなこのスウィーツランドのアトラクションもお菓子の味も楽しみにしているの! それを全部食べて台無しにするんじゃない!」
「で、でもよ、もう一回作ればいいじゃねぇか。なんなら俺が捕獲して来るし……」
「あんたは『捕獲』はできても『造る』ことはできないでしょ! それに『うまいモンはみんなで分かち合う』が信条のあんたが『独占』してどうすんの!」
「ス、スマン……」
「私じゃなくてスマイルさんに謝る!」
「えっ? えっ?」
ビシィと効果音が付く勢いで私はスマイルさんを指差してトリコを促す。自分の名前が呼ばれてスマイルさんはハッと我に返って混乱していると、トリコはスマイルさんの前にやって来た。
「スマイル、すまねぇ……。ついうまくてよ……」
「い、いや、そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。それに全部はダメだけど少しくらいなら食べても構わない――」
「ホントか!? よっしゃ食うぞー!」
ビューンッ!
「あっ……」
「スマイルさん……」
「あ~あ……」
「トリコの『少し』って絶対に普通の少しじゃないし……」
トリコが珍しく謝ってきたからスマイルさんも思わず言ってしまったんだろう。だけど失言だったとスマイルさんが顔を真っ青にしたときはもう遅く、トリコは次のアトラクションに向かってしまい、小松さんと私とリンちゃんは呆れ半分苦笑半分でいた。
次に乗ったのはエクレアのゴーカート。二人乗りだからそれぞれ分かれることに。運転・トリコ&助手席・小松さん、運転・リンちゃん&助手席・スマイルさん、そして私は一人で乗っている。ほぼ放心状態のスマイルさんを一人に乗せていたら危ないからね。
「――ったく、相変わらずだな」
「鉄平!」
「ゲッ!」
「遊びに来てたんですね!」
「いや」
「「「ん?」」」
私やトリコや小松さんの前に走るゴーカートには再生屋・鉄平がいた。思わず私が声を上げてしまったのは仕方ないよね、だってこいつのせいでアイスヘルに隔離されそうになったし恨みは忘れません。
でも、スウィーツランドに来たのに遊びに来たんじゃないって? もしかして何かあるの?
その中には以前美食會第二支部支部長・ユーが捕獲してきた、お尻が光る蜂のインフィニ・ビーもいるが何者かの手によって持ち出される。
カチャン、カチャン――……。
男が廊下を歩き続けていると、身に纏っている鎧の音が鳴り響く。腰には先ほど持ち出したインフィニ・ビーの入った瓶があった。
「――ねぇ、ちょっと。どこ行く気?」
「もう美食會に用はない」
「――裏切りか~? 美食會最古参・特別料理顧問のあんたが、何故?」
ボォ……!
廊下の角から美食會の副料理長・トミーロッドとグリンパーチが出て来ると、廊下の灯りとなる蝋燭が一斉に灯った。その先にはシバの兜を付けていないスタージュンがいる。
「それを手に入れるために美食會に入った……そうでしょう、ギリム様」
「だとしたら?」
「渡すわけにはいかない」
男――ギリムを中心に副料理長たちは三角形のように囲む。トミーロッドはいつでも虫を出せるようにし、グリンパーチもストローを構え、スタージュンもバーナーナイフを取り出す。
「「「はあっ!」」」
「ふんっ!」
一斉に襲いかかって来るトミーロッドとグリンパーチとスタージュンを、ギリムは動じることなく弾き飛ばした。副料理長たちは間合いを取ると、ギリムは手から青い炎を出す。
ボオオオッ!
「「「!」」」
ドオオオンッ!!
その火力は凄まじく、四人がいた美食會本部の一部はあっという間に燃えて崩れてしまった。
炎が放たれたときにそれぞれ防御を取っていたおかげか、スタージュンもトミーロッドも無事だ。崩れた瓦礫の中から出てきたがグリンパーチももちろん無事である。
「マトモにくらってたらヤバかったぜ」
「「…………!」」
グリンパーチの言葉は、スタージュンもトミーロッドも同意だろう。この実力主義の美食會で最古参と呼べるほどの実力を持っているのだ。一筋縄ではいかない。
――副料理長たちから逃れて遠く離れた場所に移動したギリムは、腰に付けていたインフィニ・ビーの入った瓶を手に取った。
「誘(イザナ)え、インフィニ・ビー。彼の食材の元へ」
パアアァァアア――……!
瓶から出てきたインフィニ・ビーは、上空で方角を確かめるために八の字ダンスをすると真っ直ぐどこかへと向かっていく。お尻の赤い光が目印となっているので、ギリムもマントを変形させて翼にすると、後を追って行った。
「あの野郎~!」
「ムカつくな」
「…………」
インフィニ・ビーの光でギリムがこの地を去ったのを確認した、グリンパーチとトミーロッドとスタージュン。裏切り者をこのままにしておくわけにはいかないし、自分たちにも立場がある。
――同時刻キラキラと光輝くヒマワリのような花畑の中で、一人の老婆が夜空に煌めく満天の星空を見ていた。まるで遠い過去を思い出しているかのように。
☆☆☆☆☆
私の名前は瑞貴。孤児だけど周りには温かい人々ばかりだからおかげで幸せだ。だけど十三歳のある日、私は四神を身に宿し『トリコ』という物語の世界にトリップして美食屋兼料理人となり、時には『舞獣姫』って名前で世界中の貧困な土地に寄付活動をしている。
私というイレギュラーのせいで何か悪いことが起こるんじゃないかって心配で原作には関わるつもりはなかったけど、美食四天王・トリコや料理人・小松さんや、出会って来たみんなは私を受け入れて尚も一緒に過ごしたいと言ってくれた。私も本当は物語とかキャラクターとか関係なく、みんなが大好きになったから共に過ごしたいと心から思っている。
そんなある日、グルメ建築士・スマイルさんが設計した新しい遊園地・スウィーツランドのチケットを手に入れたということで、私と小松さんと、IGOの猛獣使い・リンちゃんと、スカイディア・フィルと、バトルウルフ・テリーも含め四人と二頭で行くことに。オープンしたばかりなのに賑やかで、有名アーティストのミニライブまでやっているし、何よりこの光景がスゴい! ……あれ? 今一瞬、元の世界の物語で見た某なんでも屋の三人組がいたような?
「お~!」
「メルヘンですよ! ファンタジーですよ!」
「可愛い! 綺麗!」
「スウィーツ!」
「最高だな、スウィーツランド!」
トリコと小松さんと私とリンちゃんはスウィーツランドの景色に感激した。だって全てがお菓子でできていて、まるで絵本の世界にいるような感じ!
アトラクションの調子や確認するためにスマイルさんも回るということで、せっかくだからと合流し、さっそくコーヒーカップに乗った。私はリンちゃんと、トリコは一人で、小松さんはスマイルさんと乗っている。
「トリコと甘~いスウィーツランドでデートできるなんて、最高だし~!」
「いや、私たちもいるからね!?」
「ティーカップ最高! はぐっ!」
「無視だし!?」
「てか、食うなよトリコ!」
相変わらず一人妄想で酔いしれているリンちゃんにツッコミを入れていたら、トリコがティーカップを食べ始めた。
「一番来てほしくない奴が……」
「スマイルさん、全部お菓子でできてるなんてスゴいテーマパークですね。さすがカリスマグルメ建築士!」
「でもオープン早々閉園かも……」
スマイルさんが項垂れているのもムリはない。このスウィーツランドはさっき小松さんも言った通り、全部がお菓子でできている。トリコのスウィーツハウスみたいにね。だから消費期限もあるため食べてもいいんだけど、こいつの場合は度が過ぎている。
トリコはさっそくコーヒーカップを全て食べてしまった! 人が乗っていないカップを片っ端から食べる姿は最早あっという間の出来事だったので小松さんも驚く。
「うめ~!」
「アトラクション、一つ消失!?」
「ウヒョヒョ、ハハハヒヒ……」
「笑い方、おかしくなってるし」
「丸ごと食べられるアトラクション、最高~!」
「ハァ~……」
もう笑うしかないって顔をするスマイルさんにリンちゃんは半目を向ける中、私は溜息を吐いてトリコに近づくと……。
バシイインッ!!
「イッテェ! 何すんだよ!」
「おバカ! ここはあんたの家じゃないんだよ!? みんなこのスウィーツランドのアトラクションもお菓子の味も楽しみにしているの! それを全部食べて台無しにするんじゃない!」
「で、でもよ、もう一回作ればいいじゃねぇか。なんなら俺が捕獲して来るし……」
「あんたは『捕獲』はできても『造る』ことはできないでしょ! それに『うまいモンはみんなで分かち合う』が信条のあんたが『独占』してどうすんの!」
「ス、スマン……」
「私じゃなくてスマイルさんに謝る!」
「えっ? えっ?」
ビシィと効果音が付く勢いで私はスマイルさんを指差してトリコを促す。自分の名前が呼ばれてスマイルさんはハッと我に返って混乱していると、トリコはスマイルさんの前にやって来た。
「スマイル、すまねぇ……。ついうまくてよ……」
「い、いや、そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。それに全部はダメだけど少しくらいなら食べても構わない――」
「ホントか!? よっしゃ食うぞー!」
ビューンッ!
「あっ……」
「スマイルさん……」
「あ~あ……」
「トリコの『少し』って絶対に普通の少しじゃないし……」
トリコが珍しく謝ってきたからスマイルさんも思わず言ってしまったんだろう。だけど失言だったとスマイルさんが顔を真っ青にしたときはもう遅く、トリコは次のアトラクションに向かってしまい、小松さんと私とリンちゃんは呆れ半分苦笑半分でいた。
次に乗ったのはエクレアのゴーカート。二人乗りだからそれぞれ分かれることに。運転・トリコ&助手席・小松さん、運転・リンちゃん&助手席・スマイルさん、そして私は一人で乗っている。ほぼ放心状態のスマイルさんを一人に乗せていたら危ないからね。
「――ったく、相変わらずだな」
「鉄平!」
「ゲッ!」
「遊びに来てたんですね!」
「いや」
「「「ん?」」」
私やトリコや小松さんの前に走るゴーカートには再生屋・鉄平がいた。思わず私が声を上げてしまったのは仕方ないよね、だってこいつのせいでアイスヘルに隔離されそうになったし恨みは忘れません。
でも、スウィーツランドに来たのに遊びに来たんじゃないって? もしかして何かあるの?