ド卑劣! 爆走! ブランチ、ごぼう抜き!!
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……食の祭典・クッキングフェスが開幕。第一回戦はトライアスロンクッキング。遅れて料理人ランキング3位のブランチも参戦する。トリコのコンビである小松と婚約者の瑞貴は、美食屋四天王全員が認める実力を持っているため、ブランチは叩き潰そうと決意した。
だが、上位で泳ぎ切ったにもかかわらず食材の気持ちを優先し残った瑞貴、高級食材じゃなくても充分使えると目の前の食材に喜ぶ小松。二人の気持ちに食材は嬉しくて煌めき出したため、ブランチは小松と瑞貴の料理の才能を垣間見た。
そしてブランチは二人のことを気に入り、三人で残りの食材を全て運ぶことに決めた。
☆☆☆☆☆
……荷台に残りの食材を全て乗せ、笑い合う三人の姿は当然モニターに映っている。しかしサニーは先ほどブランチが自分たちにケンカを売って瑞貴と小松のことをナメていたのに、当の二人がブランチと仲良くしている光景に驚いた。
「なっ!? 瑞貴、松、何そこで意気投合してんだ!」
「するだろうな」
「ハッ!? ンだと!?」
「テーブルを見てみな」
「この食器が何か?」
トリコに示されたサニーがテーブルを見ると、少し前にブランチが派手にテーブルの上に勢いよく乗って登場したため、グラスや瓶が倒れて皿が引っくり返っている。しかしそこにはある共通点があった。
「あんだけ荒々しく登場しておいて、倒れているのはカラの食器だけだ。食い物が入っている皿やグラスはピクリとも動かしてねぇ」
「うん、確かに」
「粗暴に見えても料理人なのさ。ブランチも」
「フンッ」
トリコに同意するココとゼブラ。天狗の見た目や性格で不良と言われているが、料理人として食材への敬意を持っているのは間違いない。だけどサニーはまだ納得できていない部分があった。
「何を根拠に?」
「小松も瑞貴もブランチも、食材を愛する料理人。小松とコンビを組んで、瑞貴と婚約しているこの俺が言うんだ。充分な根拠だろ? ――食材と真摯に向き合い、食材に好かれる小松と瑞貴に共感するのは、料理人として自然なことだろうな」
モニターに映る三人は笑い合っている。ときどきブランチがからかって、瑞貴がそれを怒り、小松が宥める光景もあるが、ブランチのことが少しわかった今じゃ、じゃれ合っているようにしか見えない。
小松と瑞貴はいつしか周りの料理人を自分のペースに良い意味で乗せ、応援したくなる料理人なのだ。ブランチもその一人になってしまった。
――残り全ての食材を積んでいるから、『私=ブランチ>小松さん』でも充分な量がある。でも置いて行こうなんて最初から考えていなかった。このクッキングフェスに勝ち進むためにも、食材たちの望み通りにおいしく調理しなくちゃね。
「ほな行こうか。今から全員ゴボウ抜きやで、小松! 舞獣姫!」
「はい! ブランチさん!」
「言われるまでもないよ!」
私たちはハンドルをしっかり握ってペダルを漕ぎ出した。――さあ、ここから挽回するよ!
☆☆☆☆☆
……クッキングフェスが開幕中のクッキングアイランドへ向かう人々は、始まっても尚どんどんと集まって来る。しかし海に囲まれた島であるクッキングアイランドへの道は限りがあるため、道路も渋滞が120キロもあり待ち時間が二十時間もある。
だが、それをモノともせず海を歩いている巨大な猛獣が多く現れた。それはキリンの体に一角のツノが生えて翼を持ち、本来なら草食獣なのに牙を持つ、捕獲レベル90の哺乳獣類・ジュラフバードだ。その内二体にはそれぞれマンサムとリンが乗っていた。
「ジュラフバード……警戒心と嗅覚の優れた数種類の草食獣と、強力な戦隊能力を誇る肉食獣の混合獣。曲者が近づけばこいつらが真っ先に察知する。ジュラフバードが吠えるとき、それが戦いの始まり――開戦の合図だ」
「あ~あ、フェスめっちゃ盛り上がってるし。小松と瑞貴の活躍、トリコと一緒に見たかったな~」
だが、上位で泳ぎ切ったにもかかわらず食材の気持ちを優先し残った瑞貴、高級食材じゃなくても充分使えると目の前の食材に喜ぶ小松。二人の気持ちに食材は嬉しくて煌めき出したため、ブランチは小松と瑞貴の料理の才能を垣間見た。
そしてブランチは二人のことを気に入り、三人で残りの食材を全て運ぶことに決めた。
☆☆☆☆☆
……荷台に残りの食材を全て乗せ、笑い合う三人の姿は当然モニターに映っている。しかしサニーは先ほどブランチが自分たちにケンカを売って瑞貴と小松のことをナメていたのに、当の二人がブランチと仲良くしている光景に驚いた。
「なっ!? 瑞貴、松、何そこで意気投合してんだ!」
「するだろうな」
「ハッ!? ンだと!?」
「テーブルを見てみな」
「この食器が何か?」
トリコに示されたサニーがテーブルを見ると、少し前にブランチが派手にテーブルの上に勢いよく乗って登場したため、グラスや瓶が倒れて皿が引っくり返っている。しかしそこにはある共通点があった。
「あんだけ荒々しく登場しておいて、倒れているのはカラの食器だけだ。食い物が入っている皿やグラスはピクリとも動かしてねぇ」
「うん、確かに」
「粗暴に見えても料理人なのさ。ブランチも」
「フンッ」
トリコに同意するココとゼブラ。天狗の見た目や性格で不良と言われているが、料理人として食材への敬意を持っているのは間違いない。だけどサニーはまだ納得できていない部分があった。
「何を根拠に?」
「小松も瑞貴もブランチも、食材を愛する料理人。小松とコンビを組んで、瑞貴と婚約しているこの俺が言うんだ。充分な根拠だろ? ――食材と真摯に向き合い、食材に好かれる小松と瑞貴に共感するのは、料理人として自然なことだろうな」
モニターに映る三人は笑い合っている。ときどきブランチがからかって、瑞貴がそれを怒り、小松が宥める光景もあるが、ブランチのことが少しわかった今じゃ、じゃれ合っているようにしか見えない。
小松と瑞貴はいつしか周りの料理人を自分のペースに良い意味で乗せ、応援したくなる料理人なのだ。ブランチもその一人になってしまった。
――残り全ての食材を積んでいるから、『私=ブランチ>小松さん』でも充分な量がある。でも置いて行こうなんて最初から考えていなかった。このクッキングフェスに勝ち進むためにも、食材たちの望み通りにおいしく調理しなくちゃね。
「ほな行こうか。今から全員ゴボウ抜きやで、小松! 舞獣姫!」
「はい! ブランチさん!」
「言われるまでもないよ!」
私たちはハンドルをしっかり握ってペダルを漕ぎ出した。――さあ、ここから挽回するよ!
☆☆☆☆☆
……クッキングフェスが開幕中のクッキングアイランドへ向かう人々は、始まっても尚どんどんと集まって来る。しかし海に囲まれた島であるクッキングアイランドへの道は限りがあるため、道路も渋滞が120キロもあり待ち時間が二十時間もある。
だが、それをモノともせず海を歩いている巨大な猛獣が多く現れた。それはキリンの体に一角のツノが生えて翼を持ち、本来なら草食獣なのに牙を持つ、捕獲レベル90の哺乳獣類・ジュラフバードだ。その内二体にはそれぞれマンサムとリンが乗っていた。
「ジュラフバード……警戒心と嗅覚の優れた数種類の草食獣と、強力な戦隊能力を誇る肉食獣の混合獣。曲者が近づけばこいつらが真っ先に察知する。ジュラフバードが吠えるとき、それが戦いの始まり――開戦の合図だ」
「あ~あ、フェスめっちゃ盛り上がってるし。小松と瑞貴の活躍、トリコと一緒に見たかったな~」