来(キタ)るべき祭典 うごめく“ヤバイ奴ら”
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……四獣を倒してから三日目、グルメタウンを中心に人間界はまだまだ大盛り上がりだ。
「うめー! 生きてると幸せー!」
「四天王、ありがとー!」
「グルメ時代、ばんざーい!」
「歴史的歓喜の宴は、まだまだ終わりそうにありません! 人々は命に感謝! 食に感謝! 美食四天王に感謝で盛り上がっておりまーす!」
ティナも宴を中継しながら美食四天王に感謝する。人類の脅威と言われた四獣が倒され、こうして生きて食事ができる喜びは命の危機を味わったから尚更深いだろう。
……そして人間界を救った美食四天王は、四獣との戦いの出発地点でもある、グルメタワーの最上階の『膳王』で食事をしていた。
「うめー! サイコー! 小松、瑞貴、じゃんじゃん持って来いー!」
「はいー!」
「今持って行くねー!」
関係者以外はこの場所にいないから、私も格好は舞獣姫のままだけど仮面は取ってあるので本名で呼んでもらっている。それにしてもよく食べるな~。トリコとゼブラはともかく、ココさんもサニーもあんな激しい戦いをしたせいか、いつもより食べている気がする。
「ところで、鉄平さんは?」
「そういえば……」
「どこ行きやがった、あの野郎! ぶっ飛ばさねぇと気がすまねぇ!」
小松さんがふと言った鉄平のことをココさんが反応すると、さっきまで食事に夢中だったゼブラが荒れた。まあ、自分を捕まえて刑務所にぶち込んだ張本人だからね。
「またグルメ刑務所に入れられんなよ」
「ああ!?」
「えっ!? それスッゴく困る!」
「「「「「ハァ/えっ?」」」」」
サニーがからかって言ったんだろうけど、私は即座に反応してそう言ったら全員そろって聞き返された。
「だって刑務所に入れられたら、もうゼブラが出て来るかどうかわからないでしょ? また一緒に旅をしたり、こうして私と小松さんが作った料理を食べてもらえないなんて寂しいよ!」
「「「「「…………」」」」」
ハントを一緒に行けば頼もしいし、ゼブラとトリコの食事は、作るのは大変だけど見ていて気持ちのいい食べっぷりだもんね。そう言う意味で言ったらみんな黙っちゃった。
「あ、あれ?」
「えっと、瑞貴ちゃん。それって万が一僕やサニーやトリコが刑務所に行っても同じことを言う?」
「当たり前じゃないですか!」
…………。
「おい、瑞貴! てめぇ期待させるようなこと言うんじゃねぇ! チョーシ乗ってんのか!」
「ええっ!? なんだかわからないけどごめん!」
「わかんねぇなら言うな!」
ふてくされたゼブラはまた食事にとりかかった。その行動に不可解に思っていたら、サニーが手招きしていたのが見えたので近寄ると、耳元に小声で話しかけられる。
「お前(マ)、ゼブラに告られたのを忘れてね? ココの訂正がなきゃ『気がある』って思われっぞ」
「あっ!」
「聞こえてんぞ、サニー!」
「ンなの知ってっし!」
「ゼブラ、本当にごめんなさい! 意味深みたいなこと言っちゃって!」
「謝んな!」
そうだった。もちろん忘れていたわけじゃなかったけど、今は四獣を倒して生きていられることが嬉しくて、それが頭いっぱいになっていた。――早くみんなに答えを出さなきゃいけない。そして、私の気持ちを伝えたい。
「まあ、あれだけの手練れだ。無事に違いねぇ」
「…………」
「小松さん、不安なの?」
「ええ。四獣も倒しても姿が見えませんし、それに――黒幕のことがありますから……」
トリコが話題を変えて鉄平は無事だと言ってるけど、小松さんの表情は変わることない。なんか嫌な予感もするけど、本当に大丈夫かな?
☆☆☆☆☆
……ふと鉄平が目を開けると至近距離で目に入ったのは、色とりどりの果物。しかし自分の手に果物を取った感触はしないし、こんなに近くに見ているわけではない。目線を移動すると優雅にワインが入ったグラスを手にして揺らす四獣の黒幕と思われし人物がいた。
そう、今自分がいるのは自身も果物と同様に盛りつけられた皿の中だった――。
「うわあぁぁあああ!!」
その光景があまりにも恐ろしくて悲鳴を上げて体を起こすと、鉄平はさっきと全く別の場所にいた。皿の中ではなくベッドにおり、自身にはいくつもの点滴が繋いである。だが、夢とも思われた先ほどの光景は現実にも見えたので、鉄平の汗は引くことなく肩で息をしている。
「ハァ……ハァ…ハァ…ハァ……」
コトッ。
「――ようやく目が覚めたわね」
何かが置かれる音に目を向けると、手が四本もあり長髪のミツアミを片側に流す眼鏡をかけた女性がいた。そしてこの女性を鉄平は知っている。何度か面識のある同業者なのだから。
「プキンさん……」
「三日も寝続けていたわよ、鉄平くん」
「ここは……?」
「私の研究所。癒しの国・ライフのすぐ近く」
「俺は…いったい……?」
「思い出せる? 再生屋のネットワークが鉄平くんを救ったの」
「っ、そうか……俺は……」
だんだんと落ち着きを取り戻した鉄平は、意識を失う前に何があったのかだんだんと思い出せた。
「うめー! 生きてると幸せー!」
「四天王、ありがとー!」
「グルメ時代、ばんざーい!」
「歴史的歓喜の宴は、まだまだ終わりそうにありません! 人々は命に感謝! 食に感謝! 美食四天王に感謝で盛り上がっておりまーす!」
ティナも宴を中継しながら美食四天王に感謝する。人類の脅威と言われた四獣が倒され、こうして生きて食事ができる喜びは命の危機を味わったから尚更深いだろう。
……そして人間界を救った美食四天王は、四獣との戦いの出発地点でもある、グルメタワーの最上階の『膳王』で食事をしていた。
「うめー! サイコー! 小松、瑞貴、じゃんじゃん持って来いー!」
「はいー!」
「今持って行くねー!」
関係者以外はこの場所にいないから、私も格好は舞獣姫のままだけど仮面は取ってあるので本名で呼んでもらっている。それにしてもよく食べるな~。トリコとゼブラはともかく、ココさんもサニーもあんな激しい戦いをしたせいか、いつもより食べている気がする。
「ところで、鉄平さんは?」
「そういえば……」
「どこ行きやがった、あの野郎! ぶっ飛ばさねぇと気がすまねぇ!」
小松さんがふと言った鉄平のことをココさんが反応すると、さっきまで食事に夢中だったゼブラが荒れた。まあ、自分を捕まえて刑務所にぶち込んだ張本人だからね。
「またグルメ刑務所に入れられんなよ」
「ああ!?」
「えっ!? それスッゴく困る!」
「「「「「ハァ/えっ?」」」」」
サニーがからかって言ったんだろうけど、私は即座に反応してそう言ったら全員そろって聞き返された。
「だって刑務所に入れられたら、もうゼブラが出て来るかどうかわからないでしょ? また一緒に旅をしたり、こうして私と小松さんが作った料理を食べてもらえないなんて寂しいよ!」
「「「「「…………」」」」」
ハントを一緒に行けば頼もしいし、ゼブラとトリコの食事は、作るのは大変だけど見ていて気持ちのいい食べっぷりだもんね。そう言う意味で言ったらみんな黙っちゃった。
「あ、あれ?」
「えっと、瑞貴ちゃん。それって万が一僕やサニーやトリコが刑務所に行っても同じことを言う?」
「当たり前じゃないですか!」
…………。
「おい、瑞貴! てめぇ期待させるようなこと言うんじゃねぇ! チョーシ乗ってんのか!」
「ええっ!? なんだかわからないけどごめん!」
「わかんねぇなら言うな!」
ふてくされたゼブラはまた食事にとりかかった。その行動に不可解に思っていたら、サニーが手招きしていたのが見えたので近寄ると、耳元に小声で話しかけられる。
「お前(マ)、ゼブラに告られたのを忘れてね? ココの訂正がなきゃ『気がある』って思われっぞ」
「あっ!」
「聞こえてんぞ、サニー!」
「ンなの知ってっし!」
「ゼブラ、本当にごめんなさい! 意味深みたいなこと言っちゃって!」
「謝んな!」
そうだった。もちろん忘れていたわけじゃなかったけど、今は四獣を倒して生きていられることが嬉しくて、それが頭いっぱいになっていた。――早くみんなに答えを出さなきゃいけない。そして、私の気持ちを伝えたい。
「まあ、あれだけの手練れだ。無事に違いねぇ」
「…………」
「小松さん、不安なの?」
「ええ。四獣も倒しても姿が見えませんし、それに――黒幕のことがありますから……」
トリコが話題を変えて鉄平は無事だと言ってるけど、小松さんの表情は変わることない。なんか嫌な予感もするけど、本当に大丈夫かな?
☆☆☆☆☆
……ふと鉄平が目を開けると至近距離で目に入ったのは、色とりどりの果物。しかし自分の手に果物を取った感触はしないし、こんなに近くに見ているわけではない。目線を移動すると優雅にワインが入ったグラスを手にして揺らす四獣の黒幕と思われし人物がいた。
そう、今自分がいるのは自身も果物と同様に盛りつけられた皿の中だった――。
「うわあぁぁあああ!!」
その光景があまりにも恐ろしくて悲鳴を上げて体を起こすと、鉄平はさっきと全く別の場所にいた。皿の中ではなくベッドにおり、自身にはいくつもの点滴が繋いである。だが、夢とも思われた先ほどの光景は現実にも見えたので、鉄平の汗は引くことなく肩で息をしている。
「ハァ……ハァ…ハァ…ハァ……」
コトッ。
「――ようやく目が覚めたわね」
何かが置かれる音に目を向けると、手が四本もあり長髪のミツアミを片側に流す眼鏡をかけた女性がいた。そしてこの女性を鉄平は知っている。何度か面識のある同業者なのだから。
「プキンさん……」
「三日も寝続けていたわよ、鉄平くん」
「ここは……?」
「私の研究所。癒しの国・ライフのすぐ近く」
「俺は…いったい……?」
「思い出せる? 再生屋のネットワークが鉄平くんを救ったの」
「っ、そうか……俺は……」
だんだんと落ち着きを取り戻した鉄平は、意識を失う前に何があったのかだんだんと思い出せた。