……四天王は四獣との死闘の末、窮地に追い込まれる。しかし、ＩＧＯ会長・一龍のメッセージ動画の続きには、四獣はダメージを与えれば与えるほど、四獣がうまくなると言っていた。

それを聞いて味への好奇心と瑞貴の残した力が高まり、立ち上がることができた四天王。そして四獣と完全に決着をつけるため、幼い頃に一龍から教えてもらった、『食欲のエネルギー』の具現化に四人で挑戦する。パートナーアニマルたちが四獣を相手にしてくれたため、ついに完成させることができた。

四獣と四天王、これに勝ったほうが紛れもなく捕食者である！



☆☆☆☆☆


……四天王が作ったモノがただのエネルギーの塊ではないと気づいたのか、四獣は一歩一歩ゆっくりと近づいて来る。


〈ゴアアァァアアア!!〉


四獣は大きく口を開けて身をかがめ、エネルギーごと四天王を食らいつくそうとしたが……そのとき、自分は『捕食者』ではなく『捕食される側』にいた。


〈ゴアッ!?　ゴアッ!?〉


いつの間にか自分がいるのは皿の上。周りには並べられた四人分の料理と食器、その席にいるのは先ほどまで四天王に宿って荒々しく戦っていたはずのグルメ細胞の悪魔が、正装して座っていた。


「身の内に潜む野生を、タキシードに包み……」

「紳士さながらに、食事に勤しむ……」

「それは、頂点・捕食者の振る舞い……」

「完全なる……捕食の王だ！」


ココ、サニー、ゼブラ、トリコ、四人の食欲の塊となるグルメ細胞の悪魔が、四獣を食わんとしている。それがこの技――。


｢｢｢｢王食晩餐!!｣｣｣｣


四人の手から離れたエネルギーの塊――王食晩餐は四獣の目の前に来ると、最初は白く稲妻を纏っていた光の中心に四つの輝きが舞っていたが、それが一つになると、太陽のような輝きを持つ黄緑のオーラを纏う黄色のエネルギーに変わる。

そして中心から一本の線が左右に広がったと思いきや、大きく開けたそれは口のようになり、さらには口の奥が宇宙のようになっていた。まるで小さなブラックホールである。


「この世の全ての食材に感謝を込めて……いただきます！」


トリコの合図で王食晩餐は読めない動きで縦横無尽に動き回ると、四獣の体内に入って食べて行く。一度出るとさらに大きくなり、まだ足りないというように口を開いた。当然四獣も食われまいと王食晩餐を攻撃するが、素早い動きでよけるだけでなく、その腕をも食べてしまう。

食べれば食べるほど大きくなる王食晩餐は、四獣が再生させた腕もさらに来たご馳走と思うほど、驚くことなくその腕も食べる。